2013年8月31日土曜日

「美しいキモノ」

私の着物は、ほとんどがいただきものか、骨董市で数千円で買った着物ばかりなので、豪華な着物雑誌「美しいキモノ」は縁遠い存在です。

でも今回は買ってしまいました。

というのも、今回は発行60年記念という号でしたので。
つまり昭和28年(1953年)から数えて、ちょうど60年目、還暦にあたる冊子ということで買ってみました。

こちらがその付録「美しいキモノ60年に見る昭和から平成のきものファッション史」です。


今から60年前、昭和28年といえば、まだ戦争が終わって8年しか経っていない日本です。
街には傷痍軍人が溢れていました。
経済もどの程度回復していたのか、きっとずいぶんと貧しい時代の日本だったと思います。
そのときからこんな美しい雑誌が発行されていたんですね。

これまでの歴代の表紙を飾った女優さん特集です。
懐かしいな!

創刊号は香川京子さん。清楚そのものですね。


表紙を飾った方たち。

野添ひとみ、木暮実千代、有馬稲子、八千草薫、岸恵子、久我美子、草笛光子、岡田茉莉子、扇千景、松本弘子、安西郷子、高峰秀子、白川由美、松田和子、新珠美千代、佐久間良子、入江美樹、若尾文子、三田佳子、司葉子、中村玉緒、小川真由美、栗原小巻、浅丘ルリ子、池内淳子、山本富士子、吉永小百合、藤村志保、岩下志麻、藤純子・・・・。

わー、みんな知っているわ。(えへん)

年を経るにつれて、表紙の女優さんたちも変わってきます。

多岐川裕美、夏目雅子、梶芽衣子、高橋恵子、秋吉久美子、十朱幸代、山本陽子、松坂慶子、古手川祐子、真野あずさ、沢口靖子、竹下景子、池上季美子、松たか子、鶴田真由・・・。

みなさん、とても美しいですね。

それとほとんどの方が座ったお姿です。

それがだんだんと上半身だけのスタイルになってきました。

賀来千香子、鈴木京香、高島礼子、大地真央、藤原紀香。

それと男性著名人の着物姿も面白かったですよ。
柴田錬三郎、佐藤栄作、中曽根康弘、三島由紀夫、長嶋茂雄。

本当に懐かしい方たちばかりです。

本誌のほうをぱらぱらとめくっていたら、「観劇に行く時の着物」という特集があり、たとえば歌舞伎を見るときにはこの着物、お能のときはこの着物、というページがありました。
その中に、なんと私が持っている着物と同じものが載っていて、感激しました。

