2015年9月30日水曜日

今度のお直し

昨日は、また立川の五箇谷さんのお直し教室に行ってきました。


ドアには、いつも五箇谷さんの素敵な絵手紙が飾られています。


今度のお直しは、身幅詰めです。
前にも身幅が広い単衣を直したことがあるのですが、直し方がうろ覚えだったので、もう一度やってみることにしました。

今回、直したい着物は、一昨年に買った麻の夏着物です。
水色と値段が気に入って買ったものです。
身丈と裄がちょうどよかったので、細かい寸法はあまり考えずに買ってしまいましたが、身幅が広すぎて着にくい着物でした。
それで夏でもあまり登場しなかったのです。
これではもったいないと思い、身幅を狭めることにしました。


この着物は、どういうわけか、前幅はそれほど広くはなく、後ろ幅だけが広すぎたのです。
でも両方同じ分量だけ狭くしたほう簡単なので、前後とも両脇で2センチずつ詰めることにしました。それで合計8センチ狭まることになります。

お直しの手順を忘れないように書いておきます。

◆脇のラインの縫い代のくけ糸、裾のくけ糸をほどく。

◆狭く詰めたいところにチャコで印をつける。

◆印の上を普通に縫う。

◆一度縫ったところの5ミリほど内側をもう一度縫う。
 その時の縫い目は大きくて構わない。

◆元の縫い目をほどく。

◆両端の縫い代の部分をくけ直す。

◆裾をくけ直す。

これで出来上がりです。
とても縫いやすい布でしたので、助かりました。
もう一人でもできそうですよ。

今回は、ご主人の来年用の浴衣を縫っている方、きれいな長じゅばんを縫っている方と、私の3人でしたので、ゆったりと作業ができました。

先生とのおしゃべりも楽しく、基本的なことを教えていただきながら、半分出来上がりました。
残りの半分は家でやってみるつもりです。

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この日の装い。

遠州木綿の着物です。
3000円の反物を買って仕立ててもらったのですが、生地がさらさらとしていて、とても気持ちの良い着物です。


帯は、染め帯。
長すぎたので、自分で適当に手先を短くしてあります。

海外土産のアンモナイトを、川越のTさんに加工してもらい、帯留にしています。
帯のお花の色とマッチしていたようでした。




 

2015年9月29日火曜日

旧友と「もくれんげ」へ

昨日は、おさらい会も終わってほっとしたので、高田馬場にある民家ギャラリーの「もくれんげ」にお邪魔してきました。


というのも、ここは今後は貸しギャラリーとしては使用されないそうで、お別れの気持ちで行ってきました。
これまで何回もお世話になった場所です。


最後なので、この民家の近くに住んでいる旧友を誘って行ってきました。

彼女とは高校1年の時からの付き合いなので、もう半世紀以上になります。
布や織物に興味がある人なので、きっと喜んでもらえると思って誘ってみました。
たまたまお仕事が休みのお嬢さんも一緒でしたが、小さい時から知っているので、成長した姿に会えてうれしかったですね。

最終回は、「彼方の手 此方の手」▼という展示会でした。
Kocari▼さんの、インドで集めた素敵な布がたくさんありました。

玄関に飾られていた鮮やかな大きな布と一緒に写してもらいました。


こちらは総手刺繍のカシミアのショール。
ものすごく細かい模様で、気が遠くなるほどの時間をかけて作られたものでしょう。


友人が羽織ってみたところです。
かなり気に入っていたようでしたが、15万円というお値段だったので、おいそれと買うことはできませんね。


こちらは黒の無地に、白の手刺繍を加えたショールです。
軽くて使いやすそうでした。


左にいらっしゃるのは、Kocariのマダム。
何回もインドへ買い付けにいらっしゃっている行動派の方です。


お隣の部屋ではアフリカやアジアなどで集めた布や道具を扱っている「FUCHISO」というお店のものが展示されていました。
日本のこぎん刺繍のような布もあり、こういう手仕事は世界共通なのだなと思いました。


