2009年5月3日日曜日

憧れの美術館

ゴールデンウィークとはあまり関係のない私。

今日はずーっと憧れていた美術館に出かけました。


そこは「五島美術館」
そう、東急電鉄の開祖である五島慶太会長のコレクションを展示するために作った個人の美術館で、国宝である源氏物語絵巻を保存していることでも有名なの。

場所は世田谷区の高級住宅街である上野毛(かみのげ)というとろこにあります。

国宝というのは、年に1回は国民のみなさんに開放しなければならないという決まりがあるんですって。

それで五島美術館の源氏物語絵巻も4月4日から5月10日まで一般開放されていて、今日は学芸員さんによるギャラリートークがあるというので、張り切って出かけてみました。

このあたりは大きなお屋敷が並ぶ、高級住宅地です。


展示場はあまり広くないのよ。でもみごとなのはここのお庭。


この門をくぐってお庭に入ります。

財閥の社長のお庭とはいえ、すごい広さ。いったい何坪あるのかしら?


緑がいっぱいです。


花菖蒲がきれい。


朱塗りの門がすてきでした。


敷地の中にはお庭は勿論のこと、灯籠もたくさんあり、大日如来菩薩様までいらっしゃったのでした。


起伏に満ちた庭園は、ここが環状八号線や東急大井町線の線路際にあることなど想像もできないほど、静かで気品にあふれた庭園でした。


さて、お楽しもみの源氏物語絵巻の解説。
すごくたくさんのファンが来ていました。

五島美術館が保存している「すずむし」2面、「若菜」と「御法(みのり)」という4面の源氏物語絵巻をたくさんのスライドを利用して、学芸員さんが分かりやすくお話ししてくれました。

現代のCG技術を駆使して、昔の絵が色鮮やかによみがえっていました。

私はやはり「御法」 の巻が一番好き。
ここは源氏の最愛の妻である紫の上が、亡くなっていく巻です。
彼女が娘(本当は明石の君の娘)である明石女御に看取られながら亡くなるという、悲しい別れの場面です。

紫の上は光源氏と相思相愛の仲であったのに、源氏が若い女三宮をいやいやながら奥さんにしてしまったことから、紫の上は病気になってしまうのです。元の天皇の娘という位だけは高くても、まるで幼い女三宮が嫁いできたことで、紫の上は正妻の立場をおびやかされれしまう。そして何度も「出家したい」という望みを、源氏ひ聞き入れてくれません。そして悩みの中で死を迎えるの。

そういうところが「御法」の巻のあらすじなの。


新緑の中、素敵なお庭と源氏物語の世界に浸ることができて、幸せな休日となりました。

実はもうひとつ憧れている美術館があるのです。

それは名古屋にある徳川美術館。ここにも源氏物語の国宝が保存されているのです。いつかは行ってみたい美術館なの。

12 件のコメント:

日々是写真日和 さんのコメント...

濃密で素敵な時間を過ごされた様ですね。僕は何も考えず、炎天下でひたすらシャッターを切り続けていました。こんな毎日を続け、考える事をしなくなったせいか、物忘れが酷くなり、ちょっと深刻な状態になって来ました。過去に検査を受けた事があるのですが、再度検査を受ける必要があるかなと思いながら、その前に本を読んだり努力もせねばと思いました。源氏物語、読んだらきっと面白いと思うのですが、古典に限らず活字が苦手でずっと避けて来てしまっていますが、ここで少しずつ知識を得て、しかも京都に住んでいる事もあるので、ちょっと興味が芽生えつつあるところです。

おおしまとしこ さんのコメント...

日々是写真日よりさん、昨日のお祭の写真を拝見しましたけれど、東寺と稲荷大社、両方ともたくさんの撮影をされたのですね。アップする手間やプリントアウトする手間が重なり、大変でしょう。

源氏物語は男性が読むとどんな感じなのでしょうね?
でも昨日の講演会にはたくさんの若い男性も参加していて、ちょっと意外でしたが、嬉しかったですよ。
何回も読み直していくと、それまで見えてこなかったものが少しは分かるようになり、改めて紫式部という人ののすごさを感じますね。

史aya子 さんのコメント...

