2013年6月30日日曜日

銀座界隈

昨日は有楽町まで用事があったので、その後で銀座まで足を伸ばしてみました。
土曜日でも歩行者天国をやっていて、すごい人ごみでした。

一番混雑していたのは、銀座5丁目辺り。
ここには有名な猫がいて、いつもみんなのカメラに収まっています。
私も写そうかと思いましたが、チビの私は人の頭しか写せずに諦めました。

猫の近くの角も混んでいました。
というのも、銀座松坂屋がいよいよ6月30日で閉店になるからです。

大正13年に開業したこのデパートですが、もう89年もがんばったのね。
ちなみにうちの母も同じ年に銀座で生まれています。


松坂屋は元をたどれば、慶長年間に織田家の小姓の子孫が名古屋で創業した呉服屋さんだったそうです。

デパート界では初めて店員の制服を定めたところ、ということも聞いたことがあります。

そんな古い歴史を持つ松坂屋でしたが、大丸に吸収合併され、また銀座店は老朽化が進み、オシャレな町には似合わなくなったようです。

閉店というので、セール目当てに、ものすごくたくさんの人が押しかけていました。

こんなに来るなら、閉店しないほうがよかったと思ったのでは。

私は3階で「たんす屋」さんのバーゲンがあるというので、ちょっと冷やかしに覗いてみましたが、あまり良いものはなかったみたい。
というか、値段の安いものはあまりに安っぽかったし、高い作家もの(何百万円するもの)の何割引きかがありましたが、ちょっと玉石混合でした。
良いものはバーゲン初日に売れてしまったのかもしれません。

なんだか松坂屋の閉店のどさくさにまぎれて、たたき売りをしていたように感じました。

ちなみにこちらの着物も帯も、以前、別のたんす屋さんで1000円で買ったもの。

白い帯は、お太鼓に大きな百合の花が描かれていて、気に入っています。


近くには御木本真珠のお店があり、こちらは創業120年記念をしていました。
洋服のカジュアル化や低価格化が広まっている現在、真珠だけでお店をやっていくのは大変かもしれませんね。

ピンクの紫陽花がとてもきれいでした。


もうすぐ7月。
銀座の通りには、七夕の飾りが立てられていました。


梅雨の晴れ間の銀座には、たくさんの人が溢れていました。








2013年6月29日土曜日

パーソナルカラー診断 2

さて、田園調布の「ちきりや」さんで行われた「和のパーソナルカラー診断」ですが、どんなふうにして診断されたか、ちょっとご紹介しておきましょう。

ただしこれは私の独断ですので、もっと詳しく知りたい方は講師の鈴木なおみ先生のブログ▼でお確かめくださいね。

教室にはこのようにたくさんの色とりどりの布が置かれていました。
参加者は5名。
そしてひとりずつ、鈴木先生からその人に似合う色を診断していただけるというのです。嬉しいですね。


ちなみに先生ご自身の似合う色は青系統の濃い色だそうで、藍色のお着物でした。さすがに良くお似合いでした。

まずベストカラーを探す前に、5種類のピンク色のパターンを顔の下に当てます。
同じピンクでも顔がきれいに見えるピンクと、なんとなく冴えないピンクがあるのですね。


さて診断が始まります。
ちょっとレトロな鏡台の前に最初に座ったのは、縞の着物にアンティークの鯉の帯の方。素敵ですね。


 色白でおきれいなので、どんな色でもお似合いでしたが、中間色から濃い目の色がよりお似合いとのこと。この日、着ていらっしゃったグレイの着物はよいチョイスだったようです。

 

洋服で参加された方もいらっしゃいました。 着ていらっしゃった青の色がベストカラーになりました。みんな、興味しんしんで眺めていますね。


一人の診断が終わると、このようにしてその人に似合った色を並べます。
そしてその後は、使った布をみんなで畳んだのですが、これほどいろいろな種類の色の布に触れることもないので、みんなにこにこ顔でした。布の持つ柔らかさに心がときほぐれたような感じです。

