2016年10月31日月曜日

初屋さんの着物@マルヒギャラリー

先日、上野の国立西洋美術館に行った▼後、根津まで足を伸ばしてきました。

上野や谷中、根津周辺は、父の生まれ育ったところなので、今までも何回も訪れているところです。

そのあたりで、「初屋」▼さんというお店のイベントが、古民家を利用したギャラリーマルヒ▼で開催されていました。


路地の間にあるので、ちょっと迷ってしまいましたが。
隠れ家ギャラリーという名前にぴったりのところでした。

こちらは大正6年に建てられたそうです。
かつては質屋さんだったそうですが、関東大震災にも、戦災に遭わずにいまだ健在のおうちです。 
築100年近いわけですね。

玄関には、招き猫がお出迎えしていました。
左にちらりと見えるのが初屋さん。


素敵なモノクロの小紋を着たお人形さんが待っていました。
こういう何気ない着物、いいですね。


上のお知らせのハガキと同じ場所から写してみました。
網の扉が、いい感じでした。


お部屋には こんな立派なお蔵もありました。
座敷蔵というそうです。


こちらは洗面所の入り口です。
昔はこういうガラスが、よくありましたね。
すずらんが可愛い。


お部屋には、素敵な紬の着物や、手描きの帯がたくさん並んでいました。
姿見をお借りして、ちょっと写させていただきました。


レトロなおみくじ箱からおみくじを引いてみました。
「四畳半みくじ」というもので、ちょっと内容は難解でした。

「消えぬ傷跡を残すためだけに
必要なことをすればよい」

うーん、意味がよく分かりませんでした。


この日は、古いギャラリーを見たくて出かけたので、着物や帯を買う予定はありませんでした。
その代わりに、染めの作家さんの描いた絵葉書をお土産にしました。


お昼を食べ損ねてしまったので、根津駅近くの庶民的な甘味屋さんに入って、田舎汁粉をいただきました。
近所のおばさんたちや、親子三代揃っての女性たちが、おしゃべりしながら食べていました。


上野界隈はいつ来ても、なんだかほっとするところです。


2016年10月30日日曜日

実踏 国立西洋美術館見学会

実は私はうかつにも今年度の市民カレッジ「美術館建築を楽しむ」▼の第1回目をすっかり忘れてしまって、欠席してしまいました。

このカレッジでは、座学と実踏を交互に学んでいるのですが、1回目をパスしてしまったので、プリントやTBSテレビ「世界遺産 ル・コルビジェの建築作品」▼を見て、ちょっと自主学習して、今回の実踏に向かいました

上野に到着すると、国立西洋美術館が世界遺産に登録されたという旗がなびいていました。


国立西洋美術館▼は、みなさんご存じのようにル・コルビジェの建てたものですが、彼自身は来日してデザインを決めたのですが、あまり細かいところまでは指示をしなかったようです。
それで彼のお弟子さんたちが、コルビジェならこう作るだろうということで建てたものだそうです。
1959年築です。

さて、受講生はピロティで集合しました。

ここは、建築された当時は吹き抜けだったようですが、今はガラスが入っています。


コルビジェは、壁にはコンクリートの上にパネルを貼り付ける方法が好みだったようです。


お向かいにある東京文化会館▼は彼の弟子の前川國男が作ったものですが、同じようなにパネルがありました。
こちらのほうが、国立西洋美術館よりも、パネルの石がごつごつして大きめでした。
ちなみに、この二つの建物はいろいろな部分で共通しているところがあります。
弟子の師匠に対する敬意が表れているようでした。


さて、このカレッジの講師の先生は、いつも建物の地震対策について説明されます。

美術館の前庭にあるロダンの彫刻も、下の部分は免振になっているそうです。
つまり、もし地震が来て地面が揺れていても、この像は揺れないのだそうです。


ということで今回も美術館に入るとまず、地下1階に行って、地震の設備を見ることにしました。
入場券はモネの絵でした。


これがその装置ですが、それほど大きいものではありませんでした。
建物と地面の間に、ゴムのようなものが間に挟まっています。


こちらは美術館の模型ですが、下の部分を見ると、免振工事をしたために隙間ができて、浮き上がって見えるのがよく分かります。
この工事は少しずつ進めたそうですが、本当に大変だったと思います。
(黄色い印のところです)


