2015年3月31日火曜日

「赤坂。咲かす文楽。」

三浦しをんさんの「仏果を得ず」▼を読んでから、文楽の世界を知り、何冊か文楽解説本を読んでいました。
でも実物を見ないことには、問題になりませんよね。

たまたまTBSラジオのトーク番組で、なんとか大夫さんが「今度、赤坂サカスで面白い文楽をします」とお話されているのをちらっと聞いて、それなら初心者にも良さそうと思って、チケットを予約しました。

最初から高い席を買ってしまって、もし居眠りをしたり、面白くなかったらもったいないと思い、一番安い2000円という席を予約しました。

そして出かけたのは、「赤坂。咲かす文楽。」▼というものでした。
赤坂にあるTBSの敷地内にあるシアターで開催されました。


会場に入ったところ、その席は3階でしたが、舞台の真正面でとてもよい席でした。
人形のお顔こそ鮮明には分かりませんが、大夫さんや三味線弾きの座る「床」と呼ばれるところもばっちりと見えて、これはお得な席でした。

開演前の風景です。


最初は「翁 日吉之式」というお能でした。
これは30分くらいのものでしたが、10分くらいは眠ってしまったと思います。
やはりお能は動きが遅いので、つい眠くなりますね。
初めは素顔で舞っていましたが、目を開けたらいつの間にかお面をつけていて、ちょいとびっくりしました。

その次は、本来は能で演じるという「二人三番叟」という演目を、人形が演じました。
とてもリズミカルな動きで、おまけに「舟底」と呼ばれる部分がないので、人形遣いの方の全身が見えるというものでした。
途中に、お人形が客席まで降りてきて、踊った時は、みんな手拍子を打って、とても楽しかったですよ。

その後の時間に、文楽の解説がありましたが、これが面白いのなんの、普段は無口な人形遣いさんや三味線弾きの方のおしゃべりが楽しくて、会場は爆笑やくすくす笑いが続いて、本当に楽しい解説でした。
おかげで、私のように初めて見る人間にとってもよく分かりました。

人形の顔や体のからくりもいろいろと実演して、説明していただきました。

印象的だったお話は、あのお人形の真っ白なお顔は、日本画で使う胡粉を30~40回も塗って、白さを出すということでした。

他にも、へー、と驚くことがいろいろありました。


三味線を習っている私としては、三味線弾きの方の見本演奏が良かったですね。
寂しい表情、嬉しい表情、びっくりしたとき、がっくりしたときなどをそれぞれ音で表していました。
また雨の音、波の音なども三味線で弾いていただきましたが、三味線というのはただ弾くものだけではない、ということがよく分かりました。
義太夫のお話や、人形の気持ちを表すものなのですね。
これは、私が長唄三味線を弾く時のよい参考となりました。

後半は「壺坂観音霊験記~沢市内より山の段~」という浄瑠璃でした。
盲目の沢市と、その妻の愛情を描いた世話物です。
最後の方の場面で、山の上から身投げをするシーンがあるのですが、人形遣いが、本当に人形を手から放して、パッと人形を下に捨てたのには驚きました。


赤坂サカスは、しだれ桜が満開で本当に良い時期に出かけられて、とても良かったですよ。
幕間には、みなさん、桜の鑑賞を楽しんでいました。


生まれて初めて見た文楽は、解説付きでしたので、とても満足できました。
文楽の面白さにはまってしまう、という人の気持ちも少しは分かったような気持ちになりました。

また機会があったら、是非、鑑賞してみたいと思いました。

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この日の装い。

ちょっと派手目なぼかしの無地着物です。
こういう時でないと、なかなか普段には着られないですね。


これは味の素スタジアムの骨董市で、2500円で買ったもの。
おくみの裏には、作家さんの名前入りというたいそうな着物ですが、サイズが小さいので安く買えました。

会場には着物着用のお客様が多くいらっしゃいました。
桜の花をイメージした着物や帯を、たくさん眺めて、眼の保養をしてきました。



2015年3月30日月曜日

春の三味線おさらい会

三味線のおさらい会が終わりました。

私が教えていただいている先生のところでは、毎年、1年に2回、春と秋におさらい会を開いているのですが、今回が10年目で20回目になるそうです。
私はそのうちの半分くらいから、参加させていただいています。