 
さて、いよいよ私の番です。
普段は大きな鏡の前でじっくりと自分の顔を眺めることなどあまりないので、座っただけで緊張しますね。
 
参加者のみなさんもじーっと眺めています。
 
私の場合は、なかなか判断が難しかったようです。
青系統もOKだけど、黄色も悪くはない・・・・
というどっちつかずなのは、私の性格と似ている?
神妙な顔で診断を待ちます。
 

ようやくパーソナルカラーが決まったようです。
似合う色は桜系で、彩度の高い色、つまり明るい青みがかった色が良いとのこと。
半襟は白がよいようですが、黄色系の色を着るときにはベージュの半襟を付ければそれもOKとの診断でした。半襟の大切さが良く分かりますね。


 もし私が彩度の低い色(濃い目の色)を着ると、顔がくすんで見えて、ぱっとしないそうです。そういえば、いただいた着物の中に濃い色がありましたが、あまり着ていないですね。

似合う色の布を並べて、それに同色の付箋を置いていきます。
この付箋はお土産です。

ちなみに下の写真の左の隅にきれいな赤色がありますが、これは帯揚げなどの刺し色に使うとよいのだとか。
同じ赤でも、深紅とか臙脂色は私には似合いませんでした。


お土産にいただいた付箋を貼り付けてみました。

「青みの色で明るくてきれいな色」つまり「すみれ系」というのがベストカラーなのだそうです。これからの着物選びの参考になりました。

 
次の方は、今までご自分では着たことのない色が似合うと診断されました。
似合う色を当てると、ほんとうに肌がきれいに見えるのです。
 

先生のお話では、一見してすぐに似合う色が見つかる人と、どの色もだめというちょっと残念な方もいらっしゃるのだとか。
また普通の人では絶対に着こなせないような、まっ黄色がお似合いになる方もいらっしゃるそうです。人それぞれなのですね。
「十人十色」といいますが、ほんとうにそうなのだと思いました。

最後の方になりました。この方はいつも色の付いた半襟を使っていらっしゃるそうですが、意外と真っ白の半襟も似合っていました。茶系の着物が多いそうですが、きれいな紫色もとてもお似合いでした。

 
和気あいあいとして、とても楽しいカラー診断でした。
 
優しいお人柄の先生でしたので、安心してお任せすることができました。
 
終わった後は、ちきりやさん特製の夏ミカンジュースをいただいて、ほっと一息。
 
また秋にもカラー診断教室が開かれるそうです。
 
自分の本当に似合う色、そして魅力を引き出してくれる色を教えていただき、もっと着物ライフを楽しみたい方は、参加されてはいかがでしょう。
 

 

2013年6月28日金曜日

パーソナルカラー診断 1

楽しみにしていた「和のパーソナルカラー診断」に行ってきました。

これまで、洋服のパーソナルカラー講座に参加したことはありました。
ただし、「あなたの瞳は何色ですか」とか「あなたの髪の毛は何色ですか」とか自分で判断して答えなくてはならず、それもよく分かりませんでしたし、青系とか黄色系とか言われても、どういう色であるかが明確でなくて、頭が混乱していたのです。

ところが今回は伝統色彩士さんという方が、どの色が似合うかを判断してくださるというので、それなら間違いがないと思い参加してきました。

会場は田園調布の駅からすぐ近くです。


こちらの「ちきりやさん」という呉服屋さんで開かれました。


講師の先生は鈴木なおみさん。
とてもお美しい方でした。
鈴木さんのブログ▼

一人一人、じっくり時間をかけて似合う色を見つけてくださいました。

まず、鏡台の前に座り、最初は5色のピンク色を顔に当てて、その人が桜系か桃系であるかを判断します。

次に、半襟の色は真っ白がいいか、あるいはベージュ系がよいかを判断します。
(ここは洋服の場合と違うところですね。)

そして数十色の中から、淡い色や濃い色などを次々に肩にかけて、その人のベストカラーを選んでくださるのでした。

色によって、顔が明るくきれいに見える場合と、なんとなくくすんで見える場合がありますが、きれいに見えるほうが似合う色ということになります。

さて、私に似合う色はどんな色だったと思いますか?