それは玉村咏先生のこの着物。
お袖の下のほうと、裾のほうに可愛い水玉がある着物です。


「邦楽を聞きに行く時によい着物」と書いてありました。
私も三味線を聞きに行ったときには、この着物だったので、とても嬉しかったわ。

私のは、色違いで薄ーい緑色です。写真だとグレイのように見えますね。
モデルさんと並べるとあまりに違いがあるので、同じ着物には見えませんが。


「美しいキモノ」にも載っている着物は、私の宝物です。









2013年8月30日金曜日

金魚御殿

今日は、金魚御殿に行ってきました。

いえ、正式には「アートアクアリウム2013 ~江戸・金魚の涼~」▼というんだそうです。

会場は日本橋にあるコレド室町。

事前に入場券を買っておかないと、入るまでに時間がかかるという話を聞いていたので、前日にセブンイレブンでチケットを買って出かけましたが、正解でした。

会場の前にはこんな浴衣姿のマネキンさんが立っていました。
髪の毛がないのはちょっと似合いませんね。グロテスクだわ。


こちらは会場を入ってすぐのところにあった金魚型の花瓶でしょうか?
センスがよくて、おしゃれでしたね。


ガラスの中に本物の金魚が気持ちよさそうに泳いでいます。

 
もういたるところ、金魚だらけ。

水槽に泳いでいたり、桶に泳いでいたり、壁の中にいたり・・・・。

これはギヤマンリウムといって、プリズム効果により、金魚がたくさんに見えるものだそうです。


これは一番人気があった金魚鉢のオブジェ。
なんでも「大奥」を表したものなんだとか。
ちょっと意味が分からなかったですけれど。


ライトが変化すると、金魚鉢も色が変わります。
豪華絢爛でした。


こんな車もありました。
可愛いですよね。
おもちゃではなく、ちゃんとした車です。


夏休みのせいもあって、会場は子ども連れも多くいました。


金魚と絞りの浴衣地がコラボしていました。
着物ファンには嬉しいですね。


素敵だったのは、無地の着物の前で金魚を泳がして、それを絵柄に見立てたもの。
よく考えていますね。

 こちらはその絵ハガキを写したものです。
真ん中の白い着物の手前に小さな金魚がたくさん泳いでいますね。
左右は刺繍や染めなどで金魚を描いた着物で、「キモノリウム」という説明がありました。


いったい、全部で何匹の金魚がいたのでしょうか。
餌をやったり、水を取り替えたり、お世話をするのも大変でしょうね。

金魚というのは江戸時代には一般庶民のところにもかなり普及していたようで、男女がいちゃいちゃする隣の水槽で金魚が泳いでいる、というような浮世絵もありました。

こちらは絞りの生地の前で立っているところを写してもらったのですが、暗くてよく分かりませんね。


お土産に、一階の刃物屋さん「木屋」さんで、可愛いいそば猪口を買いました。
一つは金魚の絵、もう一つはメダカです。
意外と大きいので、おつまみなどを入れるのにもいいかも。


お昼ごはんは、外に出ると暑いので、同じビルの中でいただきました。
居酒屋さん風の和食屋さんにしました。
私には珍しく、「サバの味噌煮定食」。
ところが、味付けを間違えたのか、やたら甘くて、食べられたものではありませんでした。よほど文句を言おうとしましたが、仕方なくお醤油をかけていただきました。
私の舌がおかしいのかな。


気温が36度になると予想されていたので、また小千谷縮みにしました。
 

汗をかいても、ざぶざぶ洗えるので気持ちいいですね。
帯はうたどんさんからのいただきものの、ピンクの夏帯。
かなりぶりっ子していますね。

外気はかなり暑かったようですが、ずっとビルの中と電車の中だけだったので、涼しい気分でいられました。

*アートアクアリウムは東京では9月23日まで開催されています。
夜の部もなかなか見ものだそうです。



2013年8月29日木曜日

お財布あれこれ

これまでずっとお財布は赤い色と決めていたのですが、何かの時に「黄色いお財布だと、お金がたまる」とか言われて、最近は黄色のお財布を使っていました。

とはいえ、おかねは全然たまりませんでしたが・・・。

ところがその黄色のお財布がぼろぼろになってしまいました。
さすがにこれでは情けないですね。おかねも逃げて行きそうです。


このお財布を気に入っていたところは、私はお財布を広げた時に、カードがすぐに見えてしまうのが嫌なのですが、このお財布は他人様からはカードが見えにくくて、その割には何枚も入るというところでした。
また手になじみやすい大きさ、というのも良かったのです。

それでもあまりにぼろぼろでみっともないので、近所のお店を数軒廻ってお財布を探したところ、ほとんどが1万円以上するのですよ。
えー、高いな~。

それで、前にフェリシモで買って、使わなかった長財布があったのを思い出しました。なんでも多くの女性の意見を聞いて作ったもの、という触れ込みでした。すっきりしたデザインと、ピンクベージュの色が気に入って買ったものです。
それを引き出しの奥から出してみました。

こちら。
(上から写したので、ぺしゃんこになっていますが)


このお財布には、カードが内側の隠れた場所も入れると、なんと22枚も入るというのです。
(そんなに必要ないんだけどな)

ところが、この長財布だと私には大きすぎて、持ちにくいのです。
手に余るというくらいです。
おまけに小さなバッグに入れると、このお財布だけで満員になってしまう始末。
それに使ってみると、小銭がうまく取り出せない。