地下から1階に戻りました。
高い天井が素敵でした。
みんなで見上げているところです。


こちらは、その1階部分を上から眺めたところです。


今回の見学は建築の立場からでしたので、防災設備や防煙設備を見たり、非常口の仕組みを学んだりしました。
また天井の高さや光の取り入れなどについても学びました。

先生の建物の話が続きましたが、ようやく絵画のあるところにきました。
川崎造船の社長だった松方幸次郎という人の松方コレクション▼が見事でした。

ここは天井が低くて、コルビジェは背の低い日本人向きにこの高さにしたのでしょうか。


こちらは照明が面白いところでした。


「モーリス・ドニ」という人の素描展▼をやっていました。
大きな作品を描く前に、部分的に人物画を予備練習をするという感じでしたが、とてもたくさんあって、良い作品にするための意気込みを感じました。


今回は常設展のところだけ行きましたが、ここはシニアは無料で入館できます。
また写真撮影もOK(フラッシュは不可)なので、いろいろと楽しめるところです。

こちらはモネの睡蓮。
西洋美術館には、他にもピカソ、ルノアールなど誰でも知っている有名な画家や彫刻家の作品がたくさんありますので、企画展でなくても楽しめます。

ミロの作品と共に。


これは付録ですが、上野の寛永寺周辺りを公園にしようと決めたのはオランダ人のボードワン博士という人でした。
彼は医者でしたので、当初の計画ではこの辺りに医学校を作ろうとしたのですが、環境の良さに目を付けて、ここを公園にしようと明治政府にアドバイスをしたそうです。

この人です。
東京都美術館の近くに銅像がありました。
1862年から1871年まで日本に滞在されたそうです。


この講座の実踏は現地集合・現地解散なので、私は美術館の後は、根津のほうまで向かいました。

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この日の装い。

先日、ながもちやさんで衝動会をしてしまった花柄の紬です。
サイズが私向けに小さいので、お安く買えました。


模様の色と、裏地の色が秋らしい辛子色なのが気に入りました。

でもこういう柄物は普段はあまり着ないので、なんだか落ち着きませんでした。
それで帯は、しょっちゅう締めている黒の幾何学模様の帯にしました。



2016年10月29日土曜日

備後デニム

普通の青い色のデニム着物は持っているのですが、もう一枚欲しくなりました。

それであれこれ調べていると、日比谷にある着物屋さん「都粋」▼の店長さんが、細いストライプの備後デニム姿で、よくfacebookに登場していらっしゃいました。


いい感じだったので、先月、日本橋の着物サローネに行ったとき▼に、現物を拝見してきました。

これからは誂えるなら自分で洗える着物にしようと思っていた時だったので、こちらのデニム着物はぴったりでした。
(私にとっては、絹の着物はいただき物やリサイクルで十分です。)

その後、もう一度お店に行って、触り心地などを確認して、プレタポルテのMサイズを試着させてもらいました。
(私には寸法が大きいので、ちょっと馴染んでいませんが。)
その時は白っぽい帯を合わせていただきましたが、これならどんな帯にも合いそうだと思いました。


とにかく軽くて楽なので、プレタポルテに7000円追加して、マイサイズで仕立てていただくことにしました。

そして、昨日、受け取ってきましたよ。
お店では、マネキンも同じデニム着物を着ていました。


仕立て上がりを試着してみると、サイズもちょうどよく着心地も軽くて良かったです。
広衿にしたので、洗濯してもすぐに乾きそうです。

ということで家に戻って、帯と合わせてみました。

朱色の帯もばっちり。


青い帯でもばっちり。


黒の花模様の木綿帯もばっちり。


帯や小物を合わせる楽しみが増えました。
半襟も色の濃いものにすしたら、楽しそうでしょう?
旅行にも活躍しそうです。

店長のIさん、ありがとうございました。






2016年10月28日金曜日

「サウンド・ドラマ体験講座」 13 番外編

今年の4月からスタートした「サウンド・ドラマ体験講座」▼ですが、2グループの収録もなんとか終了しました。

ところがオンエアーの時間枠は1時間もあるので、ドラマだけでは時間が余ってしまうというので、先日、おまけとして私たちの座談会も入れようということなり、そちらの収録もしてきました。

