2016年5月31日火曜日

創作浄瑠璃弾き語り@築地

先日、築地で、野澤松也師匠の浄瑠璃を聞いてきました。


今回の出し物は古典と創作浄瑠璃、そして上方落語を浄瑠璃にしたものという三本立て。
とてもお得な演奏会でした。


古典は「本朝廿四孝~奥庭狐火の段~」
これは歌舞伎でも見たことがあるのですが、八重垣姫という美しいお姫様が登場するお話です。
恋するお姫様が、最後は諏訪湖の上を狐に守られながら駆け抜けていくという情景が思い浮かぶようでした。

お次は創作もので「星願恋泡沫」(ほしにねがえど こい うたかた)。
実はこれは一寸法師のお話なのですが、鬼を追いかけて川に飛び込んだ法師が、なんとクジラのお腹の中でピノキオと遭遇します。
それだけでも面白いのに、なんと恋しいお姫様は、この青い目のピノキオにぞっこん惚れてしまって、一寸法師は失恋してしまうという荒唐無稽のお話しでした。
捧腹絶倒の浄瑠璃でしたが、きっと江戸時代の人たちもこうやって浄瑠璃を愉しんだのではないかと思いました。

松也師匠のトークは、いつもながら軽妙で楽しい時間です。
こちらは、三味線の駒について説明されているところです。
実はこの舞台はテーブルの上なので、かなり高い位置にあり、上り下りが大変そうでした。


こちらは長唄三味線との掛けあい。
まるで違う曲をお二人で弾いたのですが、息もぴったりで、しっかりとハモっていました。

ただしこの日は湿度が高く、すぐに三味線の絃が伸びてしまうのか、お調子を合わせる場面が多くありました。


最後は安井ひろみさんという脚本家の方が書いた「一文笛」というお話しを浄瑠璃に仕立てたもの。
元は上方落語だそうですが、最後には意外な落ちがあって、楽しめました。

この演奏会は「チャリティライブ」と名乗っているように、東日本大震災の被災者支援をしています。
この「ねがい桜」に願いを込めます。


そしてこんなふうに吊るして、被災地のお寺に奉納しています。


お茶菓子は、松也師匠の紋入りのどら焼き。
とてもおいしくいただきました。


こちらはマネージャーで、日本橋倶楽部のメンバーでもあるKさんの締めの言葉。
この後、全員で集合写真を撮りました。



*****

この日の装い。

それほど暑くはなかったので、木綿ちりめんの型染めという着物にしました。
地元のリサイクルショップが特別に販売していたもので、リサイクルにしてはお高いものでした。
かなりおしゃれな人が着ていたものと思われます。


帯は千円の無地の朱色のものに、幅広のトルコレースを縫い付けたもの。
胴のところと、たれのところだけレースを付けてあります。




2016年5月30日月曜日

「日本の夏じたく」@横浜三渓園

横浜にある三渓園にはこれまで何回か訪れたことがありますが、私の家から行くには何回も電車を乗り換え、バスに乗り、そしてバス停から10分も歩くという場所にあります。

ほんとに遠くて行きづらいところなのですが、今回は「日本の夏じたく」▼という素敵な催しがあったので、是非とも行ってみたいと思いました。
そして埼玉に住む着物友だちのSさんと待ち合せて行くことにしたのですが、この日はあちこちで電車事故がありトラブル続きで、お互いになかなかスムーズに到着できませんでした。

私だけお先に三渓園に到着しました。
美しい緑の日本庭園です。


ここは明治から大正時代にかけて生糸貿易で財を成した横浜の実業家・原三渓さんという方が造った広大な庭園です。総面積は53,000坪だそうです。
あまりに広くて、一回では回り切れないほどです。

お庭には京都や鎌倉から集めた17の建物があり、また四季折々の美しい植物が私たちを迎えてくれます。

こちらはつつじ。
向こうには藤棚も見えますね。


今が盛りの菖蒲。
池には小舟も浮かんでいて、風情がありました。
俳句でも一句ひねれたら良いのに、と思ったほどでした。


室町時代に建てられたという三重塔もありました。


こちらは「日本の夏じたく」のメイン会場である鶴翔閣(かくしょうかく)です。
三渓さんはここに住んでいらっしゃったそうです。


建物に入ると、こんな感じのお部屋と廊下が続いていました。


それぞれのお部屋では、20くらいのいろいろな手づくりの作品が展示されていました。

まずは秩父銘仙の新啓織物▼さんへ。
というのも、この日は新啓さんで買った銘仙の反物を着ていたからなのです。

新啓さんの奥様と一緒に。
奥様は大きな麻の葉模様の着物を着ていらっしゃいました。
私の着物は無地に見えますが、グレイの大きなお花が描かれているのです。
もちろん両方ともこちらで織られた銘仙です。