大きな会のおさらい会だと、普通は私のような初心者は1曲くらしか披露しないのですが、この会はメンバーが少ないので、初心者でも数曲、弾かせていただいています。

下手でも、先生のリードでみなさんと合奏するのは、楽しいですね。

メンバーの他の皆さんは、半世紀以上も習っている方や、踊りの世界で長唄をよく知っていらっしゃる方などばかりなので、私のように還暦を過ぎてから三味線を弾き始めたものにとっては、お稽古をしっかりしないと、ついていけません。

今回は、お客様とのお楽しみとして、「青い山脈」や「東京ラプソティ」まで弾いてしまいました。
三味線に合わせて、お客様も合唱されていました。

知らない間に写真を写していただきました。

こちらは着物仲間のUさんからいただいた写真です。
ちょいと恥ずかしいのですが、こんな表情で演奏していました。
顔が引きつっていますね。


こちらは手元だけを写していただいた写真です。
うたどんさん▼が写してくださいました。


こういう写真はめったにないので、嬉しいですね。


うたどんさんは、刺繍がとてもお上手な方なのですが、こんなに可愛らしいお手製の帯留をいただきました。聞きにきていただくだけでありがたいのに、プレゼントまでいただいて、お礼の言葉もありません。


着物友達も演奏を聞きに来てくださいました。
やはり着物のお客様がいると、会場の雰囲気もいいですね。
Yさんからは三味線用の収納袋をいただいて、感激しました。


打ち上げはいつもの通り、天ぷら屋さんでした。
ビールがおいしかったです。


次の曲は「鷺娘」という曲に決まりました。
すごく難しそうな曲です。
先生がおっしゃるには、「曲自体がすごくうまくできているので、どんな人が弾いても上手に聞こえる曲」なんだとか?
そんなこと言われるとプレッシャーですね。

3月末はお花見のお誘いや、楽しそうな着物のイベントなども目白押しでしたが、今回はぐっとこらえて、家に引きこもってお稽古をしていました。
他の方の足を引っ張らないように、テンポを合わせることに気を付けて演奏しました。

今はお休みをされている姉弟子さんから「上達したわね」と言われたのが、一番うれしかったですね。

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この日の装い。

大人ピンクの着物が欲しくて、たまたま着物屋さんで大島紬の反物を見つけました。
とてもきれいな色で、手触りも良かったので、パッと見て気にいりました。
ピンクと薄紫の大きなストライプなのですが、薄紫の方を衿の部分にしてもらいました。
ちょうどおさらい会の前日に仕立て上がってきました。


「梅の栄」という曲をメインで弾いたのですが、今の季節に梅の模様の着物や帯はちょっと季節はずれなので、ピンクの着物なら曲のイメージと合うのでは、と思って着てみました。

帯は「梅の栄」に合わせて、「梅屋」さんというお店で買ったものです。

帯締めは定価で買えば2万円くらいしそうな、冠紐。
その新品を、大和の骨董市で2500円で買いました。
これは本当にお得でした。他の色も買えば良かったと思ったくらいです。
裏表の白とピンクの二色が使えるようになっているので、今回はおめでたく、ピンクの面を使用しました。





2015年3月29日日曜日

有吉佐和子 「鬼怒川」

結城紬が好きだという人、結城紬を着てみたいという人、結城紬って何?と思っている人、そういう、すべての人に読んでいただきたいのが、有吉佐和子の「鬼怒川」です。

そして戦争とは何だろう、お国のためとは何だろう、と思わざるを得ない凄い小説です。


「鬼怒川」という川は、昔は「絹川」とも書かれていたそうで、そのほとりは絹織物の産地として有名でした。

その結城に、小さい頃から紬織りの腕が立つ娘がいました。
彼女は極貧の家に育ちましたが、織物だけが取り柄でした。
小説の中には、結城紬の紡ぎ方、織り方の工夫、その特徴などが詳しく書かれています。