自分が診断されているときは緊張してしまいますが、人さまが診断されているのを周りで見ていると、ほんとうに違いが良く分かりますね。
似合う色になると、みんな一斉に「わー、きれい!」と大きな声を出してしまいました。

楽しいひと時をすごさせていただきました。

「ちきりや」さんの女将さんと、看板犬のなごみちゃん。


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あまり暑くなりそうもないので、木綿の着物で出かけました。

5月の着物カーニバルで「くすかみ」さんで買った反物を娘の婿さんのお母様に仕立てていただいた着物です。

帯は新宿「福服」のリサイクル品ですが、これも木綿です。


結果的には青い色の着物に、白の半襟という組み合わせはよかったようです。

似合う色を教えていただいたので、次に着物を買うときの参考になりますね。

(この項、続きます)




2013年6月27日木曜日

マンション理事会

先月のマンション総会で、私が理事会の長となってしまいました。

うちのマンションの理事会は輪番制なので、これで私は理事は2回目のお務めとなります。

今回、いっしょに理事になった方は、後期高齢者だったり、介護でお忙しい方かったり、あるいは部屋を賃貸に出していて実際には住んではいない所有者だったり・・・ということで、みなさん、なかなか大変なので、比較的、身軽に動ける私が理事長を引き受けることになりました。


うちのマンションは2000年に建てられました。

この13年間の間に、住民もかなり変わりました。
配偶者を亡くされ「おひとりさま」になった女性が多くいらっしゃるそうです。
また駅至近の便利なところにあるので、独身男性は世代を問わずたくさんお見かけします。
そしていわゆる子育て世代は数えるほどしかいらっしゃらないようです。

ということで現代日本の縮図のような住民構成になっています。

またマンションは自分の財産でもあるわけですが、関心を持っている人は少人数の限られた人だけ、というのも今の日本の政情と似ているような気もします。


これが後10年たったらどうなるのでしょうね。

おばあさんたちがますます増えて、おばあさんマンションとなってしまうのでしょうか。
私もそのメンバーになりそうです。平均年齢は確実に上昇しますね。

となると、大がかりな修理などに取り組むのもなかなか、難しいかもしれません。

ということで、今のところ暇もある私は、管理会社との細々とした連絡などや調整などを担当することとなりました。

まぁできるうちには、これも仕事だと思って、いろいろとやっておきましょう。


2013年6月26日水曜日

ベランダの花

我が家のベランダのコンテナに、ひょろっとした草花を見かけました。

種を植えていないのに、いつの間にか背が高くなって、可愛い小さなお花まで咲いていました。


よく見ると、ぐるぐる巻いていますね。
 

なんでも「捩花」(ねじばな)というそうです。
捩じっているからネジバナというわけ?

ずいぶんと安直なネーミングですが、でも覚えやすい名前ね。

巻き方が右巻きと左巻きの両方あるそうですが、うちのベランダのネジバナはそのどちらもありました。

こちらは4月の連休の時に、「緑と花の祭典」▼で無料でいただいて蒔いてみた「ポンポンダリア」の蕾です。


さてどんなお花が咲くのでしょう。楽しみです。


2013年6月25日火曜日

「春風ぞ吹く」

私の大好きな宇江佐真理さんの小説。

正式タイトルは「春風ぞ吹く 代書屋五郎太参る」。


この小説には殺しも強盗も登場しません。悪役は誰もいません。
出てくるのは、うだつのあがらない武士で小役人の五郎太くんやその友人たち、そして恋焦がれる美しい幼馴染のお嬢さんや、町人たちだけです。