ちょうどお昼になったので、居間でランチをいただくことにしました。
お庭に咲いていた赤い実が可愛いですね。
友人はこの八角形の小鉢をおみやげにしていました。


「ヤスダ屋」というお店のランチでした。

私はオーガニック野菜たっぷりのカレー。


友人はちょっと風変わりなアジアンテイストのランチでした。
セイロに入った蒸し物がおいしそうでした。
「手仕事プレート」という名前がついていました。


昭和テイストたっぷりの「もくれんげ」の最後のイベントに立ち会うことができて、ラッキーでした。

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この日の装い。

KIMONO MODERN▼の木綿と麻のだんだら模様の着物です。


帯は着物交換会で、どなたかからただでいただいたもの。
Kocariさんの布となんとなく雰囲気が合うような気がして、締めてみました。

広島のスタジオMさんのサンゴの帯留がポイントです。





2015年9月28日月曜日

三味線ゆかた会終了!

今年のゆかた会がようやく終了しました。

前回の3月のおさらい会の後から、難曲の「鷺娘」を教えていただいていましたが、半年後に何とかできあがり、みなさまの前で弾かせていただきました。
お稽古の時はうまくできたところができなかったりしましたが、それでも先生のリードのおかげで弾くことができました。

お唄の先生は90歳の長老の先生、80~75歳くらいの先生がお二人と、3人もいらっしゃって、見事なお声を聴かせていただきました。
歩くのもおぼつかないようなご老体なのに、唄うときにはピンとされるのは、さすがですね。

それでも唄と三味線を合わせたのは、ぶっつけ本番だったので、ちょっと合わないところもあったかもしれませんが、それは目をつぶってもらいましょう。

お友達が、弾いているところを、写してくださいました。


こちらは演奏後にリラックスしているところ。
着物友達のUさんと、ご近所のブログ仲間のMさんです。


演奏者もお客様も椅子席なので、足がしびれるということはないとは思うのですが、それでも1曲20分もかかる長い曲を聴いていただくのは、申し訳ないような・・・・。

こちらは、ご自分で寸法を直した絣の着物姿のK子さんと。


今回はお客様と一緒に「青春時代」を合唱しました。
みなさんにとっても懐かしい歌なので、大きなお声で唄っていらっしゃったようです。
でも、洋楽を弾くのは意外と難しいのですよ。

終了後はいつもの天ぷら屋さんで打ち上げ。
のどが渇いていたので、ビールがおいしかったですよ。


この日は、鱧と松茸のお吸い物付きでした。
良い香りがしました。


外に出たら、ビルの上に中秋の名月がくっきりと見えました。
スマホで写したのでボケていますが、とてもきれいでした。


こちらは忙しいところ駆けてくださったK子さんからいただいたブーケ。
どうもありがとうございました。


今度は「花見踊」に挑戦します。
うまく弾けるでしょうか。

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この日の装い。
「ゆかた会」なので、浴衣が原則です。

これはネット通販の「雅星」で買ったもの。
マネキンが着ていたところは良かったのですが、私が着ると、なんだかダサくなりました。


本来は、この季節に浴衣というのは遅いので、それであまり白っぽい浴衣は避けて、紅葉の模様にしてみました。

でも浴衣は生地が詰まっているので、弾いていると暑くて暑くてたまりませんでした。

すぐに洗ってしまいました。



2015年9月27日日曜日

きものバスケット

昨日は、川崎の古町家ギャラリー「ゆう」の「きものバスケット」▼に行ってきました。


割と早く出かけたのですが、玄関にはこんなにたくさんの履物が並んでいました。


中に入ると、デパートのバーゲン会場のような熱気がムンムン。
着物好きな女子でいっぱいでした。
皆さん、楽しそうにリサイクル着物や帯、半襟、和小物などを探していました。


この日の私のお目当ては、こちらの羊のブローチ。

というのも、ひつじ年生まれの孫娘のために、なにか羊グッズが欲しかったのです。
コヤナギアイコさん▼がちょうど羊のアクセサリーを作っていたので、それを買いに出かけたのです。