奥様が締めていた帯がとても素敵だったので、私も同じ作りの昼夜帯を買いました。
表面はブルーに白の笹の葉模様、裏面はカラフルな紙風船のような模様です。
銘仙の帯は珍しいですよね。


すっきりとしたデザインの銘仙です。


こちらの反物も素敵。
伝統の良さと新しさをミックスされていますね。


他のお店もちょっとご紹介しましょう。

手すきの和紙工房の展示。
帯にしてもよさそうなものもありました。


ガラス工房の作品。
涼しげなグラスなどがありました。


染織iwasaki▼さんの反物や帯のコーナー。
とても人気があるようで、参加者のうち、かなりの方がiwasakiさんの帯を着用されていたようでした。


こちらはインドネシアの布を輸入されていらっしゃる方。
締めている帯はインドネシアの生地で仕立てたそうです。


こちらはインドの布を輸入されているkocari▼さん。
帯は日本のものと見間違えるほどシックで素敵でした。


他にもお扇子、金細工、錫細工などいろいろな作品が出展されていました。

「これぞ日本の風景」といった様子でした。
とてもハイソな感じで、普段は近づけないような高級な品も間近で眺めることができました。

あちこちのお店を眺めているうち、Sさんが度重なった電車事故を乗り越えて、ようやく三渓園に到着しまました。
あまりにお疲れだったようなので、展示を見る前にまずは腹ごしらえをしました。
Sさんはおろし大根そばと、お団子を注文していました。
私は黒蜜のかき氷にしました。


ちょうど皐月展も開催されていたので、皐月の前で記念撮影です。


皐月とツツジの違いもあまりよく分かりませんが、きれいなものです。


三渓園のお庭では、多くの花嫁花婿のカップルが写真撮影をしていました。
暑いのに打掛を着て、大変そうでした。

その後、また二人でお店を巡りました。

多くの方がいらっしゃり、会場は満員でした。
熱烈なファンもいらっしゃるのでしょうね。

色々なワークショップも開かれていましたが、今回の展示は10回目だそうです。
10年も続けるというのは偉いことですね。


貴重な作品をいろいろと見せていただいて、眼の保養になりました。

こちらはバス停近くのお店ですが、横浜には古い建物も多く、眺めるだけで楽しいですね。


この後は横浜タカシマヤに行って、絹の展示会ときくちいまさんの着物売場にお邪魔しました。

満足して帰宅しましたが、やはり三渓園は遠いわ。






2016年5月29日日曜日

宇江佐さんの次はまかてさん

私の大好きな女性作家・宇江佐真理さんがお亡くなりになって、もう彼女の本は読めないなぁ、と寂しい思いをしていました。

ところが、宇江佐さんとは全く同じタイプではないのですが、やはり女性作家で素敵な方を見つけました。

それは朝井まかてさんです。
「まかて」というのはペンネームで、沖縄出身のおばあさまのお名前だそうです。

最初に読んだのは、「恋歌」。
樋口一葉の師匠である中島歌子という人の生涯を描いたものですが、江戸から東京になるときの水戸藩の人たちの心情がよく伝わってくるものでした。


この本が気に入ったので、次に読んだのが、まかてさんの出世作といわれる「花競べ 向嶋なずな屋繁盛記」でした。
これは江戸で植木屋というか苗を開発する仕事に携わる「なずな屋」の若い職人夫婦の物語で、宇江佐ワールドに近いものが感じられました。


3冊目は、アラサーの女性三人組がお伊勢参りをする「ぬけまいる」というお話。
女性たちの特色がよく描かれていて、独身で飯屋を切り盛りしているお以乃、子持ちだけど色気ムンムンで商才に長けたお蝶、お武家に嫁いだお志花の三人、つまり「猪鹿蝶」そろいぶみで、旅の途中にあれこれお話があります。
痛快時代劇といった感じで、映像化したらきっとヒットするだろうと思いました。


まかてさんはお写真を見ると、かっこいい美人タイプの作家さんのようです。

私は気に入った作家さんを見つけると、その人の本ばかり読んでしまう癖があるのですが、まかてさんの本も数冊あるので、これから読むのが楽しみです。


2016年5月28日土曜日

素敵な着物姿とは・・・

私は着物を着始めて数年しかたっていない着物ビギナーです。
それでも1年のうち半分くらいは着物を着ているので、着物姿について、少し気になることを述べても良いかしら。