江戸末期ともなると、武士とはいっても小役人はとても貧しいので、アルバイトをしないとやっていけません。
五郎太は「代書屋」という副業をしています。
これは文字を書けない人や文章をうまく綴れない人に代わって、恋文を書いてあげたり、請求書や侘び状などを書いてあげるという職業です。

でも彼はそれだけで終えることなく、学問吟味という超難関の試験を受けるために、猛勉強をしている最中です。

それというのも、恋人のお父さんが「役職のないような男には嫁にやれない」というのですが、その役職に就くためには難しい試験に合格しないとだめなのです。
今で言うと、公務員試験とか司法試験にあたるのでしょうが、きっとそれ以上に難しかったのだろうと思います。四書五経、歴史書、詩などをすべて覚えなくてはならないので、本当に大変で、おまけに試験は毎年あるわけではないので、それも大変なのです。

その猛勉強のため、彼は25歳だというのに、まだ筆おろしもしていない、うぶな青年なのです。

この小説は、とてもほのぼのとした青春小説とでもいうのでしょうか。
若いっていいな、と思うシーンがたくさん用意されています。

そして彼の師匠や恩師、同僚にも、それぞれの過去の悩みや苦労が隠されていて、そのどれもが泣かせる話なのです。

最後はハッピーエンドとなり、五郎太はみごと恋人と祝言を挙げることができます。

頑張って勉強すれば夢が叶う、というお話ですが、現代の若者たちにもそのような夢が望める社会になるといいですよね。
東大や京大を出ても、一つ間違えるとドロップアウトしてしまうような社会は、どこか間違っていますね。

この小説は是非、テレビや映画のドラマにしてもらいたいな。




2013年6月24日月曜日

「日本絵画名品比べ 4」

今回の名品比べは前回の講義▼に引き続いて、長谷川等伯と狩野派のお話でした。

というのも、講師の先生は大の等伯ファンなので、等伯のことを語らせたら永遠に続くのではないかと思わせるほど、等伯の話がもりだくさんで、1回では終了しなかったからです。

ちなみに、今、テレビのコマーシャルで等伯の作品が見られます。
それは福山雅治が出ているアサヒスーパードライのCMです。ご覧になった方も多いと思いますが、京都の智積院にある等伯の障壁画をバックにしています。


この障壁画は、秀吉が幼くして亡くなった我が子鶴松の三回忌法要のために、等伯に描かせたもので、等伯は息子の久蔵とともに制作しました。

福山雅治は絵を背景に座っているのですが、講師の先生は、「この絵は、福山雅治のように座って見るのが正しい見方」とのことでした。

さて、前回の続きになりますが、エリート絵師だった狩野永徳が亡くなった後は、等伯の独壇場とでもいうほど、あちこちの大きなお寺やお城に絵を描いていました。

こちらは相国寺にある「萩芒図屏風」です。
上のほうが萩、下のほうが芒になります。
萩が風になびいてだんだんと倒れるようになっているところが、素晴らしいということでした。
等伯54歳の時の作品です。


そして画風も、不要なものをどんどん削り取ってシンプルなものになっていきました。抒情的な絵になっていったそうです。
前回ご紹介した「松林図屏風」へと続きます。

そして等伯は1610年に72歳で亡くなります。

絵画界の王道を歩み、サラブレッドであり、権力者に取り入れられ、過労死で早死にした永徳。ただし残っている作品は少ないそうです。

そして田舎に生まれ、独自の道を歩み、さまざまな階級の人から人気があり、長生きをした等伯。現在も重要文化財に指定されている作品が多く残っているそうです。

そのような二人のことを、講師は、オーケストラ演奏の永徳、ソロ演奏の等伯、という比喩ができるということでした。

そしてその後、今度は狩野探幽(1602年~1674年)の時代へと入って行くことになるのです。

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前回は洋服だったため、寒くて仕方がなかったので、今回は着物にしましたが、薄い生地の着物だったのでまだ寒く感じました。今度は羽織でも持っていかないとダメかしら。

この先生のお話はかなり専門的なので、私はこちらのガイドブックでまず簡単に予習してから参加しています。

幻冬舎の「知識ゼロからの日本絵画入門」です。
テレビの「何でも鑑定団」に出演している安河内眞美さんという方の本ですが、初心者にも分かりやすい本です。





2013年6月23日日曜日

甚ベイ 着たよ

今日のブログは説明不要。

レターパックで送った甚ベイをさっそく着てみたYくんです。


一人で着られるのかしら?