粘土でできている可愛い羊ちゃんです。
ちょいと、おすまし顔。


もうちょっと色の濃いパターンもありましたが、赤ちゃんならソフトな色の方がいいかと思ってこちらにしました。

これはバレッタにも使えるようになっていましたが、孫娘の髪の毛が揃うのはまだ1年くらい後のことでしょう。
ベビーカーにでも付けてもらえたらいいなと思っています。

コヤナギさんは、もともとはお人形を作っていらっしゃる方ですが、着物好きということで、ユニークな帯留や和小物も作っていらっしゃいます。


羊ちゃんのアクセサリーは喜んでくれるでしょうか。

上の男の子はウサギ年、下の女の子はひつじ年という組み合わせは、ちょっと可愛らしいですね。




2015年9月26日土曜日

「千両花嫁 とびきり屋見立て帖」

山本兼一さんの小説が好きですなのですが、どれも割と重いテーマで分厚いものが多いのです。
でも、こちらの「千両花嫁」は読み切り形式の中編を集めたものなので、中身も気楽に読める時代小説です。


しかし、さすがに山本さん、単なる作り物の時代小説とは異なり、そこには近藤勇や土方歳三や芹沢鴨などの新撰組、坂本龍馬、勝海舟などの実在の人物も登場していて、非常に楽しめる本です。

主人公は京都三条に道具屋を新しく出した真之介と新婚の花嫁ゆずさんの二人。
彼らは老舗の道具屋の番頭とお嬢さんだったのですが、二人で手に手を取って駆け落ちしたという間柄。
ということで両親の承諾を得ていません。

そんな二人がいろんな事件に立ち会って、機転をきかせ、お得意の「見立て」をしながら事件を解決していくという痛快なストーリーです。

道具屋なのでそこに登場するのは由緒ある絵画やお茶の道具など。
本物もあるし、贋作もあり。
それらのうんちくも味あわせていただきながら、お話は進んでいきます。

山本さんの博識ぶりが満載でした。

若くしてお亡くなりになってしまい、本当に惜しかったですね。
時代小説の入門としてもおススメです。

「とびきり屋」は、シリーズになっているようなので、続きも是非、読んでみたいものです。


2015年9月25日金曜日

「利休遺偈」

「利休遺偈」は、この前読んだ井ノ部康之(いのぶやすゆき)さんの「利休再興」▼に続く「利休」シリーズものです。

タイトルの「遺偈」は「ゆいげ」と読むんだそうです。


そんな難しい言葉、初めて知りましたが、お茶をされる方にとっては大切なもののようです。
簡単に言うと、利休が切腹した時に残した辞世の句を書いた遺言のようなもの。

人生七十     じんせいしちじゅう
力□希咄     りきいきとつ
吾這寶剱     わがこのほうけん 
祖仏共殺     そぶつともにころす
提ル我得具足  ひっさぐるわがえぐそく
一太刀       ひとつたち
今此時そ天に抛       いまこのときぞてんになげうつ
天正十九仲春二五日 
利休宗易居士

という内容です。

そんな大切なお宝なのに、ある時、行方不明になってしまって、仕方なく代用品を使用していましたが、表千家の7代目如心斎がそれを探し出すまでの物語です。
いったいどこへ行ってしまったのか、彼は執念深く追い求めます。

遺偈は、結局、江戸の豪商・冬木家(あの尾形光琳が小袖を描いたという家だと思いますが)に保管されていたのですが、それを取り戻すまでの家元の苦難が描かれています。

シンプルなお話なのですが、取り返すまでのいきさつのあれこれもあり、また表千家・裏千家の家族の物語としても読めて、面白い小説でした。

この7代目という人は、いろいろと茶道のやり方を変えた人でもあったようです。
つまり茶道にあまりに人気が出てきて、誰もかれもが茶道に興味を持ったとき、今まで通りの教え方やお稽古の仕方では間に合わなくなり、新しい方法を考え出した人でもあります。

