2012年6月29日金曜日

トロントあれこれ 10 ~Kimono~

ちょうど1ヶ月前の5月末から6月初めにかけて、カナダのトロントに旅行してきました。
その旅日記がまだ続いています。

今日の「トロントあれこれ」は着物編です。

今回の旅行の目的は、トロントに住む姪(妹の長女)の結婚式出席でした。
彼女からも、彼女の妹達からも、「おばさん、結婚式には着物で着てね。どんな着物か楽しみです」というメールが来ていたので、私もどんな着物にしようかとあれこれ迷っていました。

妹に相談したところ、「こっちの人は上品な着物を着ても良さは分からないから、派手なほうがいいわよ」と言います。
それにお天気もどうなるか分からないので、とりあえずは水色に白の花模様の派手な袷にしようかと考えていました。
ところがトロントの気温が急に30度になり、それではいくらなんでも袷では暑いし、かといって単衣は普段着しか持ち合わせがない。それならいっそ、色のきれいな紫の夏着物にしようと思い、スーツケースに入れて、早めに成田まで送ってしまったのでした。

ところが、出発前に天気予報をまた見ると、現地の気温は14~15度に下降、おまけに土砂降りの雨だというのです。

それで出発当日は雨でもOKの東レシルックにして、黄土色の半幅帯というこのスタイルで成田まで出かけたのでした。後ろは「かるた結び」とう、ぺったんこな結び方にしました。


ところが前にも書いたように▼、飛行機の事故で成田のホテルで1泊する羽目になりました。

でも成田のエアラインのカウンターでも、ホテルの受付でも、着物姿の私と7ヵ月の赤ちゃんがいるので、それはそれはどこでも丁寧な対応をしてくれて、「さ、さ、こちらへどうぞ」と一般の人とは別の窓口で対応してくれるありさま。他の人たちは長い行列をずっと待っていましたが、私たちは優遇されてスイスイとことが運び、このときは本当に着物さまさまでしたね。

そして翌日の臨時便に乗ったのですが、洋服だと飛行機の中が寒すぎて毛布を何枚もかけているのですが、着物に足袋だと身体全体が暖かいので、毛布は不要でした。

結局、結婚式当日は紫色の絽の夏着物に銀色の帯にしました。
(写真はH夫人から頂いたものです。)
外は寒かったのですが、会場は人が多くて寒いことはなく、夏着物でもちょうどよかったくらいでした。


この日は結婚式だというのにザーザーぶり。おまけに雷も鳴るような暴風雨の中、足袋が濡れると困るので、はだしにサンダル履きという妙な姿で車に乗って出かけて、教会で足袋と草履に履き換えた始末でした。

夕方からの披露宴(パーティー)では、着物は私だけかと思っていましたが、妹の友人の日本人女性二人が着物で出席してくださいました。
お一人はなんと豪華な刺繍の入った黒の留袖。
もうお一人は上品な訪問着でした。
お二人とも海外に長く住んでいらっしゃるのですが、とてもすてきな着物姿で、嬉しかったですね。
小物などどのようにして調達されているのか、ご苦労も多いことだろうと思いました。

3人の着物姿はかなり目立ったようで、みなさんにずいぶんと写真を撮られました。

翌日は、妹の連れ合いの家族と揃って食事会をしましたが、その時は単衣の紬にしました。
水色に白で細いススキのような波のような線が入っていています。
帯は派手なシャクナゲの柄。



実はこれは1000円着物なので、よく見るとシミがついているのですが、サイズがぴったりで着崩れせずに助かりました。
(カラフルなお花は結婚式で使ったものです。)

そのあとでイギリス人の義理のお姉さんに当たる人が着物に興味がありそうだったので、紫色の着物を着せてあげました。
外国の人にしては割と小柄な体つきだったので、よくお似合いでした。


とはいえ、帯板もないし、下はズボンにTシャツのままでかなりいい加減な着付けですが、よい記念になったと喜んでくれました。


実はこの着物は、京都の女医さんからブログ仲間のさとさん経由でいただいた着物で、それを妹が来日したときに譲り、カナダまでやってきた着物なのです。
まさかイギリス人が袖を通したとは、女医さんもびっくりでしょうね。

そしてこちら▼にも書いたように、ナイアガラの滝に行った時は、水しぶきも平気だった東レシルック。
車のシートベルトでちょっとぐずぐずになってしまいましたが、濡れても大丈夫なので気楽に着られました。

後ろは京都の嵯峨野のように見えますが、日本料理店の壁紙です。


そんなこんなで、トロント旅行は着物で始まり着物で終わりました。

連れの娘は私が着物でどこへでも行くので、あまりいい顔をしていなかったのですが、人混みでもすぐに見つかるのでそれは便利だと言っていました。

着物で通して、少しは国際親善にも役だったかもしれませんね。

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