パンツが少しゆるすぎたようです。

君のために、頑張って作ったんですよ。



2013年6月22日土曜日

京ことば源氏物語

「京ことば源氏物語」という朗読会に行ってきました。
源氏物語54帖を色であらわした有田祐子さんからのご紹介でした。


会場は明大前から数分の「キッドアイラックホール」というところ。
アングラ劇をするような(?)ところでした。

朗読をされたのは山下智子さんという京都出身の女優さん。
仲代達矢の無名塾出身の方だそうです。

その方が、中井和子さんという京都の大学の先生がお書きになった「京ことば源氏物語」を朗読されました。
この会はずっと続いているそうで、今回で24回目。
今回は26帖の「常夏」と27帖の「篝火」を朗読されました。

もともと源氏物語は京の都で書かれたものなのですから、光源氏にしても紫の上にしても、みなさん、京都の言葉で話していたのですよね。ですから現代語にする時も京ことばに訳したほうが合っているわけです。標準語(江戸ことば)で話すほうがおかしいですよね。

以前、田辺聖子さんの大阪弁で書かれた源氏物語を読んだことがありますが、それも面白かったですね。

山下さんは水色とグレーの紅型風の着物に、ざっくりとした青の帯。それにちょっと変わった上品な帯締めをしていました。
私は最前列に座っていたので、しっかりと細部まで拝見させていただきました。
しっとりとした京女の魅力がたっぷりの方でした。


朗読をする舞台の様子です。
正面の一番前に座りました。


今回の「常夏」(なでしこの意味)は、光源氏36歳の時のお話です。当時は36歳といえば、もうかなり円熟した中年の部類に入っていました。
ただし物語は、源氏よりも彼のライバルである内大臣(昔の頭中将)の子どもたちのことが話題の中心です。
彼にも奥さんが数人いて、それぞれに子どもがいるのですが、中でも「近江の君」という田舎から出てきた娘には悩まされています。品がなくて早口でわめくし、教養がなくて突飛な行動をするからなのです。つまりみんなの顰蹙の的なのですが、こういう人物を登場させることによって、より一層、玉鬘がいかに上品で美しいかを際立させたのではないかということでした。

「篝火」のほうは、偽の親子である源氏と玉鬘が琴を枕にして寄り添って寝ている、という微妙なシーンから始まります。
そして内大臣の息子である柏木が、実の姉とは知らずに玉鬘に恋心を抱いてしまうのです。なんとも罪作りな内大臣ですね。

私はこの2つの巻の前にある「蛍」が好きですね。几帳の中に蛍を放して、その光で玉鬘を浮かび上がらせる演出をするシーンはすごく幻想的なのです。

最後に「篝火」の原語を読んでくださったのですが、恥ずかしいことに全然意味が通じませんでした。紫式部は難しいわ。

山下智子さんのHPはこちら▼

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夏至を過ぎたので、透けた着物にしました。
うたどんさんのお母様からのいただきものです。
見た目は濃い色なのですが、とても涼しくて助かりました。
歩くたびに、風がスースーと身体の中を通り過ぎるようでした。


八王子の履き物屋さんで買った夏用の草履▼を初めて履いてみました。
とても軽くて歩きやすい草履でした。


この「京ことば源氏物語」は隔月に開かれているそうです。
朗読の前に簡単な物語の説明がありますので、源氏物語をあまりご存知ない方でも、分かりやすいですよ。

次回は8月10日と11日。
興味のある方はどうぞ。


2013年6月21日金曜日

記憶と漢字

(この文章は、前に書きとめておいたものに追加したものなので、どこかで書いたものと、だぶっている部分があるかもしれませんがご了承ください。)

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英吉利、流石、鋸、栗鼠、提灯、蛤、太刀魚、鱧、蹴鞠、蒲鉾、鰈、花魁

これって読めますか?