その腕のおかげで、彼女は日露戦争の生き残りの勇士である夫のもとに嫁ぐことができました。

そんな彼女の人生を縦糸に、そして戦争という歴史を横糸にして作品は成り立っています。

彼女の夫は日露戦争で傷つき、息子は太平洋戦争で傷つき、そしてまた孫までが過激な学生運動という戦争としか思えない事件で傷つきました。

戦争のむごたらしい経験によって、ある人は毎晩大声を上げてうなされていたり、精神的に堕落してしまったり、性的能力が失われたり、無気力人間となり、夢や希望はすべて捨てられてしまいます。
戦争で犠牲になるのは、常に庶民なのです。

そして人生に落胆した男たちは、結城の「黄金埋蔵伝説」に取りつかれていきます。
しかし彼らはみんな不慮の死を遂げることになります。

明治・大正・そして昭和と時代を追って夫、息子、孫の他にも多くの人が登場しますが、いずれも貧しい人たちばかりです。

彼女の紡いだ結城紬は高価なものとして売れ、人間国宝にまでなります。
ただし彼女も高齢になると、ボケが始まり、実際の織物は彼女の嫁たちが織っていたのでした。
しかしそれを知らないマスコミは、彼女の技能を美談として語り、まつりあげるのでした。
この辺りはマスコミ批判として面白く描かれています。

無学な主人公ですが、「日本国憲法には戦争はしないと書いてある」ということだけは知っていました。
「それなのにどうして戦争(学生運動で火炎瓶が投げれた場面を見て)が起こるんだ?」
という素朴な疑問を投げかけています。

この作品は、1975年、有吉さんが44才の時のものです。

読み終えて、結城紬を作り出す人たちのあまりの厳しい現実に、怒りが湧き、ため息をつきそうになってしまったほど重い小説でした。

おりしも「八紘一宇」などと発言した議員がいたり、自衛隊のことを「わが軍」と言ってしまった首相がいる現代ですが、これまでの戦争でも、そういう言葉で駆り出された多くの庶民がいたということを忘れてはいけないですね。

有吉さんが今生きていらっしゃったら、どんな感想を持つか、知りたいと思うばかりです。







2015年3月27日金曜日

雑誌の付録

女性向けの雑誌には、本の定価よりも高そうな付録が付いていることが多いですね。

その付録につられて、読みたくもない雑誌を買ってしまうこともあります。

今回は、「志ま亀」の名前につられて買ってしまった「婦人画報」3月号▼でした。


この手の雑誌は、あまりに分厚くて重いので図書館でチラチラと見るだけなのですが、今回は買ってしまってほんとに失敗でした。

本の中身は広告ばかりで、記事にはほとんど興味が湧かなかったし、通常の付録の「京都案内」もあまり新味がなかったようでした。


肝心の「手土産トートバッグ」というのも、イマイチかな。
パソコンの画面でパッと見たときはよいと思ったのですが・・・・。
ケーキなどの手土産を入れやすいように底が大きくとってあり、雨に濡れても大丈夫な素材で、よく考えられているとは思いますが、柄が派手すぎて私には似合わないわ。


お茶会のときなど、こういうバッグが役立つ人ももちろんいらっしゃるでしょうが、私の場合、押入れにしまい込んでしまいました。
いつか使えるかしら?

やはり付録につらるとダメね。





「かぐや姫」

今月の新橋演舞場は「かぐや姫」でした。

簡単にいうと、松竹喜劇とスーパー歌舞伎と新派を掛け合わせたようなミュージカル仕立てのお芝居といってよいかしら。
それで「スーパー喜劇」と名付けられていました。


出演者も各方面から出ていました。
松竹喜劇の藤山直美、歌舞伎の市川笑也、市川春猿、新派の水谷八重子、それと歌手の上條恒彦まで出演していたという豪華布陣でした。

お話は昔話の「かぐやひめ」をアレンジしたもの。
竹から生まれたかぐや姫は、5人の求婚者を抑えて、帝の使者と結婚してしまいます。
実は彼は帝の本当の息子でした。
そしてかぐや姫は、彼との間に、男女二人の双子を産みます。
そしてそのうちの女の子だけを連れて月に帰るかぐや姫。
ラストはおじいさんとおばあさんになり、久しぶりに愛を誓い合う二人の姿でした。

終盤には、スーパー歌舞伎のように宙乗りもあって、そのときは空中から直美さんが花咲かじいさんのように花びらを撒いていましたが、その花びらをしっかりと受け取って持ち帰りました。
可愛いハート形をしていましたよ。

