2013年6月22日土曜日

京ことば源氏物語

「京ことば源氏物語」という朗読会に行ってきました。
源氏物語54帖を色であらわした有田祐子さんからのご紹介でした。


会場は明大前から数分の「キッドアイラックホール」というところ。
アングラ劇をするような(?)ところでした。

朗読をされたのは山下智子さんという京都出身の女優さん。
仲代達矢の無名塾出身の方だそうです。

その方が、中井和子さんという京都の大学の先生がお書きになった「京ことば源氏物語」を朗読されました。
この会はずっと続いているそうで、今回で24回目。
今回は26帖の「常夏」と27帖の「篝火」を朗読されました。

もともと源氏物語は京の都で書かれたものなのですから、光源氏にしても紫の上にしても、みなさん、京都の言葉で話していたのですよね。ですから現代語にする時も京ことばに訳したほうが合っているわけです。標準語(江戸ことば)で話すほうがおかしいですよね。

以前、田辺聖子さんの大阪弁で書かれた源氏物語を読んだことがありますが、それも面白かったですね。

山下さんは水色とグレーの紅型風の着物に、ざっくりとした青の帯。それにちょっと変わった上品な帯締めをしていました。
私は最前列に座っていたので、しっかりと細部まで拝見させていただきました。
しっとりとした京女の魅力がたっぷりの方でした。


朗読をする舞台の様子です。
正面の一番前に座りました。


今回の「常夏」(なでしこの意味)は、光源氏36歳の時のお話です。当時は36歳といえば、もうかなり円熟した中年の部類に入っていました。
ただし物語は、源氏よりも彼のライバルである内大臣(昔の頭中将)の子どもたちのことが話題の中心です。
彼にも奥さんが数人いて、それぞれに子どもがいるのですが、中でも「近江の君」という田舎から出てきた娘には悩まされています。品がなくて早口でわめくし、教養がなくて突飛な行動をするからなのです。つまりみんなの顰蹙の的なのですが、こういう人物を登場させることによって、より一層、玉鬘がいかに上品で美しいかを際立させたのではないかということでした。

「篝火」のほうは、偽の親子である源氏と玉鬘が琴を枕にして寄り添って寝ている、という微妙なシーンから始まります。
そして内大臣の息子である柏木が、実の姉とは知らずに玉鬘に恋心を抱いてしまうのです。なんとも罪作りな内大臣ですね。

私はこの2つの巻の前にある「蛍」が好きですね。几帳の中に蛍を放して、その光で玉鬘を浮かび上がらせる演出をするシーンはすごく幻想的なのです。

最後に「篝火」の原語を読んでくださったのですが、恥ずかしいことに全然意味が通じませんでした。紫式部は難しいわ。

山下智子さんのHPはこちら▼

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夏至を過ぎたので、透けた着物にしました。
うたどんさんのお母様からのいただきものです。
見た目は濃い色なのですが、とても涼しくて助かりました。
歩くたびに、風がスースーと身体の中を通り過ぎるようでした。


八王子の履き物屋さんで買った夏用の草履▼を初めて履いてみました。
とても軽くて歩きやすい草履でした。


この「京ことば源氏物語」は隔月に開かれているそうです。
朗読の前に簡単な物語の説明がありますので、源氏物語をあまりご存知ない方でも、分かりやすいですよ。

次回は8月10日と11日。
興味のある方はどうぞ。


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