もちろん普通の大人の人なら読めて不思議はないと思うのですけれど、実はこれは認知症で、「さっき食べたものも思い出せない」ような私の母の漢字テストでした。

あるとき、母のいるホームの部屋で、この漢字テストの用紙を見つけました。
漢字に振り仮名を振りなさいという問題で、1ページに約70問くらいの漢字が書いてあります。
そこに母はえんぴつで振り仮名を振っていたのですが、私がみたところ、95パーセントくらいは正解でした。

上の漢字の中では「鱧」を「ぶり」としていましたが、これは「はも」が正解。

でもこれだけできたのには、驚きました。


「おかあさん、これ、ほとんどできているわよ。すごいねー。」と言うと、
「文章の中に書いてあればすぐ読めるのだけど、漢字だけだとなかなか難しいね」というのです。

そりゃそうですよね、文章の流れの中にあれば、だいたい見当がつきますもの。
それを漢字だけ読めたのは、かなりすごいものです。

試しに、「おかあさん、この漢字のテストはいつやったの?」と聞いてみましたが
「さぁね、忘れたよ」との返事。

「どこでこの問題をやったの?」と聞いても同じ。
「さぁ、どこだったかね」とまるで答えになりません。

「お母さん、記憶が残るのと、問題が解けるのとどっちがいい?」と尋ねると
「記憶があるほうがいいよ」とのこと。

「でも記憶力はあっても、漢字が分からなくなってしまうと、新聞も読めなくなってしまうわね」というと
「そりゃ、そうだね、どっちがいいんだろうね」と答えました。


昔の記憶が残っていることと、現在の記憶が残ることとは脳の中の違う分野の働きだとは思いますが、 これだけ漢字が読めるのに、自分がどこにいるのか、それすら分からなくなっている母です。

娘としては難しい漢字を読めることよりも、少しは記憶力が戻ってほしいと思うのは無理なことなのでしょうね。

母と会話をしていると、いつもあまりに同じことばかりの繰り返して、付き合うのも嫌になるのですが、
「おかあさん、自分の名前と生まれた日にちだけは覚えているでしょ。それだけで十分よ」と言って慰めるよりないのです。

いつか私も母のようになってしまうのだろうと思いますが、その時に私は何を覚えているかしら。

着付けの手順は覚えているかしら。



2013年6月20日木曜日

舟木一夫ショー

毎月、新橋演舞場から観賞券が送られてくるので、そのチケットで歌舞伎を楽しんでいます。

ところが6月のチケットを見たら、なんと舟木一夫のショーなんですよ。

私は特にあの方に思い入れもないし、それほど興味もないのでどうしようかと思っていたのですが、たまたまラジオのトーク番組で舟木さんの対談があり、「今年は歌手生活50周年なので、一生懸命するので多くの人に見てもらいたい」というようなお話があったのです。
またお芝居は、私の大好きな「奸婦にあらず」(諸田玲子さん)▼のお話だったので、それなら見てもいいかなと思い、演舞場まで行ってきました。


会場はおばちゃんたちでいっぱいでした。
そうですよね、50年前のことを知っているというのは、50代後半くらいでしょうから。
青春時代を舟木一夫とともに過ごした世代ですね。
みなさん、必死で上のポスターを写していました。

これは特別プレゼントのカード。
(暗い会場で写したので、色が変わっています)


第一部のお芝居「花の生涯」は舟木一夫は国学者である長野主膳を演じました。
驚いたのは井伊直弼役は里見浩太朗でした。彼はきっと75歳くらいだと思うのですが、背筋がピンとしていて、「若殿」役でも全然おかしくないのですよ。
村山たか役は葉山葉子さんという女優さんでしたが、所作がとてもきれいで、着物の裾を持ちながら歩く姿など美しい方でした。昔はテレビにも出演されたそうですが、居間ではこのような舞台には欠かせない存在なのだとか。

第二部はいわゆる歌謡ショー。
数々のヒット曲を歌っていました。
何が驚いたかというと、舞台に大きなテーブルがいくつか置いてあり、何のためか分からなかったのですが、これはファンの人から渡されるたくさんの花束やプレゼントを置くための台だったのです!

