2015年4月18日土曜日

樹木医さんと八重桜鑑賞@浜離宮

水上バスというのに乗ってみたいと思っていたのですが、なかなかその機会がありませんでした。

たまたま東京都の広報誌で東京水辺ラインというところが、ミニクルーズを募集していて、だめもとで応募してみたら、当選してしまいました。

そこで「ミニクルーズ・樹木医と歩くサトザクラ咲く浜離宮恩賜庭園」▼というコースに参加することにしました。

ミニクルーズはちょっと後回しにして、まずは桜コースのご紹介。

こちらは、タイトルにもあるように、樹木医の先生が引率して、浜離宮庭園を巡るといいうものでした。
先生は、街路樹の研究が専門で、長年にわたり、都内の公園(水元公園など)の管理や設計を手掛けていらっしゃった方でした。

浜離宮は、八重桜が満開でした。
ソメイヨシノもきれいですが、八重桜もぼってりとしていて、近くで見るととてもかわいらしいのです。


ちなみに「八重桜」という名前の桜はなくて、2枚以上の花びらを持つ桜の総称です。
それぞれに名前が付けられています。

先生の説明によると、現在、日本には100種類くらいの桜があるそうです。
そのオリジナルは10種類で、それらを人工的に交配して、どんどん新しい品種が増えていくのだとか。

日本人の好きなお花見の桜であるソメイヨシノについては、いろいろと研究がされているそうですが、オオシマサクラと山桜とエドヒガンの3種類が掛け合わされたものということです。

千葉大学で植物の遺伝子研究をされている中村先生という方の説では、上野公園にある1本の原木が接ぎ木などによって広まったので、DNAはみな同じだということでした。桜はクローンであるといことだそうです。その写真を見せていただきましたが、直径一メートルほどの桜でした。
先日、上野に行ったとき▼、この桜を見ておけばよかったと、ちょっと後悔しました。

では、八重桜のご紹介です。

関山(かんざん)という名前の桜。
濃い目のピンクで、水のある風景と良く似合っていました。


御衣黄(ギョイコウ)
花びらが緑で、葉っぱとの違いが分からないほど緑色の桜でした。


鬱金桜(ウコンサクラ)
黄色の花でした。
写真では分かりにくいのですが、とても美しい色でした。


一葉(いちよう)
あちこちで見かけるタイプですが、白っぽくて上品な感じでした。
「一葉」の説明をされましたが、ちょっと聞き洩らしました。


普賢象(フゲンゾウ)
めしべが二本あるのが特徴だそうです。
このめしべの形が、普賢菩薩が乗る象の形に似ているので、この名前が付いたそうです。ややこしいですね。
つぼみを見ると、桜はバラ科の花だということがよく分かりました。


駿河台匂(スルガダイニオイ)
花びらの先が割れているのが、特徴だそうです。
匂いをかいでみましたが、あまりよく分かりませんでした。


他にもいろいろな種類の八重桜が満開でしたが、どれがどれだか頭が混乱してしまうほど、種類がありました。
一番記憶に残ったのは、桜餅の葉っぱに使うのは、オオシマサクラだということ。
白くてかわいいお花が咲いていました。

*****

樹木医の先生からはいろいろと教えていただきました。

今回は25名くらい参加者がいたので、こんなふうにして説明を受けています。
各自、美術館などで使用されるイヤホンを耳に付けて、先生のお声を聞くというスタイルでした。
これだと離れていても、説明の声が聞こえるのでいいですね。


こちらが資料と、ガイド用のイヤホンです。


先生は歴史や雑学にも詳しい方で、日本で花見が始まったのは、上野の寛永寺が最初だということでした。
時の三代将軍・家光が桜を植えるように命令して、それから江戸っ子も桜を愛でるようになったのだとか。
その時に植えたのは、ヨシノサクラという山桜だったそうです。

それから100年ほど経ったとき、八代将軍吉宗の時代に、王子の飛鳥山や品川の御殿山、隅田川、玉川上水などに多くの山桜が植えられたそうです。

また先生の専門である、樹木の保護や役割についてもいろいろと教えていただきました。

たとえば桜の木は、根っこが表面に出ているほうが、木のためには良いそうです。
深く植えて、土からすぐに木が見えている状態は、栄養の面からあまりよくないのだとか。

また、樹木の剪定時期は注意しないと、翌年、花が咲かなくなってしまうということでした。
ただ切ればよい、ということではないのですね。

こちらはベッコウダケというキノコが根っこについてしまって、駄目になった桜を伐採した後の姿です。
そのままにしておくと、強風で桜が倒れてしまうこともあるのだとか。
真ん中にぽっかり穴があいていました。


先生のお話もためになりましたが、でも説明が長くて、ちょっと疲れました。
ただ花を見ているだけで十分でしたが。

八重桜を背景にしたところを写してもらいました。


途中、空が真っ黒になり、雨が降りそうになりました。


おまけは松です。
松の木は、おしべとめしべが離れていて、風でおしべがめしべのところに飛ばされると、そこに松ぼっくりができるのだそうです。
そんなこと、考えてみたこともありませんでしたが、こんど松ぼっくりを見かけたときには、よく見ることにしましょう。


こちらはお茶室の前のつつじ。
5月になったら満開に咲くでしょうね。


藤棚のフジもつぼみが膨らみ、開花の準備ができていたようです。

園内には外国人の姿がとても多かったですね。
いろいろな国の方が桜を楽しんでいたようです。

浜離宮は、江戸時代には将軍が船でやってきたところですが、私たちも今回は将軍のように船で乗り付けて、桜を楽しみました。
昔の庶民には夢のようなことだったでしょうね。


私も可愛い八重桜を堪能しましたが、雨女としては、見終わるまでは雨に濡れなかったのが一番でした。



2 件のコメント:

カンカン さんのコメント...

東京都の広報で以前にも堀を船で回る
江戸を訪ねる小さなクルーズを
募集していて、いいなーと思ったことが
ありました。
自由な時間があればこういうことも応募できますね。
以前浜離宮から浅草まで船に乗って
お花見したことがあって楽しかったことを
思い出しました。
ガイド付きでラッキーでしたね。

おおしまとしこ さんのコメント...

カンカン、私の知人はその堀をめぐるツアーの船に乗ったみたいですよ。
カンカンは反対に浜離宮から浅草まで乗ったのね。
水の上から見ると、隅田川の岸もきれいになったと思いますね。
こういうガイド付きもいいけれど、私は団体行動があまり好きでないので、途中でお別れして、後は一人で見物してきました。