茶道をされている方には、常識になっている話かもしれませんが、私はこういう裏話は好きです。

それにしても、家元って大変なんだなぁと思わざるを得ませんでした。



2015年9月24日木曜日

連休もお稽古

昨日まで、世の中はシルバーウィークということでしたが、私は連休の間も三味線のお稽古でした。

いつものお稽古は先生と1対1なのですが、おさらい会が近いので、このところは全員揃ってのお稽古です。
みんなで演奏をするのは、楽しいですね。
多少間違えても、それほど目立たないので、割と気楽に弾けます。

でも自分がタテをする曲は、ほんとに疲れます。
今度弾く「鷺娘」はカットしても19分30秒ほどの長い曲なので、終わるとどっと疲れます。

お稽古の時は、いつもはジーンズ姿ですが、おさらい会が近づくと着物で出かけています。
と言っても、気楽な木綿着物ですが。

こちらはピンクにブルーや茶色や緑などが入ったストライプの着物。
遠州木綿です。
この着物を着るときは、この黒の幾何学模様の帯が定番になっています。


とても着やすいので、同じお店(ネット通販ですが)で、次はこちらの着物を作りました。

黄色に緑などのストライプが入った同じく遠州木綿の着物。
黄色は似合わないと思っていたのですが、意外とマッチしたようでした。


帯はたんすやさんのワゴンで1000円で買ったもの。
短くて軽くて、私には締めやすい帯です。
上から写したので、お太鼓が小さめに見えますね。


三味線は弾くときに右の腕を太鼓の部分に乗せて弾くのですが、着物だとうまく袖がめくれて弾きやすいので、実は着物の方が楽なのです。


2015年9月23日水曜日

都心にお出かけ

昨日は都心にお出かけしました。

最初は新橋演舞場。
招待券が2枚あったので、久しぶりに夫と出かけてきました。


松竹新喜劇でした。

昼の部は出し物が3つあったのですが、最初の二つが同じような内容のお芝居だったので、最後の一つは見ないで帰ってしまいました。
どちらのお芝居も親兄弟のすれ違いがあって、その後、家族仲良くうまくまとまったという内容でしたが、どうして同じような出し物にするのか、不思議です。
一つは時代物とか、恋愛ものとかにすれば良いのに、と思いました。

それと水谷八重子が本家帰り(還暦)のお祝いという役をしていましたが、今の60歳はあんなふうに赤い帽子に赤いちゃんちゃんこなんて着ていませんよ。あまりにおばあさんぽく描かれていて、ちょっと残念でしたね。

その後は、日本橋三越へ。
「日本伝統工芸展」を見てきました。


休日のためか、ものすごい人出でびっくり。
染色のところをざーっと眺めてきただけでした。
お皿や花器なども見たかったのですが、あまりに人が多くて、疲れました。


染織は、さすがに素敵な作品がありましたが、でも「着てみたいか?」と聞かれると、うーん、どうかな、というようでしたね。
どちらかというと優等生的で真面目な感じのものが多かったように思いました。
私などは感想を述べる立場ではありませんが、もう少し斬新で、人を引き付けるようなものがあってもいいのかしら、とちらっと思いました。


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この日の装い。

都心に行くので、久しぶりの柔らか着物にしました。
三重織というもので、織り方によって竹の模様が浮き出ている着物です。
このところ、木綿や紬ばかりを気楽に着ていたので、着るのが難しかったですね。


帯は和紙でできている帯を、初めて下ろしました。

オシャレしたので、半襟も高木法子さんの紫色の染の半襟にしました。


2015年9月22日火曜日

写真のない「敬老の日」

昨日は「敬老の日」、ということで母のいるホームに出かけてきました。

現在、日本には65歳以上の高齢者と呼ばれる人は、人口の27パーセント近くもいるのだとか。
そういう私も、その中の一人ですが。

母は、もう欲しいものは何もなさそうですが、「手づくり市」で買った「アトリエカズ」さん▼の石粉粘土のアクセサリーを持っていきました。
木の実がリボンのように揺れているブローチです。