かなり大掛かりな舞台装置がありましたが、ちょうど堂本光一の舞台で事故があっ直後だったので、なんだか見ていてハラハラしてしまいました。

それにしても演舞場はおばちゃんたちでいっぱいでした。
(まぁ、私もその一人ですが。)
おばちゃんたちは、よくしゃべり、よく食べ、よく買い物をするので、あっけにとられてしまいます。
日本経済は、彼女たちのパワーによって成り立っているのでしょうね。

買い物といえば、私はお芝居に行っても、普段はお土産などはほとんど買うことがないのですが、今回は幕間が長かったせいか、暇つぶしでお店を見ていたら、こんな皮のブローチを買ってしまいました。


もちろん、帯留めに使うためです。
お値段もリーズナブルでした。

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この日の装い。

夫の職場のパートのおばさんからのいただき物です。
藍色に白の絣模様、それに黄色い縦線が入っています。


「奥さんが着物を着るなら、これを着て貰って」といった感じで、夫が半分、押し付けられたようにして受け取ってきた着物です。

でも、パッと見たら絣模様で、私の趣味ではないのです。
おまけに長いことタンスの奥にしまってあったようで、すごくかび臭いのです。

それでもちょっと羽織ってみたら寸法がぴったり。

ということで半分、仕方なく着てみました。

合う帯がないので、大和の骨董市まで出かけて、1000円で調達してきました。
辛子色に、ちょっと模様が入っています。

それでもなんだか民芸酒場の女将さんみたいなので、アトリエカズさんで買った粘土のブローチを帯留めにして、少しは街着のようにしてみました。

意外と似合ったりして?

「着物を着ている」というと、あちこちから頂き物があるのですが、まさか夫の職場の人からいただくなんて、思いもしませんでした。




2015年3月26日木曜日

「星と輝き 花と咲き 」

最近、急に文楽関係の本を読み出したり、テレビで文楽を見たりするようになったのですが、その関連で面白い小説を読みましたので、ちょっとだけご紹介します。

松井今朝子さんの「星と輝き 花と咲き」というお話です。
これは明治時代に、娘義太夫として一世を風靡した実在の女性・竹本綾之介の若かりし頃を小説に仕立てたもの。


めっぽう面白かったです。

天性の美貌と類まれな美声に恵まれた大阪の女の子が、文楽の世界に足をつっこみ、とんとん拍子で成長して、東京の高座に上がってしまうというお話です。
そして世の中の若い男たちから追っかけをされるという、「元祖アイドル」物語といってもいいかもしれません。
そしてもちろん文中には、彼女がうなり出す文楽の世界も描かれています。

主人公の竹本綾之介を取り巻くのは、ステージママ、マネージャーのような男、ごひいきさん、そして同じような立場の女芸人たち。
そんな中で彼女は振り回されますが、自分を見失わずに、最後には好きな人と添い遂げるという道を選ぶのです。
このあたりは、30年ほど前の山口百恵さんの引退劇を思い出しました。
ただし、綾之介は育児休業後にはまた復活したそうですが。

面白かったのは、当時も「堂摺連(どうするれん)」や「追駆連(おっかけれん)」という追っかけがいたということですね。
彼らは、ステージに上がった綾之介がちょっとでも詰まったりすると、「どうする! どうする!」と掛け声をかけて応援したそうです。
今でもAKBなどの追っかけをする男たちがいるようですが、それって昔からあったとは。
いつの時代も同じだったのですね。

お話が面白く、また松井さんの文章が読みやすいので、ほんとうに一晩で読んでしまいました。

文楽のことをまるで知らない人でも楽しめますよ。







2015年3月25日水曜日

市民歌舞伎

10日ほど前のことになりましたが、地元の市民歌舞伎を鑑賞してきました。

この公演も今年で19回目になるそうで、多くのファンや市の後援、歌舞伎界のスタッフのみなさんに支えながら続いている文化活動です。


今回の出し物は踊りと世話物でした。

踊りは「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) 道行恋苧環(みちゆきおだまき)」。
長い踊りなのに、よく振付を覚えられるものだと感心しました。
このときは、浄瑠璃と三味線は本物の方が生演奏されていました。
さすがに迫力がありました。