というのは、着物を着ている人でも、「ほんとうに好きで着ている」人や、「良く似合っているものを着ている」人の割合は、少ないのではないかと感じることがあるからです。


(こちらのアジサイは、無料写真から拝借しました。)

先日も、歌舞伎鑑賞に行ったとき、会場には多くの着物姿の女性がいました。
その中のかなりの割合の方は、個人で参加しているのではなく、呉服屋さん主催の歌舞伎鑑賞会のお客さん、ということでいらっしゃっている人たちでした。

ぞろぞろと同じような着物で歩いているので、そういう団体はすぐに分かりました。

みなさん、淡い色の訪問着や付け下げなどで、高級そうな帯を締めていました。

ところが、せっかく高価な着物をお召なのに、まるでその人の存在感が感じられませんでした。

呉服屋さんに言われた通りの着物を着ている、という感じがしました。
義務感で着ているように見えてしまいました。

たぶん、このような方たちは年に1回か2回くらいしか着ないのではないかと思いました。

そして大事なのは姿勢だと思うのですが、かなりの方が背中が丸くて、魅力的な着姿とは思えませんでした。


そのような団体の方に比べて、私が参加させていただいたグループの方は、紫の着物、水色の着物、薄い茶色の着物、と色もさまざま、そして素材もすべて異なっていて、みなさんとてもよくお似合いでした。
ご自分で選んだというのがよく分かる着物姿でした。

着物を着るのを楽しんでいるという雰囲気が伝わってきました。

そして何よりも素敵だったのは、最後に挨拶された女優さんの着物姿でした。
真っ黒な地に、白い花の刺繍がぎっしりと施されていて、それは見事なお着物で、また帯も銀糸がふんだんに使われた豪華なものでした。
そして堂々とした立ち振る舞いは、周囲を圧巻されていました。


絶対に普通の人では着こなせない組み合わせでしたが、その着姿で私たちの目を楽しませてくれました。
その存在感はずっと忘れられません。

ご自分を着飾るだけでなく、周囲の人を楽しませる、というのが女優さんであることの条件なのかもしれませんね。

私はそういう豪華な着物を着ることはできませんが、着物を着るときは、自分が楽しめて、そして相手の方にも良い気分を与えるような着物姿になれるよう、少しは頭と体を使いたいと思っています。

頭を使うというのは、着物や帯などの組み合わせ、
身体を使うというのは、良い姿勢を保つことです。

呉服屋さんツアーの方も、まずは着ることを楽しんで、そして颯爽と歩かれたら、もっと素敵な着物姿に見えるのでは、と思いました。

新米がエラソーなことを書いてしまいましたが、せっかく着物を着るなら、楽しんで着たいですよね。


2016年5月27日金曜日

いとこたちとの集まり

私の母方の親戚との付き合いは、子どものころからずっと続いていました。

まだおじいちゃんやおばあちゃんが元気だった時代、おじさんやおばさんが中心になった時代、そして私たちがこの年になった今でも、ずっと続いています。

そのいとこたちも中高年になり、それぞれ子供や孫が生まれました。

いまや、いとこたちとの集まりの中心は孫世代になっています。
ところで、「いとこの孫」というのは、なんと呼ぶのでしょうね。

先日は、そのいとこたちと食事会をしました。


今回の主役は、いとこの孫にあたる男女2人の5歳の双子ちゃんでした。
この年にして、男の子、女の子の興味がまるで違うのには驚かされました。
男の子は鉄ちゃんで、その知識は大人顔負けでした。
車掌さんになったつもりで、上手にアナウンスしていました。