「銭形平次」を唄っているとき、銭の代わりに、舟木さんが手ぬぐいを10本ほど観客席に投げたのですが、なんと私はその手ぬぐいをしっかりとキャッチ!
周りに座っていたファンの方から、「ずるいわ~」という目で見られてしまいましたよ。
これがその手ぬぐいです。


舟木さんは18歳でデビューして、ちょうど50年ということで、今年68歳だそうですが、まるでそのように見えませんでした。

時代劇の衣装、唄った時のタキシード姿、そしてシルバーグレイの着流しに雪駄姿と、衣装を変えていましたが、どれもさすがにオーラを出していましたね。

高校三年生、学園広場、絶唱・・・・私も昔の唄はしっかりと覚えていました。

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この日の装い。

大雨になるというので、気楽な着物で行きました。
帯締めは二色バージョンの三分紐ですが、今回は赤紫のほうを出してみました。
 
 
結局、雨には濡れずに助かりました。
 
劇場はどこでも冷房が非常に強いので、着物でないとたまりません。
 

 







甚ベイ その2

孫のYくん用に作っている甚ベイですが、上着はちょっとお預けにして、パンツに取り掛かることにしました。

ところが縫っている途中に、ミシンの糸通しの具合が悪くなり、仕方なくミシンメーカーのお客様相談室に電話をしたのですが、言葉だけだと説明が分かりにくいのよね。

それで私が、「ちょっと難しそうなので、自分では修理できないかもしれないので、見ていただくことはできませんか?」と尋ねると、
「70、80歳の方でも、ちゃんとご自分で直しています」とのこと!
出張修理はしないんですって。

えーん、ということで説明書を読み直したり、DVDを見直したりしたんだけど、よく分からないわ。

それで仕方なく、針には自力で糸を通すことにしました。

そして再び縫い出したのはいいのだけど、あっと気付いた時には、パンツの右側部分ばかり2つも縫っていて、がっくり。
この布地、表と裏がはっきりしないので、そういうことになってしまったようです。

一生懸命に糸をほどいてやり直し。

あ~あ!

とりあえず、パンツの形にはなりましたが・・・・。

(真ん中についているボタンは、前側のしるしです)


かなり大きそうだわ。

後は上着の襟付けを残すだけとなりました。
これは手ごわそう。

いつになったら出来上がることやら。
また気を取り直して、やってみますね。



2013年6月19日水曜日

甚ベイ制作中

孫の甚ベイを作ることになりました。

というのも、娘から「Yの去年の甚ベイがキツキツになった。」というメールがあったのです。

でも甚ベイはお婿さんのお母様の管轄だと思っていました。
実はこの方は和裁の先生で、縫い物はとてもお上手なので、私が出る幕はないと思っていたのです。

ところがお聞きしてみると、こちらのお母様は、
「着物を縫うのは大好きだけれど、他のもの、たとえば雑巾など縫うのはイヤ。ですから甚ベイも作りません。」というくらいプロ意識に徹底していらっしゃるのです(!)。