ぼろぼろよりはましかな、という程度です。

うーむ、なかなかちょうどいいお財布ってないのですね。

2013年8月28日水曜日

ベランダで読書

だいぶ涼しくなってきました。

これまであまりに暑過ぎて、外に出るのも嫌なくらいでしたが、この頃はラクですね。

それでベランダにテーブルを広げ、ちょいとビールなど飲みながら、浅田次郎さんの本を読んでいます。
風がそよそよと気持ちいいわ。

昨日の夕方のシーンです。


私は小説に関しては、ほとんど女性作家の本しか読まないのですが、例外は浅田次郎と清水義範。
この二人の男性作家のものは、ほとんど全部読んでいます。

浅田さんは子どもの頃は杉並に住んでいたということもあり、親近感があります。
彼の書く作品は、長編の歴史小説や、人情味あふれる短編小説、それに「プリズンホテル」のようなピカレスクモノなどに分類されますが、私はなんといっても長編時代小説が好きですね。とくに好きなのは新撰組の「壬生義士伝」や、中国清朝の裏側を描いた「蒼穹の昴」かな。

今読んでいるのはそれほどの大作ではないのですが、「ハッピーリタイアメント」。
ある事情によってどうしようもない企業に天下りをした、中年男二人の冴えない物語です。

どんな本であっても、お外で読書は気持ちがいいですね。




2013年8月27日火曜日

親切な女医さん

以前、長年の悩みであった、アフリカ生活のつけであるほっぺのシミを治療してもらったことがありました。そのときのブログ▼

これまでいろんな皮膚科の先生から、「そういうシミは治らない」と言われていたのですけれど、こちらの女医さんは液体窒素で焼いて治してくれました。そういう方法があるということは、他のお医者さんはまるで説明もしてくれなかったのですが。

焼いた後はしばらくは腫れていたので、マスクをしてあまり人目にさらさないようにしていました。

それが2月のことでした。
ちょうど風邪の人が多い時期でしたので、マスクをしていてもあまり疑われずにすみました。

その後、左のほっぺのシミは、あまり気にならない程度に治りました。
20年ぶりくらいにきれいなほっぺになりました。


今度は右のほっぺにあるシミを治してもらいたくて、7月下旬に、また同じ皮膚科に出かけました。

すると女医さんは、
「あのね、やってあげたいのだけど、今すると、紫外線が多いので、そこの部分が真っ黒になってしまうのよ。でも8月20日過ぎになれば紫外線が少なくなるので、そのときにまた来てね」とのこと。

そうなんですか!
8月後半になると、夏といっても紫外線の量はまるで減少するんですって。

ということで、7月は何も治療せずに帰宅しました。

そして、8月後半になり、紫外線も少なくなった頃なので、また病院に行ってきました。
そして女医さんは「今ならもう大丈夫よ」と言って、今度は治療をしてくれました。
液体窒素は焼くときに、ピリッとした痛みがあるのです。
でもきれいになれると思うと、がまん、がまん。
1分ほどで終わりました。

おばさんの顔のほっぺなんて、誰も気にならないでしょうけれど、この先生は女性の気持ちをよく分かってくれて、ちゃんと治療してくれるので、嬉しいのです。

でもあと1週間くらいは、マスクのお世話になると思うので、あまり外出したくないんですけれど、そうもいかないわね。






2013年8月26日月曜日

新宿まで

花火大会見物▼のために泊まりに来ていた孫たちの見送りを兼ねて、どうしても必要なものを買いに、一緒に新宿まで行ってきました。

その目的とは、パズルの枠。
パズルは枠がないと、壁に飾れないのです。

まずは京王デパートの玩具売り場に行ったのですが、以前はパズルを売っていたのに、今はどこにも見当たらないのです。
店員さんに尋ねたら、「現在はパズルの取り扱いはなくなりました。お子様用のものでしたらありますが」とのこと。

えー、せっかく1000ピース、頑張って仕上げたのに!
今どき、パズルをする人はいないのかしら。

仕方なく、今度は高島屋の東急ハンズへ。
ようやく枠を見つけましたが、中のパズルよりも高い値段です。枠がもう少し安ければいいのにね。

孫とは新宿駅でバイバイ。
わざと変な顔をするのを覚えたようです。
手にはしっかりとパスモ・カードを持っています。


その後、一人で「林屋茶園」▼というお茶屋さんへ行って、抹茶の黒蜜かけきな粉かき氷というのをいただきました。ここは京都に本店があり、なんと開業は宝暦年間という古いお店だそうです。