その時のお食事会のメニューです。


左の上段から

前菜
うに・海老・フカヒレのスープ
ホタテ貝の蒸し物
牛フィレ肉ステーキ
アワビの煮物
白身魚の揚げ物あんかけソース
サラダ風冷そば
デザート三種

中華料理屋さんのコースメニューでしたが、フレンチ風というか、いかにも中華というメニューではありませんでした。

よくある春巻き、シウマイ、チャーハンなど皆無でした。

でも子供用のメニューにはそれらがあり、私はそういういわゆる中華料理も、ちょっとつまんでみたくなったほどでした。

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この日の装い。

しけ引きという技法だそうですが、大きな刷毛で手書きで縞を描いた単衣着物です。


帯は柿渋で染めた和紙が織り込んであるという、ちょっと涼しげなものです。

スープや汁が飛ばないように、そーっといただきました。




2016年5月26日木曜日

最近読んだ本 ~平行読み~

私の読書スタイルは、何冊もの本を同時に平行して読む方法です。

たとえば、机に向かって読む本、ベッドの中で腹這いになって読む本、電車の中で読む本などを数冊用意しておいて、だいたい3冊から4冊は同時進行で読んでいます。

筋がこんがらがる、ということはあまりありません。

それ以外に、ほんのちょっとした時間でパラパラめくって眺めるような着物関係の本とかもあり、読書好きというよりも、活字好きといったほうがあっているのかもしれません。

ということであまり深い読み方はしないで、ストーリーを追っていくだけかもしれませんが、それでも気に入った本は、2回、3回と数を重ねて読むこともあります。

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「恋歌」 浅井 かまて 著


私はこの人と浅井リョウという人とちょっと勘違いしていました。
浅井リョウのほうは「桐島、部活やめるってよ」を読んで、あまりに私の興味の対象外だったので、もうこの人の本は読みたくないと思っていたら、この人は浅井違いでした。
なんという浅はかさ。
浅井まかてさんは全く別人の美しい女性作家さんです。

さて、この小説は樋口一葉の和歌の師である中島歌子という人の恋愛を描いたものです。
その人の生涯を弟子の立場から綴っています。

もう一度、じっくりと読んでみたい本でした。

余談ですが、この本は直木賞を受賞されたそうですが、最近では、誰が直木賞で誰が芥川賞だか分からなくなっています。
受賞は年に1回で良いのではと思いますね。

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「お夏清十郎」 平岩弓枝 著


若い新進男性舞踊家・清原宗が、スイスの山中でお夏の幻を見てしまいました。
「お夏清十郎」の話は実際にあった事件を元にしているそうで、井原西鶴や、近松門左衛門の話にも登場しているそうです。
お夏の悲恋を解きほぐしていくうちに、清原家にも隠された悲恋があることを知ってしまいます。
姫路を舞台にしたミステリアス・ロマンです。

兵庫県の室津という場所が何回も登場しますが、ここは去年、出かけた赤穂と近いところ。
白鷺城も登場して、なんとなく親近感は湧いたけど、元々の「お夏清十郎」の物語をちゃんとと分かっていなかったので、かなり内容が混乱してしまいました。

歌舞伎や浄瑠璃や日本舞踊ではよく取り上げられる題材なので、そういうジャンルが好きな人なら面白いしら。

話はそれますが、私の妹は「夏子」というのですが、子供のころ、訳も分からずに「お夏清十郎」と言っていたことを思い出します。
どうして子供なのに、そんな心中モノのヒロインの名前を知っていたのでしょう。
歌舞伎好きな祖母が教えてくれたのかもしれません。

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「はやぶさ新八御用旅 東海道五十三次」 平岩 弓枝 著


今回は平岩さんの本を立て続けに読んでしまいました。

これは内容は別として、お江戸日本橋から伊勢を通って京都まで、旅をしながらの捕物帳です。
私は日本地図を片手に、主人公たちの足取りを確認しながら読んでいました。
それにしても昔の人は、老若男女、みんな歩いて旅行をしたのは、偉いものですね。

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「衣にちにち」 群 ようこ著


エッセイストの群さんがご自分の洋服スタイル、着物スタイルをばらしながら、中年女性の衣生活について語っています。

以前、着物だけを扱ったエッセイは面白かったのですが、今回は洋服(ブラウスをどれにしようかとか、パンツはどれを履こうかとかいう話)も混ざっていたので、読みにくく、あまり面白いとは思えませんでした。

それと「断捨離」を実行しているという割には、洋服も着物もたくさんお持ちのようで、これは処分するのは他人事ながら大変そうだと感じました。

2016年5月25日水曜日

アロマ教室 1

先週、市民カレッジで「アロマ教室」の授業を受けてきました。
こちらは4回で終了する講座です。
講師の先生は市内在住の方なので、格安な費用で授業が受けられます。
参加者は女性ばかり20名ほどでした。


実はアロマ教室は以前にも受けたことがありました。

しかし教えていただいた内容を忘れてしまったので、もう一度受けてみることにしました。
この講座はお土産付きなので楽しいのです。
先生は前とは別の方でした。

今回の先生は、介護施設などで香りを利用した施術をされているそうです。
また学童保育でも子供たちにもマッサージをされているという、行動的な先生でした。


(こちらは先生からいただいた資料ですが、レモンバームの葉です。)

