2013年11月17日日曜日

江戸のグルメ

東京家政学院大学で、「江戸にグルメ! 江戸の料理とその再現」▼というイベントがあったので、参加してきました。

ここは八王子市と町田市の境にある大学ですが、山の中というか、まるで何もないところです。前に私が仕事をしていた大学も何もありませんでしたが、ここよりは開けていましたね。若い女子大生がこういうところで満足できるかちょっと気になりました。


キャンパスは紅葉がきれいでした。

少し早く着いてしまったので、図書館で時間をつぶしましたが、雑誌はかなりいろいろあって充実していました。家政系のものだけではなく、サイエンス系のものまで揃っていて驚きました。


東京家政学院は今年で創立90周年だそうで、そのイベントとして江戸の料理を取り上げたようです。

第一部は先生の講義を聞きました。

食事はハレとケによってかなり違い、また武士と町人の食事の違いもありましたが、通常はご飯、味噌汁、香の物それに何か一品くらいだったようです。

下の図は食事の用意をしているところですね。


江戸時代も後期になると、豊富な食材、魚介類などを使用するようになりましたが、調味料には砂糖は使っていなかったとのこと。また犬、ハト、ツルなどもタンパク源として食用していたそうです。

また関東の人はご飯は朝に炊いて、昼と夜は冷飯あるいは雑炊などにしていましたが、関西の人はご飯はお昼に炊いていたという違いがありました。

江戸では多くの野菜が採られていて、練馬大根、滝野川人参、谷中生姜、江戸川の小松菜などは今でも有名ですね。

 第二部は、博物館に行って、料理の展示物を見せていただきました。


こちらは江戸時代の料理本です。
寛永20年(1643年)に初めて出版されたものだそうです。
今でいうレシピのようなものですが、分量は書かれていないものが多いそうです。


サツマイモ料理のあれこれ。


豆腐料理のあれこれ。
「豆腐千珍」といって、豆腐料理だけで1000種類もあるのだそうです。
いろいろな工夫がされていたのですね。


大根料理のあれこれ。
大根を揚げて、その上に大根おろしと汁を乗せたお料理がおいしそうでした。


卵料理のあれこれ。
仕上げにもいろいろと工夫されていて、源氏物語や伊勢物語にちなんだ料理もいろいろとあったそうです。古典文学の知識があると、料理もよりいっそう引き立つとのことでした。昔の人の教養が分かりますね。


二汁五菜のお料理。
行事の時などに出されます。
おめでたいときには鯛がメインでしたが、関東と関西では使う魚に違いがあり、マグロやカツオは関西の人は下等といって食べなかったそうです。


会席料理。
現代のお食事とあまり変わりがない感じでした。


こんなふうにして博物館を見学しました。
男性の参加者も3人ほどいらっしゃいました。


こちらは講義と博物館の案内をしていただいた熊井先生。
ご専門は日本の食物史だそうです。


「江戸の料理」は来年の2月14日まで展示されています。

第三部はいよいよ調理実習です。
調理の先生がすりこぎを使って豆腐を摺っているところ。


調理実習の時は、割烹着を着ていました。


はい、江戸のグルメができあがり。

献立は以下の通り。

ご飯(黒コショウとだし汁をかけていただきました)
「黒染豆腐」(お豆腐団子の澄まし汁)
鹿煎(鳥の煮物)
大根湯なます 
かすてらいも(サツマイモのデザート)

 
鳥の料理がとても簡単でおいしかったですね。

水+酒+みりん+醤油の中に、ニンニクと唐辛子を入れて煮立て、そこにぶつ切りにした鶏肉とゴボウを入れて20分ほど煮ます。
出来上がったら大根おろしとアサツキを飾ります。
これならすぐにできますね。

ちょうど日本の料理が「WASYOKU」として世界無形遺産に登録されるという時期でもあるので、江戸時代の料理を学んだことも有意義でした。

どの料理も古典文学と結びついていたり、工夫されて遊び心に溢れていて、今よりも豊かな感じがしました。

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この日の装い。

調理で汚れてもいいように、もともとシミのあるリサイクル着物にしました。
「着物今昔市」というイベントで2500円で買った縞模様の小紋です。

菊の模様の帯はいただきもの。
もう菊は今年はこれで最後でしょうね。

Berry工房さんのキラキラ帯留め付きの帯締めを初めて合わせてみました。

 
縞の着物に黒地の帯、というのは幸田文さんの展覧会からヒントをいただいた組み合わせです。すっきりとして気に入りました。
 
 
 
 


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