写真ではよく見えませんけれど、抹茶のたっぷり浸みこんだ氷の下には、あんこと白玉が埋もれていました。

これで550円はお安いですね。

おまけに冷えた身体を温めるよう、ほうじ茶もついていて、優しい心遣いでした。

帰宅して、枠にパズルを入れて、はい完成しました。
(薄暗いところなので、ぱっとしませんが。)


次回の制作は年末年始の予定です。






2013年8月25日日曜日

今年の花火大会

昨夜は地元の花火大会でした。

今年はどこの花火大会でも雨や雷にやられていましたが、こちらも例外にもれず、途中、雨が降ってきてしまいました。それでも中止にはならず、なんとか最後まで見られました。

夕方になると、我が家のベランダからは、浴衣姿のお嬢さんたちが次々に集まってくるのが見えます。みんな、とても可愛いですね。


我が家はベランダから花火が見えるので、いつも自宅での花火大会見物で、特等席です。

娘夫婦と孫も泊りがけでやってきました。

孫もお婿さんも甚ベイ姿になりました。
孫の甚ベイは私が縫ったものです。とても似合っていました。
着てくれて嬉しいですね。


靴もとてもかわいい。


こちらは私の浴衣姿。
初めて誂えた浴衣です。


雨が降ってきたので、ベランダで傘を差しながら花火を見ています。


花火の時はいつもご馳走がつきもの。
築地で仕入れてきたウニとマグロがメインです。


アワビも柔らかくて、とてもおいしかったです。

後はお肉や野菜のグリル焼き、ゴーヤチャンプル、チキンスティックの塩焼き、サラダ、枝豆など。

さて肝心の花火ですが、カメラがイマイチでしたので、あまりよい写真は撮れませんでした。







少しは花火の雰囲気が伝わったでしょうか。



2013年8月24日土曜日

氷室冴子さんの小説

氷室冴子さんの小説を読み返していました。
もう何年ぶりかしら・・・。

「月の輝く夜に」
「ざ・ちぇんじ」

表紙がとてもきれいでしょ。
中にある挿絵もモノクロですがとてもきれいです。


どちらも平安時代の朝廷を舞台とした小説です。
「月の・・・」は父親くらいの恋人をもつ17歳のお姫様のお話。
「ちぇんじ」は男女の姉と弟が入れ替わってしまい、大騒動をするというお話。

少女小説といってしまえば、それまでだけれど、とにかく面白い。

高校生時代にこの本を読んでいたら、きっと古典の授業にもっと興味を持って取り組んでいただろう、と悔やまれるくらい、当時の貴族の男女の生活が分かりやすく、そして親しみやすく書かれています。

もう30年くらい前に書かれていたものですが、その他にもたくさんのロマンティックな小説を書いていらっしゃいましたが、氷室さんは2008年に惜しくもお亡くなりになりました。たぶん、50歳くらいではなかったかしら。

それにしても女流小説家には若くしてお亡くなりになる方が多いですね。

樋口一葉は別としても、林芙美子も当時としては早死にの部類に入るでしょうし、有吉佐和子さんや森瑤子さんもたしか50代前半にお亡くなりになりましたね。

「ゆっくり東京女子マラソン」の干刈あがたさん、栗本薫さん(中島梓さん)もこれからというときにお亡くなりになってしまいましたね。

とはいえ瀬戸内寂聴さんのようにご高齢でご活躍の方もいらっしゃいますが。

いずれにせよ、小説家という方は、自分の中にあるものをこれでもかというほど、えぐり出して、それを文字にするわけですから、ご苦労やストレスも多いでしょう。

そういえば藤圭子さんの死は驚きました。
私たちの若い頃のトップ歌手でした。
宇多田ヒカルのお母さん、と称されるのでは悲しいですよね。
今でもあのストレートの髪形をされていたのでしょうか。