まずは先生から4種類の香りを渡されました。その中から好きなものを選ぶということでした。
香りの名前は明かされていません。

最初の香りはラベンダーかなと思ったら、当たりでした。
でもどうも私の好みではありませんでした。


次はムッとする香りで、全然受け付けられず苦手な香りでしたが、これはゼラニウムでした。

3つ目はスーッとしていてハッカの様だと思いましたが、ペパーミントということで当たりでした。

最後は柑橘系の香りで、これならいいなと思いましたが、これはオレンジスイートという香りだそうです。


その後、いろいろな基礎知識を教えていただきました。

アロマの香りというのは、大きく分けると、花の香り、果実の香り、葉の香り、幹の香り、根の香りと分類されるそうです。

他にもいろいろと生活に役立つアロマの使用法も教えていただきました。
たとえばマスクに垂らすと鼻詰まりを防ぐとか、下駄箱に入れて嫌な臭いをシャットアウトするとか。

最後に、みんなで手作りをすることになりました。
今回はバスソルトです。
伯方の塩に、初めに選んだ自分の好きな香りを3滴混ぜてもみもみして作りました。


来月はルームスプレーを作る予定だそうです。

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この日の装い。

地味な大島紬です。


帯は叔母の遺品。
黄色と緑の両面遣いができる無地の名古屋帯です。

着物も帯もどちらも昭和のモノなので、帯揚げで新鮮さをプラスしました。
ろっこやさんのギラギラ帯揚げです。

帯締めは坂本呉服店さんのビンゴで当てたもの。



2016年5月24日火曜日

前進座 「東海道四谷怪談」

先日、「日本橋きもの倶楽部」さんのお誘いで、国立劇場まで行ってきました。


出し物は前進座の「東海道四谷怪談」▼でした。


このイベントには鑑賞前の楽屋ツアー、鑑賞後は役者さんとのティータイム付き、という嬉しいスケジュールになっていました。

楽屋ツアーは、若手の松浦海之介さんという役者さんが案内してくれました。


舞台の裏の装置を見せていただいたり、かつらの床山さんのお部屋、衣装部屋、また化粧中の役者さんの姿も拝見させていただきました。


こちらは楽屋の入り口ですが、役者さんが楽屋入りしたかどうかが札の色で分かるようになっています。
一つのお芝居を作るためには、役者さんが約20名、裏方さんなどのスタッフの方は約100名もいらっしゃるというのは、驚きでした。
みんなの力を合わせて、一つの舞台を作り上げているのですね。


海之介さんは、今回が本格的な台詞付きの舞台ということでしたが、見事に演じていらっしゃいましたよ。
開幕前のお忙しいところ、ありがとうございました。


今回の公演は前進座創立85周年記念であり、また中村梅之助さんの追悼記念でもあり、とても大掛かりなお芝居で、上演時間はなんと4時間15分という長丁場でした。

私は今まで四谷怪談は染五郎さんのもの▼や、右近さんのもの▼など見ていましたが、今回の前進座のは、これまであまり上演されない場のお芝居もありました。

今回は河原崎國太郎さんがお岩さん、嵐芳三郎さんが伊右衛門の配役でした。
お岩さんの哀愁と怨念が漂っていたようでした。


お芝居は、有名な「戸板返し」や「提灯抜け」などの驚きの仕掛けがたくさん用意されていましたが、全部合わせると100くらいの仕掛けがあるそうです。

こちらは二幕目が終わったところです。


最後まで見終わったところ。
皆さん、満足そうな表情でした。


終了後には役者さんを囲んでのティータイムがありました。
素顔と、演じていた役柄とがあまりに違い過ぎて、同じ人とは思えないほどでしたよ。


お茶とチーズケーキをいただいているところです。


山形県や岩手県から遠征されてきたグループの方もいらっしゃいました。
すごいですね。

お世話をしていただいた日本橋きもの倶楽部さん、どうもありがとうございました。
とても楽しめました。

(集合写真は日本橋きもの倶楽部のfacebookを拝借させていただきました。)

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この日の装い。

私にしてはカラフルな組合せでした。
緑の紬、黄色の帯、赤の帯揚げ。

というのも怖~いお岩さんに対抗するには、地味な着物よりも、カラフルなモノの方がよいのではと思ったからです。