お芝居は「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」。
圓朝の落語を元にしたお芝居ですが、長屋暮らしの左官の長兵衛が借金がつもり重なり、それを見かねて娘のお久が廓に身を売ってしまう。娘を取り戻そうと、廓の女将から大金を借りた長兵衛ですが、大川(隅田川)に身を投げようとする文七を助けて、女将から借りた大金を渡してしまう・・・・というお話です。


実はこの市民歌舞伎を指導してらっしゃる中村芝喜松さんには、昨年の秋から市民カレッジでお世話になっていました。
歌舞伎独特の化粧法や所作や殺陣などを、実演つきで教えていただいていましたのです。

こちらのブログ▼は、その時の様子の一部です。

それで今回お芝居はどうしても見たかったのです。

こちらの写真の「講師」のお写真が芝喜松さんです。
(故人のように写っていますが、ご健在の方です。)


ホールには講師のお写真のほか、これまでの舞台の様子がたくさん掲載してありました。

芝喜松さんは中村芝翫(しかん)さんのお弟子さんで、養成所出身の役者さんですが、最近ではその円熟味が評価されているようです。
朝日新聞や東京新聞(山川静夫さん)でも、「芝喜松の演技はとても良い」というような記事が載っていました。
そのような方に指導していただく市民歌舞伎は、幸せですね。
そしてそれを鑑賞できる私たちも、鼻が高いというものです。

こちらは最終講義の時に、以前、歌舞伎界で賞をいただいたときの様子を語っている芝喜松さんです。


立派な表彰状と扇形のメダルを見せていただきました。


嬉しいことに、この市民歌舞伎を4歳のときから見ていた男の子が、中学生になって市民歌舞伎に参加して、そして今度は歌舞伎養成所に入ることになったそうです。
いつの日か、地元出身の役者さんが歌舞伎座の舞台に立つことがあると思うと、期待したいですね。

こちらの後姿は、一緒に市民カレッジを受講していた着物仲間のUさんです。
実はUさんはお隣の市の住民なのですが、それでも熱心に通われていらっしゃいました。


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この日の装い。

高幡不動の骨董市で買った小鼓の小紋です。
むじな菊の地模様なので、秋向きなのでしょうが、三味線演奏会や歌舞伎の時に、着ています。
色が飛んでしまっていますが、ピンク系の着物です。


帯は梅屋さんの黒×金の市松模様の名古屋帯。
ちょっときちんとしたいときに役立つ帯です。



2015年3月24日火曜日

お直し教室 袖丈詰め

立川の「マイサイズにお直し教室」に通うのも、5回目となりました。

「五箇谷」▼さんの店頭に立っているお人形も、春めいた着物でお出迎えしていました。


今回は、今年の1月に開催された「着物交換会」▼でいただいた銘仙の着物の袖丈詰めに挑戦してみました。

この着物は、裄や身幅はちょうどよかったのですが、昔の着物なので、袖丈が53センチくらいあって、そのまま着ると私には長すぎるのです。
それで4センチほど短くすることにしました。

まず袖の後ろの方をほどいて、裏地の方を出します。こんなに真っ赤な裏地です。


そして4センチカットします。
この時は、やはりドキドキしますね。


そして型紙を使って、袖の丸いカーブを作ります。
このように外側に2本縫って、その糸を引っ張って縮めて、ぎゅっと丸くします。


そしてまた縫って、表に返して、ほどいたところを縫い合わせれば出来上がり。

お教室には反物から着物を仕立てる人や、私と同じような初心者の方もいらっしゃいましたが、みなさん、和気あいあいと楽しく作業をしていました。


私は、途中で何回か間違えて縫ってしまったので、やり直しに時間がかかりました。
本来でしたら両方の袖が出来上がってもよかったのですが、少し残ってしまいました。
次回に完成させる予定です。