そのブローチを、母のお気に入りの手押し車に付けてあげました。

そして母と一緒のところを、ホームのスタッフの方が写真に写してくれました。

私のスマホでも写していただこうと思ったところ、急に「あれ、写らないですよ」と言われ、スマホを見てみると画面が真っ暗になっていて、シャッターを押しても何の反応もありませんでした。

あれっ!
そのままだと困るので、写真は諦めて、急いでAUに駆け付けました。

お店の親切なお兄さんが、「強制終了をしてみましょう」と言って、ずーっと長押ししていました。
すると、あら不思議、ちゃんと元に戻ってカメラ機能も正常になりました。

お兄さんに言わせると、12秒以上の長押しをすると、いろんな不具合が直ることがあるのだとか。

それでもまた同じ状況になってしまうと心配なので、今度は窓口のお姉さんに相談しました。
あれこれ見積もってもらうと、今後、買い替えた場合、同じ機種だと毎月の支払いが1万円近くになるのだそうです。
それって高いですよね!
私の場合、電話はほとんど使わないし、音楽やゲームも関心がないので、メールとネットができればいいだけなのに。

今のところ、カメラは直りましたが、もう3年近く同じスマホを使用しているようなので、これからのこともちょっと気になります。

母の写真は、またの機会に写しに行くことにしましょう。



2015年9月21日月曜日

「炎天の雪」上・下

江戸時代の男女の愛情の機微を描かせたら一流、と太鼓判を押せる諸田玲子さんの「炎天の雪」のご紹介です。


昔、江戸時代に「加賀騒動」という事件があったということは、何となく知ってはいましたが、どんな騒動だったかはよく知りませんでした。
「炎天の雪」はその加賀騒動に発端しているお話でした。

また当時は、ある家に罪を犯した人間がいると、その配偶者、親兄弟、そして親族までが罪に問われた時代がありました。

この「炎天の雪」は江戸時代に金沢に実際に起きた事件と、そして一族を滅ぼすまでの無残なできごとを底流に描かれた長編小説です。

それにしてもあまりに登場人物が多すぎて面食らいました。

初めは細工職人白銀屋与左衛門とその妻・多美の駆け落ちの話だと思っていたのですが、次々にいろいろな人が登場します。
一人息子の当吉、多美の兄、多美と同じ名前のたみ、細工親方の源左衛門、鳥屋佐七、小笠原文次郎、冨蔵爺さん、隣家の娘ちよ、大槻伝蔵の一族である真如院、利和、猪三郎、七之助、実成院・・・・。

あまりにいろいろな人が登場して、そして無残な死に方をします。

いったいこれは何の話なんだろうと思っていると、最初に書いたように、加賀騒動に端を発した一族がみんな罪を負って死んでいくという話なのでした。

そして物語はそれだけに終わらず、当時の金沢の苦しい様子がこれでもかと書かれています。
大火事や凶作が続き、物価が沸騰、貧しい人が増えて行き、武士も困窮していきます。

そんな時代では、飾り職人の腕を振るう場もなくなり、結局、腕の良かった与左衛門は悪の道に入ってしまい、鍵を開ける作業や、偽物つくりに手を染めて、そして大泥棒へと身を持ち崩してしまいます。

この小説は初めは北國新聞朝刊に掲載されていたものです。
作者は、きっと何回も金沢や能登半島に足を運び、町の様子を調べて書き上げたのだろうと思います。
またのんびりとした口調の金沢弁(?)もよく描かれていて、地方色が出ていると思いました。

そして何より、当時の罪びとに対する拷問の様子も、これでもかというほど微に入り細に入り描かれていて、臨場感が出ていました。

諸田ファンとしてこの本を手に取りましたが、上巻のうちはなんだかまとまりのつかないお話だと思いました。
でも下巻は一気に読ませるだけの迫力がありました。

博打と遊女におぼれてゆく与左衛門。
息子だけはまっとうな人間に育ってほしいと武士の家に奉公に出し、夫の崩れていく姿を眺めながらも、別の男に心魅かれてゆく多美。

そして、いつもながら男女の情愛の場面はを相変わらずお上手です。
とくに今回は隣家の娘だったちよが、女郎になり、与左衛門をたぶらかしながらも魅かれていき、身体を投げ出す様子は、もの悲しさが漂っていて、辛さも感じました。
当時の社会状況の貧しさや、切ない場面が多く、何ともやりきれなさを感じました。

