2015年4月29日水曜日

和裁の仕立てライブ@国立

和裁士のUさんから、「仕立ての実演ライブがあるのでどうぞお越しください」というお誘いを受けました。

Uさんは「ツヅクキモノ」▼という仕立てのユニットを組んで、あちこちで和裁を教えたり、和小物を販売されたり、いろいろとイベント活動をされていらっしゃる方です。
私はたまたま、巣鴨で開かれていた着物や小物の販売会で帯留のワークショップ▼でお目にかかり、ユニークな活動をされているのだなと思っていました。

それで先日、国立のビブリオ▼という民家ギャラリーまで、仕立てのライブに行ってみることにしました。
ひとりで見学するのはもったいないので、「お直し教室」に一緒に参加しているkimono熱さん▼を誘って出かけました。

こちらがビブリオです。
ちょっと前の普通の一軒家をギャラリーに改造してありました。


ここの和室で仕立ての実演が始まりました。

まず最初は道具の紹介から。
ものさし(くじら尺)は2尺差しと1尺差し、合計3本が手元に用意されていました。
写真の右上は、「こて」です。電気で温めるお釜に入れておき、使うときは取り出して使用します。
写真の右下は、霧吹きですが、普通に市販されているものだと、霧の粒子が大きくて、シミができてしまうので、左のような圧力を加えて使用するものの方が細かい霧が出て良いそうです。


この後は、和服を仕立てるときの反物の扱い方を教えていただきました。
まずぐるぐる巻いてある反物を広げて、色あせや傷の有無やなどを丁寧に調べます。

下の写真は反物の縮小版で紹介していただきましたが、身ごろや袖、おくみなどに当たるところの絵柄などを確かめます。


こちらは、そのミニ反物を仕上げた様子です。
着物は、洋服を裁断するときとは異なり、丸く切ったりすることがないので、生地を無駄なく使えます。とても合理的に使われているのが分かります。


こちらは、ライブの司会進行役の「物語屋」さん▼です。
私たちと同じような素人の立場から、和裁士のお仕事を分かりやすく説明してくれました。


いよいよ実演です。
仕立てのポーズは、関東風と関西風があり、関東風は男仕立てといって、足を上げてそこに布をはさんで縫い上げます。ちなみに関西風は女仕立てといって、普通に座って縫う方法です。


Uさんは仕立ての実演に入ると、それまでのにこやかなお顔からは一変して、プロの仕立て人の顔に変化しました。
二枚の布をきっちりと合わせ、針に糸を通し、ものすごいスピードで縫い上げて行きました。
カッカッカとまるで機関車の走るような音を出しながら、左右の手を上下にあげおろしして、運針をしていました。
そして「こて」でしっかりとキセをきかせ、またお袖の丸みをつけるところは、丁寧に形を作っていました。

目の前で繰り広げられるシーンは、これまでの「お裁縫」のイメージとはまるで違っていて、ミシンよりも早く正確に縫っているような感じでした。


和裁士さんが縫っている間は、物語屋さんが弾き語りをして、着物にまつわる物語を語ってくれました。
着物については、誰でもがひとつは懐かしい思い出があると思うのですが、物語屋さんの語る落ち着いた柔らかいお声が、ピーンと張りつめた作業の空間を暖かく満たしてくれました。


さて、七五三の女の子の着物が出来上がりました。
「やったね」という表情をされていますね。


ライブが終わってゆっくりとされると、Uさんの表情も穏やかな女性の顔になりました。

そして参加者からの質問を受けました。
たとえば、待ち針を使わずに普通の針を使うのはどうしてか、右手で針を持ち左手で糸を通すのは何故か、などという質問にも答えていただきました。

参加者はかなり年配の方から、10代後半くらいの若い方まで色とりどりでしたが、みなさん、それぞれに和裁には思いがこもっているようで、とても充実したよいライブだったと思います。
素敵な空間で、豊かな時間を過ごすことができました。

私自身は運針も苦手、仕立てなどまるで分からない素人ですが、それでも昔、母が近所の人や親戚のために仕立てやお直しをしていたところを見ていたので、とても懐かしい感じがしました。
実家には、仕立て台やこて、色とりどりのきれいな糸があったことも思い出しました。


kimono熱さんには、物語屋さんとも一緒の写真を撮ってもらいましたが、こちらの写真は私が眠った顔をしているので、ちょっと小さ目に。


ツヅクキモノでは、あちこちで仕立てのイベントや子供向きの運針教室なども開いているそうですので、是非、この目で確かめていただくことをお勧めします。

「手仕事」のすごさに感動すること、請け合いですよ。

*ブログ公開後に、一部、加筆修正いたしました。



4 件のコメント:

よーでる さんのコメント...

この男仕立てって、一度テレビで見たことがあります。
スゴい技術ですよね!!
体も柔らかくないと足がつっちゃいそうですし。
見ている間に一枚仕上げてしまうなんてプロは凄いですね。

としちゃん さんのコメント...

よーでるさん、私も足に挟んで縫うということは話では聞いていましたが、実際に目の前に急に足がパッと出たときは、びっくりしました。
とにかくすごいスピードで、マシンガンのような感じでしたね。
それと糸をしごくのがきちっとしていて、本当にすごい技でした。
着物のお仕立て代が高い、というのも分かった気になりました。

kimono熱 さんのコメント...

としちゃん、お誘いいただきありがとうございました♪とても良いタイミングと場所で、すごくいいものを見られてよかったです。最近和裁のまねっこをしている身としては、プロの手技は衝撃的でした。物語とのコラボもとてもいい空間でした。記事がまだ書けてないのですが、またリンクさせてくださいね(としちゃんも説明はすばらしい♡)。

としちゃん さんのコメント...

kimono熱さん、和裁士さんからお誘いをいただいたとき、ひとりで見るのはもったいないと思い、ご連絡させていただきました。
この感動をkimono熱さんと共有できて、嬉しいわ。
見たことのない人には、あの縫っている姿を、うまく伝えられませんものね。
ほんとうに衝撃的でした。