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この日の装い。

かなり暖かくなったので、デニム着物でした。


帯はろっこやさんのレインフォレスト帯。
ウエストが細く見える効果があるようです。

コートではもう暑いので、羽織で出かけました。
骨董市で300円か500円で買ったものです。








2015年3月23日月曜日

小紋がチュニックに

2013年の秋に京都に行ったとき、リサイクル着物ショップで深緑色のレトロな小紋を3000円で見つけました。
その時は着替えを持たずに出かけていたので、2日目には着てしまいました。
(ホテルの部屋で写したので照明が暗いですね)


その後、2回ほど着たと思うのですが、やはり古い着物なので、布がヨレヨレしていて、ちょっと頼りないのです。
でも色と小花模様が気に入っているので、捨てるには惜しいと思っていました。

そこで着物リメイクの弥弥さん▼に相談したところ、チュニックにしたらどうでしょうということになりました。

その後、弥弥さんは着物をほどき、布を洗って、そして縫っていただき、先日、できあがったという連絡をいただきました。

このような写真も付いていました。
ロールカラーがおしゃれですよね。


それで、昨日、弥弥さんがお店を出している深大寺の「手作り市」▼まで受け取りに行ってきました。


いろいろな手作りのお店が出ていました。

弥弥さんのお店はこちら。
この日はアクシデントがあって、台が崩れてしまったとか?
強風の時には、気をつけてね。


その場で着替えてみましたが、チュニックの丈の長さもちょうどよく、てろんとした布とデザインが合っていると思いました。
着物だと全身を包むので、ちょっと古さが目立つのですが、チュニックだとちょうど良い感じになりました。
帰宅して写したところです。


衿もふんわりとしていて、着物から作ったものとは思えませんね。


うちに誂えた着物の残り布もいろいろあったので、それを弥弥さんにお見せしたところ、その布でバッグを作ろうという話になりました。
こちらのブルーの布は、「しけびき」と言って、細い刷毛で手描きで染めたものです。
まずはこの布で作っていただくことにしました。
着物とお揃いのバッグができるなんて、嬉しいですね。


他の着物に使った八掛の布も余っていたのですが、それは裏地に使用するそうです。
思わぬ展開となり、出来上がりが楽しみです。

この日は、粘土でアクセサリーを作っている「アトリエカズ」▼さんのお店で、帯留めに使うつもりでブローチを買いました。


どれもとても素敵なものだったので、どれにしようかと悩みましたが、あまり色を使っていないメタルっぽい感じのものにしました。


カズさんは、人生の先輩のようにお見受けしましたが、若者に交じってこういう場で才能を発揮されているのはいいな、と思いました。

お天気も良く、手作り市の散策にはぴったりの日曜でした。

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追加情報です。

弥弥さんのブログ▼に、元の着物が載っています。



2015年3月22日日曜日

「邦楽を楽しむ会」@内幸町

もうだいぶ前のことになりますが、「邦楽の世界」を楽しむという演奏会に行ってきました。
無料でいろいろなジャンルの邦楽の演奏が楽しめるのです。


第一部は小唄、端唄
第二部は長唄
第三部は地唄
という構成になっていました。

会場は新橋駅から直通の内幸町ホールです。
ここは千代田区の持ち物なんですね。
さすが、立派です。


内幸町ホールの脇には「樋口一葉 生誕地」という看板が立っていました。
へー!
一葉さんはここで生まれたんですね。
それにしても24歳で亡くなってしまうなんて、惜しいですね。


私は、第一部の終わりの方から聞いたのですが、面白かったのは創作「さるとかに」でした。
これは高橋裕恵さんというお話を朗読する人と、三味線、お琴の3人による掛け合いでしたが、とてもユニークで面白い内容でした。
「さるかに合戦」の話はなんとなく知っていましたが、なるほど、こういうストーリーだったのねと改めて面白く感じました。

会場には、粋な世界のお姉さまたちや、どこかの旦那衆と思われるような方が多くいらっしゃいました。やはり平日の昼間の時間帯に三味線を聞くというのは、普通の会社勤めでは、なかなか無理ですよね。

素晴らしいと思ったのは、プロの三味線に合わせた中学生の太鼓・小鼓の合奏でした。
「勧進帳」を演奏していました。
中学二年生、三年生の男子と女子の5名でしたが、男の子は紋付き袴、女の子は桃割れに着物姿でとても可憐。
三味線ももちろん素晴らしかったですが、子供たちが一生懸命太鼓をたたいていて、本当に素晴らしかったです。
実は「勧進帳」は私も今度のおさらい会で弾くのですが、中学生に負けたな、と思いました。

