2015年4月8日水曜日

桜色着物で桜の見納め 2 ~谷中墓地~

先日、上野から日暮里にかけてお花見散歩をしてきました。

日暮里の天王寺の桜▼も見事でしたが、今回のブログは谷中墓地の桜です。

上野と日暮里をつなぐ道に、見事な桜並木がありました。


谷中墓地の正式名は「谷中霊園」という都立の霊園です。
ここには約7000のお墓があるそうです。

私の父はこのあたりで生まれ育ったので、昔話をすると、「小さい頃はいつも谷中の墓地で遊んでいた」とよく話していました。
父は大正9年生まれでしたので、昭和の初めころは、きっとここでチャンバラごっこや鬼ごっこをして遊びまわっていたのだろうと思いました。

墓地の中にも、あちこちに立派な桜の樹木がありました。こんなにたくさん、桜があるとは知りませんでした。

桜の写真を撮るつもりでしたが、桜の見事さに見とれて歩いていたので、後でチェックしたら全然写していないことに気づきました。

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谷中墓地は、天王寺の墓地と寛永寺の墓地も含まれていて、寛永寺の敷地のほうには徳川最後の将軍慶喜のお墓もありました。

ここは特別に塀で囲ってあり、一般の人は中には入れません。
扉には葵のご紋章がついていました。


徳川家のお墓は、増上寺にありますが、慶喜だけは寛永寺にあります。
それは他の将軍は仏教のお墓なのですが、慶喜は神道のお墓なのでこちらにあると、ボランティアの人が説明していました。

奥の方に墓石が見えますが、形もころんと丸くて、いわゆるお墓の形とは違っていました。

ここには慶喜と正妻、側室、その子供たちが眠っているそうです。

そういえば、林真理子の小説「正妻」で、美賀子さんと側室たちの確執が描かれていたことを思い出しましたが、お墓は仲良く同じところに入っているのですね。

林真理子の「正妻」▼

墓地と、その向こう側に見えるスカイツリーが妙に似合っていました。
すっきりとした形は、悪くはないようです。
江戸っ子気質が受け続けられているような感じもしました。


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この日の装い。


桜色と、薄紫の太い縞の大島です。
とても柔らかくて、軽いのですが、どういうわけか、着用後にしわが出て、なかなか取れないのです。

帯は、焦げ茶の袋帯。
「桶絞り(おけしぼり)」という方法の絞りだそうです。


こちらは呉服屋さんでやっていた桶絞りの実演写真です。
右下に見える赤い丸いものが桶です。


この方は桶絞りの名人。

桶絞りの方法を教えていただきました。

染めたい部分と染めたくない部分には、糸を縫い、それをぎゅーっと絞ります。
その布を、このような漬物を入れるような大きさの木の桶に布を入れます。
染めたい部分を外に出して、染めたくない部分を桶の中に入れます。
そして桶ごと染める液につけます。
すると桶の中に入った部分だけは色がつかないという方法だということです。

この帯も軽くてよいのですが、とにかく長くて長くて、身体に巻き付けるだけでも大変です。
それで、手先の方を少し重ねて縫ってしまいました。

こちらの時▼は、まだ長いままなので、柄出しがうまく行かなかったお太鼓です。

こういうことは反則技なのでしょうが、あまり分厚くない生地なので、重ねても着用に問題はありませんでした。

(この項、続きます。)


4 件のコメント:

マサ さんのコメント...

桜色の着物が、桜の時期にぴったりで、とてもお洒落ですね。
こげ茶色の帯がよく映えます。

桜と言えば、D大を通り抜けするとき構内の桜が毎年目を楽しませてくれるのですが、今年は花の勢いが衰えている気がしました。
木も歳をとって元気がなくなってきているのかしらね。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、私も今年は大学の桜はしょぼいのではないかと思っていましたよ。
それと体育館を建て直したので、あのあたりの樹木はなくなってしまったのかしら?
敷地内はいつも工事中だから、樹木にとっては良い影響はないでしょうね。

着物、褒めていただいてありがとうございます。桜に間に合ってよかったと思っています。

ツヤ子 さんのコメント...

春らしい綺麗な色の大島!すてき!
春の空気をよけいに明るくするようないい色ー!
としちゃんはいろんなタイプの着物を上手に着こなしてて本当おしゃれねー!

おおしまとしこ さんのコメント...

ツヤ子さん、コメントありがとう。
きれいな色の大島を探していたの。たまたま出会って、パッと決めました。でもストライプの出し方が難しいわね。衿のところもピンクにした方が良かったかなと反省。下手をすると、長じゅばんっぽいのです。
私もツヤ子さんの着物の選び方、大好きなのよ。いつも眺めていますが、婦人部の肉食生活には付いていけないわ~。