場所は、いつものスタジオです。


 声優さんに、収録用のマイクを4本準備していただいているところです。


今回の参加は生徒全員ではなかったのですが、先生と生徒たち、それに編集を担当したプロの声優さんの声も収録することになりました。


座談会は、台詞がないので気楽に話せるかというと、そうでもなかったですね。


一人ずつ、受講の動機や感想、今後のことについて少しずつ話しました。
学生時代に放送部だったとか、コーラスをしているので発声練習のために参加した、という方もいらっしゃいました。

とりとめのない内容をどのように編集していただけるか、楽しみです。

こちらはその前の収録の様子です。
参加者の方が写してくださいました。


クラス会に集まった女性たちの、とりとめのない会話風景でした。


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放送日も決まりましたが、来月なので、まだだいぶ先です。

また市民カレッジより、音声入りのCDをいただけるようなので、その後、ブログでもアップするかもしれません。

2016年10月27日木曜日

「花埋み(はなうずみ)」

「学問好きの娘なんて家の恥」という風潮が根強かった明治初期、日本初の女医を目指す一人の女性がいました。
その名は、荻野吟子。

渡辺淳一の「花埋み」」はその荻野吟子(ぎん)の一生を描いた物語です。


彼女は16歳で結婚しますが、その夫から性病を移され、そして病院で男たちに膝を開かれながら診察されるという屈辱の中、「私が医者になれば、こんな苦しみと恥ずかしさを受ける女性はなくなるのだ」と決心します。

そしてさまざまな偏見と障害を乗り越えて、日本で初めての女医の資格を得ます。
病気の人を直す女医の活躍が認められて、女史としても講演会などに呼ばれるようにもなりました。

彼女の一生はそれだけで素晴らしいのに、中年になって、また別の険しい道に進みます。
それはキリスト教徒となり、16歳も年下の信者の男性と結婚して、厳しい北海道開拓にも参加したのでした。

一生、闘い続けていた女性だったと思いました。

彼女の生きた時代は、今とはまるで異なり、ほんとうに険しいものでした。
男の中に入り、いつも毅然とした態度で勉学に打ち込みました。

吟子は医者になるための方策として、まずは東京女子師範(今の御茶ノ水大学)に入学して、そして医師を目指したのですが、己の意思を貫き通したという意味ですごい人物だなと思います。

彼女は勉強だけでなく、裁縫や生け花や和歌にも才能があり、なんでもできてしまう人だったので、かえってそれが他の女性からうとまれたのかもしれません。
しかし彼女の努力はすさまじいもので、尊敬に値するものでした。

今の女性は、このような先人がいたからこそ、活躍する場所も広がったのだと思います。

渡辺淳一の描く小説と言えば、たおやかな女性がヒロインになることが多いようです。
またエロティックな場面も多いのですが、この「花埋め」に関していえば、同じ作者のものとは思えないようなものでした。




2016年10月26日水曜日

母のホームで

先日、母のホームに出かけてきました。

いつもながら手作りの作品が迎えてくれます。
コスモスが満開ですね。


ちょうどみんなで体操を始めたところでしたので、私も一緒に楽しんできました。
体操といっても椅子に座ったまま、手足を伸ばすようなものですが、みなさんとてもお元気です。
「幸せなら手をたたこう」に合わせて、拍手をしたり、足踏みをしたりしました。

次には漢字の読み方テストをしました。
ヘルパーさんが、紙に魚偏の漢字を掲げて、それを読んでもらうというテストでした。
ここの入居者はみなさん、認知症ということですが、漢字に対してはとても記憶が良いようです。


