2012年3月9日金曜日

たまには洋服で

しょぼしょぼ雨の降る中、新橋演舞場に行ってきました。

昨日のうちに、着ていくつもりの着物や帯や小物を全部揃えておいたのですけれど、朝から雨降りということや、なんとなく着ていく気分になれなかったので、洋服で出かけることにしました。

最近は歌舞伎に行く時はずっと着物でしたが、別にそれが主義主張ではないので、あっさりと洋服に変えました。

私にとって、着物を着ることは趣味でしかないので、「着たくないときには無理して着ることもないでしょう」というレベルです。
これが強制的に着せられる立場だったら、絶対にこんなにしょっちゅう着なかっただろうと思いますね。
だからお茶席用とか結婚式用とか制約が厳しい着物は興味がなくて、着たいときに着られるようなお気楽着物ばかりです。
というか、儀式用の着物は高くて手が出ない、というのが事実ですけれどね。

自然体で着るのがいいんじゃないかしら。
身の丈に合った着物でいいと思っています。


劇場には雨降りの中でもきちんと着物で来場している人もパラパラといましたが、えらいですね。
足元が濡れていないので、ハイヤーとかタクシーで来たのかしらなんて思いました。

そしてついついどんな着物を着ているのか、着付けはどうなっているのか、雨対策はどうしているのかなど、ちらちら眺めてチェックしてしまいますね。

さてお芝居ですが、最初は真山青果作の「江戸絵両国八景 荒川の佐吉」という人情話。


ところが最初に染五郎さんの若いやくざが出てきたところの10分くらいまでは覚えているのですが、あとは爆睡してしまって、気がついて目を覚ましたら、染五郎さんは目の見えない5歳くらいの子供と一緒に暮らしていて、話が何やら分からず、そしてまた眠ってしまいました。そのあとに起きたら、今度は染五郎さんは、実の親である幸四郎さんと何やら対決しているのよね。
任侠に生きる男を描いたものだったようですが、すっかり眠ってしまいました。

歌舞伎を見てこんなに寝てしまったのは初めて!

というのも昨日、びっちりとお仕事があり、その後も遅くまで起きていて、朝も早くて睡眠時間が少なかったのですが、それは理由にならないわね。

考えてみると、やはり着物で帯姿だと、背筋がピンとするので眠る体勢ではないのが原因だったかもしれません。それに多少の緊張感もありますものね。

あー、恥ずかしかったわ。
まさかいびきはかかなかっただろうなと心配しましたよ。

目覚めた後の次のお芝居は「仮名手本忠臣蔵」の九段目「山科閑居」でした。


雪の山科が舞台でした。

歌舞伎の忠臣蔵というのは全部で十一段あるそうで、この九段目というのは、大星由良之助と息子の力弥、それと加古川本蔵(松の廊下で塩冶判官を脇から取り押さえた人)とその娘の小浪は結婚することになっていたというのが元にあるようです。
とはいえ、大星親子はこれから討ち入りに行くのですから、娘にとっては一夜限りの夫婦となるわけですね。
そこであれこれあるのですが、一幕だけのお芝居でしたが、かなり長時間の重厚なお話でした。

脇には竹本義太夫の唄と三味線もついていて、台詞もかなり時代がかった本格的なお芝居でした。

こちらにも染五郎さんと幸四郎親子が出演していて、他には菊五郎、藤十郎、福助、時蔵などが出演していました。

染五郎だけ「さん」をつけるのはおかしいかもしれませんが、やはり彼はすっきりとしていて見栄えがいいので、どうしても呼びつけにしたくないのです。すらりとしていてかなり小顔です。
それに引き換えお父さんの幸四郎の顔の大きいこと。
歌舞伎役者は顔が大きいほどいいらしいですけれど、あんなに大きいとメーキャップも大変だろうなと思いましたよ。昔は若々しかったんですけれどね。

来月は忠臣蔵の通し狂言(初めから終わりまで全部を一日かけて演じる)だそうで、ファンの人は大喜びでしょうが、それに行ける人はかなりお金にも時間にも余裕のある人でしょうね。
今だと昼の部は11時に開演して3時過ぎまでかかっているけれど、これにしても長いわ。

取りとめのないおしゃべりでした。

2 件のコメント:

マサ さんのコメント...

え?!幸四郎って顔が大きいの?たるんできたのかしら?染五郎時代の若いときは素敵でしたよね。今の染五郎より、ずっと凛々しかったと思うの。
この間、トーク番組に出ていたとき、あまりにも雄弁で自信満々なのには、逆に引いたわ。

ところで、としちゃん、香川照之さんの歌舞伎デビューが話題になっていますが、興味ありですか?

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、そうなのよ、まだ染五郎といってたころはかっこよかったですよね。それが息子と比べると、顔の大きさがまるで違うの。特に今回は老け役だったせいもあるけれど、かなりでかかった・・・・。
大昔に付き合っていた人が、染五郎に似ていた(ほんのちょっぴりね)ので、もし今再会したらやはりそんな顔になっているかも・・・。

香川照之は俳優としては素晴らしい人ですよね。でも歌舞伎の修業は今までしてこなかった人なんでしょ? それが下積みなしに急にできるかしらね。
芸能ゴシップではあれこれあるようですけどね。