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この日の装い。

邦楽の演奏会に行くときは、柔らかものを着るようにしています。
今年のラッキーカラーの黄色の色無地。扇の地模様になっています。


帯は東三季で誂えた箔の帯。
もう少し中央を下げて締めた方が良かったですね。

早春らしく、帯揚げと帯締めは淡い黄緑にしました。




2015年3月21日土曜日

「KIMONO RIOT」@原宿

私はどちらかというと、オーソドックスな着物が好きですが、でも平凡なだけではつまらないですよね。それでちょっと現代的なセンスを取り入れたり、新しい感覚の小物を揃えたりして、着物生活を楽しんでいます。

ということで、情報収集と、刺激を受けるため、原宿で開かれているKIMONO RIOT」▼に行ってみました。
ちなみに「RIOT」を調べると、騒動とか大騒ぎとかいうような意味だそうです。

竹下通りは春休みのせいでしょうか、10代の子供たちがウヨウヨしていて、おばあさんはまっすぐ歩くのも大変でした。みんな、クリームたっぷりのクレープを食べながら歩いているので、着物に付きそうで気になりました。

会場はこちらの「ZOOMAN」というところ。


入り口では、中にいる女性たちの楽しそうな声が聞こえてきました。


会場の様子です。
着物の展示販売だけでなくて、小物販売やワークショップも開かれていました。


上の写真の、手前に並んでいるのは七宝焼き「kimito」▼のアクセサリーです。
これを作っている植木さんは、おうちが私の地元と同じだということなので、今度、機会があればギャラリーにも行ってみようと思いました。
とても鮮やかな色が素敵でした。

こちらはめずらしい能面のアクセサリーを作っていた「UDA」▼さん。


本業は能面作りで、お父様は能楽師さんなんだそうです。
どれも同じように見える女性の面でも、髪のほつれ具合によって、若い女性か、そうでないかが分かるのだということも教えていただきました。
能面は角度によって嬉しそうに見えたり、悲しそうに見えたりするから不思議ですよね。
他にも仏像や翁や天狗などいろいろな種類を拝見させてもらいました。
このようにして能を身近に感じてもらい、そして少しでも能の世界に近づいてもらえれば、というお話でした。
帯留が欲しかったのですが、欲しい色が見つからなかったので、またいつか手に入れたいと思いました。

2階ではカリスマ着物着付け師の「ツバキ庵」▼のモリタマミさんが、カラー診断をしていました。
肌に合う色を見つけて、サマータイプとかウインタータイプとかに分けていらっしゃいました。

こちらは、久しぶりにお会いする京都「kaonn」▼の香里さん。
一緒に並んで写してもらいましたが、大型の美女さんはチビの私のために、しゃがんでくださいました。
後ろにある帯揚げ、素敵でした。


こちらの大型美女は、インターナショナルに活動している「ろっこや」▼のろっこさん。


全身を写すと、とこんなに身長が違うのですよ。
背伸びしても、全然届きません。


身長も違いますが、年齢もたぶん、30歳くらい違うと思います。
それでも同じ着物好きとして扱ってくれるのは、嬉しいですね。


今回はお買い物はしませんでしたが、いろいろと目の保養をさせてもらいました。
若い女性たちのパワーはすごいものですね。
自分たちの欲しいものは、自分で作って売ってしまうということでしょうか。

才能と努力と美を兼ね備えた若い美女軍団がこれからも活躍できるよう、期待しましょう。

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この日の装い。

一見デニム着物のようですが、無地の紬です。


去年の世田谷ボロ市▼で見つけました。
まだしつけ糸がついていたのに、寸法もあっていて3000円というお値段だったので、即決で買った着物です。

帯揚げは、先日、人形町のフリマで買ったもの。
柄物の帯揚げが欲しくて買ったものです。
500円でしたが、後でよく見たら、ツモリチサトのブランド品で4900円という値札が付いたままでした。ラッキーでしたね。

帯は京都のお店のお誂え品で、たれ先には私のお誕生日の花ラベンダーをさりげなく描いていただいた、という袋帯です。