母も、鰈、鯰、鮪、鰆などの漢字はスラスラと読めていました。
何を食べたか、などはすぐ忘れてしまうのに、漢字はしっかりと覚えているのですね。


早口言葉も楽しみました。
「生麦生米生卵」とか
「隣の客はよく柿食う客だ」
などをみんなで練習しました。
一人ひとり発表しましたが、みなさん、とてもお上手でした。

そしてみんなで懐かしい唱歌の合唱。
「紅葉」「虫の声」「どんぐりころころ」「富士山」などを大きな声を出して歌いました。
声を出すのは気持ちが良いですね。

ここのホームには、最近、フィリピン人(日本人と結婚しているようです)のヘルパーさんが二人勤めるようになりました。
とても明るくて親切な人たちです。
でも昔の小学生唱歌を唄ったりするのは、ちょっと難しいかもしれませんね。

母はボランティア美容師さんに髪をカットしていただいたので、さっぱりとしていました。

ベッドの上で、両手を離しておどけているところです。


来月には、ここのお祭りがあります。
ヘルパーさんや病院の先生たちがいろいろと芸を披露してくれたり、みんなでゲームをして、そして一緒にランチをいただくというスケジュールです。

ホームの皆さんには、ほんとうにありがたいと、いつも感謝しています。


2016年10月25日火曜日

「そめもよう」で半襟プレゼント

先日、神楽坂で行われている「和小物冬したく」というイベントに行ってみました。



会場はなんと東京理科大学です。
森戸記念館というところで、神楽坂の石畳小路にありました。
毘沙門天の向かい側にあるところです。


東京理科大学は飯田橋周辺にいくつも建物がありますが、あちこちの棟で、一般向けのイベントや展示がいろいろと行われているようです。


さて、「冬したく」の会場では、つまみ簪や和雑貨などいろいろな展示がありました。

そこには友禅の型染もありました。
自分で半襟に型染めをするというワークショップもありましたが、大柄でユニークな型が多くて、ちょっと躊躇していると、
「実は神楽坂のほうでも染物のイベントがあるので、そちらもどうぞ」と勧められました。

それで神楽坂の坂を上って行きました。

会場は着物などのイベントにもよく使用される「フラスコ」▼でした。


そめもよう▼というグループの展示会でした。


こちらは若い女性の染色作家さんたちが集まったグループで、初めての個展ということでした。

とても上品で素敵な作品が展示されていました。
どれも美しい色です。


「冬したく」と「そめもよう」の両方を訪問すると、すてきなプレゼントがありました。

好きな型を選び、本職の方が半襟に染めて下さるのです。
それも無料ですよ!

可愛い模様がたくさんあって、選ぶのに困りましたが、一年中使えるような小花模様にしました。
この型で染めてもらうことにしました。


色を決めたところです。
私の好きな色にしました。


色を付けているところです。ポンポンと叩くようにしていました。


一輪できあがりました。
梅のようにも見えるし、すみれのようにも見える可愛いお花です。


両方の襟に描いていただきました。
ちょっと図々しかったかな?


そしてアイロンをかけて仕上がりです。

とても素敵なプレゼントをいただき、ありがとうございました。

この展示会は、若い染色作家さんたちと直接お話ができるので楽しいですよ。
珍しい動物(らっこ、カメレオンやクジャクなど)を描いた作品や、「おもちゃのチャチャチャ」の音符入り帯などもありました。


麻の帯もとてもお安くなっていましたが、今回は見るだけ。

理科大に行ったおかげで、半襟までいただけて、ラッキーな日でした。

この展示は10月26日(水)まで開催中です。

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この日の装い。

薄手の小紋です。
よく見ると、小さなヒョウ柄のような模様が入っています。


五箇谷さんのイベントで安く手に入れたものです。
丈がとても短いので、チビな私でもおはしょりがぎりぎり。
でも、青色系統の着物は、着ていて安心感があります。

型染めの帯を合わせました。