それなら、ということで私が孫の甚ベイを縫うこととになりました。

まぁ、半分は暇つぶしですが・・・・。

まずは図書館で「いちばんよくわかるはじめてのゆかたとじんべい」という本を借りてきて、事前学習です。

ネットでもあれこれ調べました。
とりあえず、経験したことのないことを始めるには、文字から入るタイプなので・・・。

そしてオカダヤに行って、甚ベイの型紙と、安い布を買ってきました。


孫の身長は95センチくらいらしいので、布は1.5メートルもあれば作れるようです。


買ってきた布は、水に漬けてからアイロンかけ。

型紙を切り取ったり、それで布を裁断する作業って好きではないのですが、これをしないと始まりません。

そして作り方ガイドと首っ引きでミシンに取り掛かりました。

5時間くらいで出来上がりと書いてありましたが、あれこれ中断することも多く、1日の作業では出来上がりませんでした。

ここまでやっと。


後は襟と紐を付けて、パンツを付けてゴムを通します。

出来上がりはまたのお楽しみね。




2013年6月18日火曜日

「紅葉狩」

半蔵門の国立劇場で歌舞伎の「紅葉狩」を見てきました。


歌舞伎鑑賞教室▼だったのですが、1500円で十分に楽しめました。

これは主に学生向けということで、小学生、中学生、高校生がいっぱい集まっていました。
私も高校の時に歌舞伎教室があった記憶がありますが、あの時はどこで見たのかしら?


今回は、銀座にある「いち利」という呉服屋さんの企画で出かけたので、切符の手配はそちらでしてくれたので、楽でした。
現地解散、現地集合でした。

歌舞伎鑑賞の前に、まずはちょいとしたお勉強タイム。
この進行は、19歳のイケ面役者の中村隼人くんと、15歳の現役高校生の中村虎之介くんが担当して、あれこれと詳しく説明してくれます。
実は隼人くんは錦之助の息子、虎之助くんは藤十郎の孫、という血筋のよい人たちですが、若くてフレッシュでイキがよくて、これからの歌舞伎を背負って立つ人たちです。

お客さんも同年代の人が歌舞伎をやっているということで親近感が生まれたと思います。

若い人向けの説明だけあって、ロック音楽で始まり、難しい用語も使わずに話していました。

舞台のセリが上がっていくところや、廻り舞台などを説明すると、会場からは「おーっ」という声が。

私が一番良かったのは、浄瑠璃と長唄と常磐津の説明でした。
それぞれの三味線と唄の人がテレビドラマのテーマソングを演奏して唄い、その違いが良く分かりました。

「紅葉狩」は分かりやすいおななしですし、舞台や衣装も派手なので、多少言葉が難解でも、見ているだけで面白くなるお話でした。
おまけに舞台の袖には唄の歌詞が電光掲示されるので、分かりやすいですね。


主役のお姫様(本当は鬼女)は扇雀さん、相手役は錦之助さんでした。
きれいなお姫様がこわーい鬼女に変身して、長い髪の毛を振り乱して踊るところは迫力がありました。

また浄瑠璃、長唄、常磐津の人たちが一緒に演奏していたところは、素晴らしかったですね。

多くの若い人たちが、このような舞台を実際に見て、歌舞伎や長唄の良さを分かってくれたらいいなと思いました。

*****

今回の歌舞伎観賞は、呉服屋さんのイベントだったで、さすがに参加者は皆さん着物でした。
でも律儀に単衣着物を着ている人ばかりで、ちょっと暑そうでしたね。6月だって暑ければ、夏着物でいいと思うのですが・・・。


他人の着付けというのはちょっと気になるものですね。


この日は30度近くまで気温が上がるということでしたので、私は今年初めての絽の着物にしました。

帯は大須で買った白い帯。
この帯、ふにゃふにゃしていて締めにくいわ。
(帯締めの位置がおかしいわね)


それに「ギャラリーゆう」で勧められて買った二色の三分紐に、高島屋で買ったベリー工房さんのアメジストの帯留めです。


こんな恰好で出かけましたが、帰りの地下鉄で、元の職場の人にあってびっくり。
私も驚きましたが、いつもはジーパンで仕事をしていた私が紫色の着物を着ていたので、彼のほうは本当に驚いた様子でした。

驚かしてごめんね~。