2013年8月23日金曜日

さぁ、ダイエット再開!→追記あり

先週はスポーツクラブがお盆休みで休業中だったので、全然運動ができませんでした。

おまけに一日中、椅子に座ってパズルをしていたり、暑いのでビールをガブガブ飲んでいたので、1週間で1.5キロも太ってしまいました。

体重計は、ここ30年くらいの間の最高値を示してしまい、さすがにやばいわ。

というので、今週の月曜日からまたスポーツクラブ通いを再開しました。
ZUMBAなどで汗をだらだら流しています。

それにしても1キロ増やすなんて1日にして簡単にできるのに、1キロ減らすとなると大変です。せいぜい1日に200グラムくらいしか減りません。

なんとかして8月中には元に戻さないと・・・。

パズルもだいぶできてきました。


でもこれからのほうが難しいのです。
あとは真っ白な部分と、どうしてもできなかった枠の部分です。

実は、明日、豆台風が泊りがけでやってくるので、それまでになんとか完成させておきたいところです。これを触られたら、いくら孫だって怒りますからね!

ダイエットもパズルもがんばりましょう。

(ここから追記です)

今日は一日中、頑張ってパズルをやったので、ついに完成しました。
これで孫が来ても大丈夫、と思っていたのですが、ところが喜びも半減なのです。

というのも、ピースが1個不足していたのです。
どこか分かるかしら?


えーん、せっかく完成したと思ったのに!

パズル会社に請求します。

実は前にもこういうことがあったんです。
不良品なんだから、お詫びの一言でもほしいですね。

それにしても、超ハイレベルのパズルでした。






2013年8月22日木曜日

創造する脳 ~女性の直感が世界を変える~

久しぶりに脳科学関係のセミナーに行ってきました。

場所は虎ノ門。
ちょうどお昼時だったので、町には首からカードを吊るしたサラリーマンやサラリーウーマンが、ランチを求めて歩いてました。


会場はビルの13階にある金沢工業大学の東京キャンパスです。


さすが金沢だけあって、受付では石川県の銘菓がずらりと並んでいて、「このうちのお好きなものを2品お取りください」と言われました。赤いだるまちゃん(?)の最中とお煎餅にしました。もちろん金沢のお茶付きです。
写真の左にある赤いものは、丸い紙を自分で折りあげて、器にしたものです。
なかなかオシャレですね。


セミナーは「創造する脳~女性の直感が世界を変える~」というテーマでしたので、
女性の参加者が多いと思っていたのですが、会場のほとんどは大学教授クラスのおじさまばかりで、意外でした。(実は内容はテーマとはあまり直結していませんでしたが。)

さてセミナーは2つの講演があり、一つは脳科学の先生のお話。もう一つは金融関係の先生のお話。どちらも講師は女性の方でした。

結論から言うと、脳科学のセミナーは、それほど難しくはなかったのですが、経済・金融の内容はあまりに難しくて、まるでついていけませんでした。講師の先生は私の卒業した大学の後輩でしたが、同じ大学で学んだのに、どうしてこんなに差がついてしまうのだろう、と思うくらいに有能な方でした。


セミナーの内容をざっとご紹介すると、脳科学の担当は、主に脳の発達や加齢の研究をされていらっしゃる東北大学の大隅典子先生でした。先生は『なぜ理系に進む女性は少ないのか?』という本を翻訳されたので、お話は主にその本に沿っての説明でした。
たとえばノーベル賞受賞者を対象にすると、女性の受賞者は極端に少ないのですが、これは男女の脳に違いがあるのではと考える人もいるそうです。実際にアメリカのハーバード大学のサマーズ学長という人も、「女性の脳は男性よりも劣っている」という発言をして物議を醸し、結局学長を辞任したことがあるそうです。
ただし、さまざまなデータを研究した結果の結論から言うと、男女の脳にはそれほど根本的な違いはなく、それよりも個人の差や国の差のほうが大きい、ということでしょうか。また社会的な刷り込み(たとえば医者といえば、男性の医者を想像してしまうとか)の影響も多くあるとのことでした。
それでも女性特有の面というのもあるようで、たとえばリーダーシップをとることは、あまり得意ではない人のほうが多いそうです。そういう女性の脳から判断すると、アベノミクスで提唱された「管理職に女性を増やす」という方針は、管理職を増やすことが女性の幸せにつながるかどうかは疑問であるというお話でした。