う~んここにもマイナスイオンが(笑)
以前まーさんがご紹介した、熊野(ゆや)御前と云う実在の女性も、紫の上のように、男性に人生を翻弄されたのですよねぇ。
熊野御前の忘れ形見は紫の藤の花。
源氏物語は、色んなひとの人生を集めた印象があったのですが、急に現実味を帯びたお話に思えて来ました。
もう藤の花は終わってしまったでしょうけれど、お墓に参って来ようかしら。
浜松は今お祭りなんですけれど、街とは反対の方向にばかり行っています(笑)

マサ さんのコメント...

まぁ、なんて素敵な庭園でしょう!
国宝はもちろん、このお屋敷自体に惹かれます。高級住宅地にも興味津々です。
10日までやっているのね。行ってみたくなりました。でも、としちゃんのマネばかりしてると言われそう~(笑)

浜松祭りには、思い出がいっぱい。楽しかったことも、そうでなかったことも。

おおしまとしこ さんのコメント...

史子さん、浜松のオオルリ探検隊、がんばっていますね!
今回の学芸員さんもとてもユーモアのある方で、例の2000円札のいい加減さを話してくれましたよ。それにしても最近、見ないですね。
今年は藤もツツジも早いわね。本当だったらこの庭園、ツツジのまっ盛りだったはずなのに、もう萎れていたわ。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、ここは、学芸員のトークがない場合は、お庭だけにしたほうがいいと思うの。展示品は少ないから、それだと入館料はもったいないと思います。私、ケチですから。

上野毛は、車なら環状八号線のすぐ際だから行きやすいかもしれないけれど、電車だと乗り換えが多いわよ。
浜松の思い出はいろいろありそうね。ほろ苦い思い出もあったかもしれないけれど、そのうちにいいことだけ思い出すようになるでしょう。

さと さんのコメント...

素晴らしいお庭なんですね。
そこにある美術館なんて贅沢ですね~
源氏物語の世界はどんどん深くなっていきますね。
さすが!
名古屋の徳川美術館私もいつか機会があれば行ってみたいなぁ~
文化に縁遠い生活をしているので反省です~(笑)

おおしまとしこ さんのコメント...

さとさん、ここに行ったとき、あの大河内伝次郎さんのお庭を思い出したわ。あそこも文化と仏教、お茶の世界だったけれど、この五島美術館も似た感じでした。
この近くは、等々力渓谷という東京では珍しく谷があるところなので、ここのお庭も起伏に富んでいるの。
三井財閥にしろ、三菱財閥にしろ、この東急財閥にしろ、やはり財をなした人の文化に対する想いというのは、並大抵じゃないわね。

真蘭 さんのコメント...

五島美術館、お庭が素敵ですね。
源氏の作品が展示したあるのは知りませんでした。

2~3年前に徳川美術館にも行きましたけど
源氏の作品は覚えていないわ。興味の持ち方で見逃したり、もったいない事をしました。

旧財閥はやはり違いますね。
根津美術館もすごいですよ。

カンカン さんのコメント...

五島美術館は行って見たい美術館で
今まで行ったことがない美術館のひとつです。
それも源氏の絵巻だけ見たいのですから
今行くのが一番よかったのですね。
10日までだと難しいかな?

おおしまとしこ さんのコメント...

真蘭さん、こんにちは。お久しぶり!
五島美術館には源氏物語絵巻が4面あるのです。これが国宝なの。もちろん古くなっているので、今回、それをCG加工したものも一緒に並んでいましたが、ブルーの花が風にそよいでとても美しく、はかなくて、秋の風景の感じがよく出ていたわ。

徳川美術館にも行ったことがあるのね。さすが美の世界に造詣が深いですね!

おおしまとしこ さんのコメント...

カンカン、私も長いこと五島美術館にはあこがれていたのだけど、うちからだとちょっと不便だし、きっかけがなかったの。でも今回は学芸員の講演があったので、出かけてみました。
この前、目白の細川さんの美術館に行ったけど、展示品だけならあそこのほうが見ごたえがあるかな。
文化財の保護って、お金持ちの人にやってもらって、みんなに公開してもらいたいわね。