2008年5月28日水曜日

これは誰?


何回読んでも、そしてどんな小説よりも面白いと思うのが、紫式部の書いた「源氏物語」。
今から千年前に書かれたものとは思えないほど、現代に通じるものがたくさんあるのよね。

男と女の関係、男同士の関係、正妻と愛人、親子関係、舅や姑との関係。・・・本当に面白いお話です。

今はね、ちょうど、田辺聖子の「新源氏物語」を読み終えたところ。

私の頭の中には、源氏を取り巻くヒロインたちが渦巻いているの。

だから、何を見ても、「これは誰に似ているかしら?」と思ってしまうのよね。

バラにしてもそう。
もちろん平安朝にはバラなんてなかったと思うけれど、そこは想像の世界よ。


これはね、源氏の憧れの的「藤壺」のイメージ。
藤壺はお父さんである帝の愛人なのに、その息子の若き源氏が恋しちゃうの。
いくら本当の親子ではないとはいえ、ひっそりと関係を持ってしまい、そして子供まで生まれてしまうのよ。

そんな高貴で素晴らしい女性「藤壺」のイメージにぴったりだと思わない?

残念ながらこの写真はお借りしてきたものです。


このゴージャスな赤とイエローのバラは何となく、「六条御息所」のような気がしませんか?

高貴で教養が深く、情熱的で、それでいてプライドが高く、嫉妬深い女性。


これは誰かしら。
凛として、それでいてあでやか。
ちょっと色っぽいところが、「朧月夜」なんてところかしら。

彼女は東宮の奥さんとなることになっていたのに、シレッと源氏と関係を持っちゃって、それが見つかってしまい、源氏は須磨まで流されてしまうわけ。
でもあまりうじうじしない朧月夜は、私は今になると好感が持てるわ。


これはだーれ?
可愛くて女らしくて華やかさがあるの。「玉葛」あたりでいかがでしょうか。

玉蔓は若いときは源氏に言い寄られるのだけれど、結局、別のむくつけきひげ男と結婚して、男の子を生んで、しっかりママになるのよね。


この可憐で、なよっとしたのは、源氏が中年になってから正妻としてもらった「女三宮」あたりかしら。
ちょっと子供っぽいところが、似ていない?


これはおまけ。そうね、まだ源氏に引き取られたばかりの少女の頃の「紫の上」。

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みんな、私が1月に一回通っている病院で咲いていたバラです。

本当はね、紫とピンクがMIXしたような色のあでやかなバラをさがしていたの。
でもうちの近所にはそういうバラは見当たりませんでした。

というのも、私の大好きな「紫の上」をバラにたとえたら、そういった色かしらと思っていたの。

でもね、いくら理想の女性である紫の上にしてみても、源氏から愛されてはいても、彼はいつも他に目移りしていたわけでしょ。それを待っているだけ、というのはつまらなかっただろうな。

私は若いときは、紫の上が一番好きだったけれど、今になってみると、ちょっと違ってくるの。
紫の上だって、自分から他に好きな人を見つけてもよかったんじゃないかな、と今は思うのよ。

バラを見ていると、いろんなことが思い浮かんできて、楽しいわ~。

10 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

全員の名前が判らないところが情けないですが、判る女性はよく解りました。
六条御息所は、生き霊になるひとでしたか。
なんだか巫女さんのお衣裳に見えて来ました・・・
紫の上、なんだか不憫です。
小さい頃から植えつけられて、自分の意思をなくしちゃったのかも。

それにしても、当時は本当に、あんなに自由奔放だったのでしょうか。
羨ましい・・・(笑)

匿名 さんのコメント...

うはー。
素晴らしいです、ほんとに、全てのお花が、としちゃんの言った人のように思えてきます。
(源氏物語は「あさきゆめみし」しか読んでいませんが)

紫の上に対する考察も、お見事です。
なるほど、そういう見方もあるのですねー。

私は誰が好きかなぁ…。

匿名 さんのコメント...

バラに例えて!
ウーンさすがとしちゃんね、面白いです。
先日店のお客様の葬儀に行きました。考古学者だと思ったいたその方は紫式部の研究で有名な方でもあり寂聴さんが弔辞を読まれました。
95歳でしたがおしゃれでダンディなおじいちゃまでした。今は源氏と聞くとそのことが頭から離れません。
おりしも千年紀の今年です。
紫式部も源氏物語も魅力的なのに私は全て読みきったものが何もない。(恥)

でもなんとなくイメージはわきますよ。
その年齢によって見方もずい分変わるのでしょうね。
また色々教えてね~

匿名 さんのコメント...

「源氏物語」をまともに読んだことがない私には、コメントする資格もありませんが、としちゃんが「紫の上」を好きとは、意外!
私は、「六条御息所」の方が、好きかな。これも、意外でしょ。

おおしまとしこ さんのコメント...

史aya子さん、そうね、紫の上は源氏が自分の理想の女性を育てようとした結果だけど、その分、意思が弱いような感じがするわね。男性にとっての理想と、女性本来の生き方とは違うものね。

ものの本に寄れば、十二単というのは、脱がせやすい衣装だったそうですよ。ぱっと開くと、すぐにできちゃうとか・・・。ガードルとかオールインワンとかで固めていたわけじゃないからね。

おおしまとしこ さんのコメント...

shiollyさん、私も専門家じゃないから、よく分かりませんけれど、とにかくいろんなタイプの女性が登場するからおもしろいですよ。

60歳に近い源典侍という人が出てくるんだけれど、このおばさん、(当時はおばあさんの部類よね)好きものなのよ。年は取っても情熱だけはむらむらしているの。

それにすごいおブスさんで教養のない変な人も出てくるんだけれど、源氏はその人もちゃんと可愛がるのを忘れないのよね。

今の男には無理だろうな。

おおしまとしこ さんのコメント...

サトさん、その考古学者の方のこと、前にお聞きしまた。お亡くなりになったんですか。残念でしたね。
きっといくつになっても色っぽい方だったのでしょうね。
源氏物語は最初から読もうと思わなくても、好きなところだけを読んでも面白いですよ。
京都に行くのが楽しみになってきました。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさんが六条御息所が好きというのは、びっくりよ~。へー、意外と中身は嫉妬深いのかな。
私は昔は紫の上が好きだったけれど、今になって思うと、自分の子供は産めずに、源氏が愛人に産ませた子供を育てたと言うのは、本当は辛かったのだろうなと思うようになったわ。彼女ももっと、本心をさらけ出せたらよかったかもね。

匿名 さんのコメント...

脱がせやすい・・・・・
成る程、退廃の極みかと思っていましたが、機能的だったんですね(笑)
・・・いや、ある意味退廃かしら。
感心しました。

そう言えば、末摘花と云うひとがいましたね。
物凄く昔、たぶんドラマでやっていて、泉ピン子さんが演じてらしたような記憶があります。
お鼻とほっぺをピンクに塗って。

なんだか源氏物語、読んでみたくなりました。
読み易そうなものを探してみます(笑)

おおしまとしこ さんのコメント...

史aya子さん、なんだか悪いことを教えちゃったみたいね。
橋本治さんの書いた「枕草子」によれば、十二単を着た女性は、着物が重いので、みんなトドのような格好をして、はいはいのようにしていたそうですよ。ちょっと幻滅ね。

末摘花というのは、お鼻が赤くて長い。芥川龍之介の小説に出てくるような女の人です。それに和歌を作るのもド下手なの。でもそんな女性でも源氏は愛しちゃうのよね。

楽しんで読んでくださいね。