まとめてみると男女それぞれの個性を生かすのが大事、という平凡な結論のようでしたが、いろいろなデータを教えていただきました。

それと面白かったのは、日本の公立大学で、初めて女子生徒の入学が許可されたのは、今から100年前の東北大学の化学と数学だったそうです。
紅花の研究で有名黒田チカ、やはり化学の丹下ウメ、そして数学の牧田らくだそうですが、みなさん理系であったこと、そして女子学生の可能性を最初に見出したのは東大でもなく京大でもなく、東北大学であったというのは、意外でした。
そして現在でも東北大学では女性研究者への支援や、女子高生へのアドバイス(「サイエンス・エンジェル」)などを行っているそうです。もちろん構内には保育園もあるということです。
私は東北大学には2回お邪魔しましたが、そのときにはそのような視点はなかったので、もし次に何かの機会で行けることがあったら、見てみたいと思いました。

こちらはそのロゴマークです。
着物姿の女性が試験管を持っているところがいいですね。
大正時代の「リケジョ」ということでしょう。
これは蛇足ですが、大隅先生のオシャレ感度はかなり高度でした。花柄のワンピースに茶色のジャケット、そして黒のパンプス(白い縁取り付き)というお姿は大学教授らしくなくて、好感が持てました。

大隅先生の「仙台通信」▼


次に経済・金融のお話ですが、担当は金融コンサルタントであり大阪大学で客員教授をしている岩本沙弓さんでした。この方は海外の金融機関にも勤めていたし、日本の銀行のことにも詳しいので、そういう現場で見聞きした体験を話してくれました。日本経済はもちろんのこと、アメリカやヨーロッパの経済にも詳しく、すごい方でした。
それでも私には金融や経済の内容は難しすぎたので、よく理解できなかったのですが、この方の予想では、消費税は来年は見送り、その翌年に一気に10パーセントにするが、その反動で2015年ごろには消費経済は落ち込むのではないかというお話でした。アメリカやヨーロッパもちょうどそのころに経済的問題が発生する時期なので、注意が必要ということでした。
それと、日本国の借金が1000兆円を超したといっても、家計の借金と国の借金は種類が異なるので、一律に扱うものではないので、日本の国そのものはまだ他の国に比べれば、健全であるということでした。

岩本さんのお話の中でも、大隅先生と同様に「女性はリーダーシップをとるのは苦手な人が多い」というお話がありました。つまり女性は出世欲や名誉欲は少ないということでしたが、ただし社会進出することが多くなれば、そういう女性も出てくるのではないかと思います。

岩本さんのファッションは、きっちりスーツでしたが、どういうわけだか足元がナースサンダルのような格好で、これはアウトでしたね。せっかく弁が立つ方なのに、足元だけは気が緩んでいるように見えてしまいました。

岩本さんの公式サイト▼

さて、しっかりとお勉強をしていたのですが、外では雷と豪雨がすごくなってきて、帰宅できるか心配になってしまいました。
まだまだセミナーは続いていたのですが、その後のディスカッションは失礼して引き揚げました。

この日の装いですが、こういうセミナーで白っぽい着物なんぞ着ていたら目立って仕方ないので、濃紺の夏着物にしました。写真では分かりませんが、かなり透け透けです。


でもこの前のカラーコーディネート講座で、私には濃い青は似合わないと指摘されたので、着物から目をそらすよう、ド派手な水色の帯揚げでごまかす作戦にしました。これは去年、娘からの誕生日祝いの品です。