あまりにむごい場面が多かったのですが、最後に息子が細工職人として独り立ちしていく様子がちらりと描かれているのが、救いでした。

映画化されたら良いのに、と思わせる小説でした。

なおタイトルの「炎天の雪」は、諸田さんに言わせると、「人間の歴史の中では、ありえないことが起きる。まるで炎天に雪が降るように」ということでした。

*****

「加賀騒動」

江戸時代に加賀藩 (金沢藩 ) に起きた御家騒動。

第6代藩主前田吉徳が財政の改革に起用した下級武士の大槻伝蔵(おおつきでんぞう)は、藩財政の実権を握り、その手腕を認められて大出世した。
しかし、伝蔵の活躍を喜ばぬ家老前田直躬 ら一派と対。
伝蔵は吉徳の側室真如院(しんにょいん)と手を結び、真如院の子・利和を世嗣にしようと画策したとされた。
その後、歴代の藩主は次々に暗殺された。
伝蔵や真如院はそれぞれ無残な死に方をして、何の罪のない子供たちや親族は幽閉された。




2015年9月20日日曜日

これまでの浴衣会

私が習っている長唄三味線の会では、年に2回、おさらい会があります。

一回目は3月に行われ、この時はどんな着物でもOKです。
色無地の方もいらっしゃいますし、紬の方もいらっしゃいます。

2回目は9月に行われ、この時は「浴衣会」ということなので、浴衣着用です。
でも日程の関係で、9月の中旬に行われることも多く、今年は9月27日の予定です。
その日に浴衣というのは、ちょっと寂しい感じもしますが、仕方ありませんね。

それでこれまでの浴衣会にどんな浴衣を着ていたか、ちょっと思い出してみました。

こちらは初参加をした2011年の時の浴衣姿です。
それまで浴衣は子供の時しか着たことがなかったので、慌てて骨董市で買った浴衣です。


2回目の2012年の浴衣。
これはカブの模様の浴衣ですが、生地がびっちりと詰まっていて、暑くてたまりませんでした。
帯の位置が高すぎますね。


3回目の2013年は、初めて着物屋さんで浴衣を誂えました。
菊の模様の浴衣です。


去年の2014年は頂き物の浴衣を着ていました。
あっさりとした斜めの格子模様でした。
なんだか帯がめくれているようで、おかしいですね。


さて今年はどうしましょうか。

とにかく、おさらい会当日は、大雨が降らないように祈るだけです。


2015年9月19日土曜日

ねむり姫

生後3週間となったうちの孫娘は、ねむり姫です。
泣きもせず、ぐずりもせず、ほんとに眠ってばかり。
赤ちゃんって、こんなに眠るのかしらと、思ってしまうほどです。


周りでお兄ちゃんがドタドタと音が立てても全然気にせずに寝ているし、お風呂に入れてもほとんどスヤスヤと目をつむっています。

目がとけてしまうのでは?

そんなねむり姫ですが、あちこちからお祝いをいただいたようで、中にはこんなドレスも!
ひらひらのチュールがついています。
可愛いと言えば可愛いのですが、いったい、いつ着せるのかしらね?


お祝いを送ってくれた方には、娘はこんな内祝いのお返しをしました。
赤ちゃんが産まれたときの体重と同じだけの量のコシヒカリです。
3222グラムでした。


うちにも送られてきたのですが、きれいな風呂敷に包まれていました。
なかなか良いアイディアですね。

私が帰るときにも、ねむり姫はバンザイをして、まだ眠り続けていました。


この子の目を開けた顔を見てみたいものです。