夕方の雷雨にもそれほど濡れずに済んだので助かりましたが、電車の駅に落雷があって、帰宅がだいぶ遅くなりました。今年は何回もゲリラ豪雨にやられています。



2013年8月21日水曜日

邦楽ワークショップ ~ご祝儀曲と夏の彩り~

市のホールで「邦楽ワークショップ 日本の音楽の美しさと楽しさ ~ご祝儀曲と夏の彩り~」という催しがあったので、行ってみました。


ご祝儀曲というのは、結婚式とか襲名披露などのおめでたいときに演奏される曲ですが、逆に、その曲を演奏することによって、良いことを引き寄せるという音楽でもあるそうです。
そして夏の曲であるお祭りのお囃子などがメインの演奏会でした。

出演は一中節の歌い手さん(浄瑠璃方というそうです)と三味線方、お囃子は小鼓、大鼓、笛(能管と篠笛)の方々でした。

一中節というのは江戸時代に大流行した唄で、誰かの小説(平岩弓枝さんだったかな?)で、一中節に夢中になった男の話というのを読んだことはあるのですが、実際にその唄を聞いたのは今回が初めてでした。

  
都了中(みやこりょうちゅう)さんという若手の唄い手さんでした。とても良いお声の方でした。

この一中節の特徴は、母音をしっかりと発音することだそうで、「ああああ」とか「おうおうおうおう」なんて感じでゆっくりと唄います。

ワークショップでは、会場のみんなで一中節のほんのさわりを唄ってみましたが、音痴のようになってしまい、なかなか難しいですね。

それと、お囃子はみんなで小鼓の弾き方を練習しました。
小鼓というのは、左手で楽器を持って、それを右の肩の上にクロスさせるように置いて、右手で下から打つのです。
音は2種類あって、小鼓をしばってある麻の紐を押さえておくと「タ」という音が出て、麻の紐を握っていないときは「ポン」という高い音がでます。
そしてこれに掛け声が付きます。
まず「イヤー」といって「タ」、そして「ホッ」といって「ポン」と打つのです。
なかなか気分が良くなりました。

もちろん、ワークショップ以外にも「老松」や「三番叟」などの歌と演奏がありました。

私のお目当ては常磐津三味線でした。
都一凛さんという女性の弾き手の方でしたが、何気なく弾いているようで、それできちんとされていて、さすがにお見事でした。

会が終わった後の、出演者のみなさん。
若手の演奏家の方は、みなさん、トークもとてもお上手ですね。
邦楽を広めようという意識がしっかりしていて、気持ちよく楽しめました。


 この会は、市の日本舞踊連盟の主催でしたので、さすがに関係者やお客さんには着物姿の人が多く、目の保養になりました。

私といえば、自転車でかけつけたのでジーパン姿。
やはり着物で行けばよかったなーと後悔しました!

2013年8月20日火曜日

真夏の骨董市@高幡不動

久しぶりに高幡不動の骨董市に行ってみました。

高幡不動は東京の西、日野市にあります。
京王線の高幡不動駅からは参道が続いています。

ここは建てられたのが701年ということなので、1300年以上も経っている古いお寺です。奈良時代、平安時代、鎌倉時代を経て、足利時代には「汗かき不動」と呼ばれていたそうです。そして江戸時代になると火防の不動尊として庶民の信仰を集めたところだそうです。

めちゃめちゃ暑いので、朝早くから出かけました。
五重塔も暑そうにしていますね。


ここは新撰組の土方歳三の菩提寺でもあるので、境内には土方さんの銅像も立っています。


わざわざ出かけた高幡不動の骨董市でしたが、お盆の影響で、お店はいつもの半分くらいしかありませんでした。
おまけに着物やさんは数軒しか出ていませんでした。

いつもの着物やさんのおじさんとあれこれ世間話。
ブルーの絽の素敵な着物を探してくれて、丈も裄もぴったりだったけれど、イマイチ、幅が狭かったので諦めました。夏着物ってあまりないんですよね。

それでもせっかく高幡不動まで来たので、何かお土産が欲しくて、1000円均一のお店で物色しました。
やはりぼろいものが多いわ。ほとんどがリメイク用(洋服にしたり、小物などに使う)なのです。

あれこれ見ていて、ようやく納得がいったのが、こちらの木綿の帯。

新品だったし、長さもまぁまぁだったので、1本いただきました。

単衣の季節に活躍してくれるといいわね。