2017年11月30日木曜日

お囃子のおさらい会

先日、お囃子の福原鶴十郎さん主宰の「鶴友会」のおさらい会に行ってきました。


会場は品川区立総合区民会館「きゅりあん」▼というところで、ここは大井町の駅前にあり、ヤマダ電気や西友も入っている立派な建物でした。


おさらい会にはプロの方に混じって、八王子の若い芸妓さんたちや、お教室でお囃子を習っているお弟子さんが、たくさん参加されていました。


今回の目的は、エステシャンでもあり、義太夫三味線の野澤松也師匠のマネージャーでもあり、日本橋きもの倶楽部でも活躍されているKさんの初舞台を鑑賞することでした。
Kさんは、鼓のお稽古を始めてまだ数回、とは思えないほど堂々としていて、立派な演奏でした。


「雛鶴三番叟」は私も習ったことのある曲ですが、お囃子がたくさん揃って、とても豪華な曲になりました。


鼓をしっかりと握って、ポーンとよい音を出していました。
お着物も一竹風の豪華なものでした。


このおさらい会には、プロとアマチュアの方が混じって演奏していました。
プロの方の技はもちろん素晴らしいものでしたが、アマチュアの皆さんもとても頑張っている様子が伝わってきました。

中でも「荒城の月」を笛で演奏した方は素晴らしかったです。
84歳から始めて現在86歳という女性でしたが、いくつになってもお稽古を始めるには遅くないということが伝わってきました。

そしてお弟子さんたちを見守る鶴十郎先生の暖かいまなざしが、印象的でした。

舞台を終えてほっとしたKさんと。
さすがエステシャン、色白の小顔が羨ましい。


みなさま、どうもお疲れ様でした。

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この日の装い。

お囃子の会なので、鼓の模様が入った小紋にしました。


むじな菊の上に、鼓が描かれています。


三味線などの演奏会のときには、よく着ている着物です。


着物はこういう遊びができるところが、楽しいですね。

2017年11月29日水曜日

太郎冠者のシルック着物

先日、馬喰横山にある着物問屋さんで、「問屋解放市」▼がありました。
ゆめこもんさんのご案内で、連れていただきました。
シルック着物の展示会が開かれていたのです。


(写真はゆめこもんさんのHPより拝借しました)

私が気になっていたのは、「お仕立無料」というお安いシルックの反物でした。
旧モデルだそうですが、裏地もすべて込みのお値段でした。

私がシルック着物を好きな理由は、
▼すぐに洗える
 (私はかなり洗濯好きなので、一度手を通したものは、すぐに洗いたいのです)
▼しわにならない
 (着物のしわはとても気になるタチで、着る前のアイロンかけは必須です)
という点です。
一度、シルック着物の気軽さに慣れてしまうと、絹や木綿着物よりも重宝することが多いのです。

ただ、今のところ、手持ちのシルック着物は、水色系のもの、濃い色のものだけなので、淡い色合いで普段にも着用できるものを探していました。

ところが私が探してみても、どうも気に入るものが見つかりませんでした。

それで今回は諦めて戻ろうとしたところ、問屋さんの店員のYさんに声をかけられて、そして薦めてくれたのがこちら。


すっきりとしているでしょう。
紫色と橙色の細かな格子です。


彼女に言わせると「狂言師の着物」ということだそうです。
たしかに太郎冠者や次郎冠者は、こういう格子柄の着物を着ていますね。


これは、自分では絶対に選ばないような反物でした。
でも意外と便利そうです。
帯合わせも楽しめそうです。

ということで、こちらの反物を仕立てていただくことにしました。
裏地はきれいな紫色にしました。

やはり「餅は餅屋」ですね。
Yさんは、私に似合うものを見つけ出してくれました。
ありがとうございます。

この着物は年内に仕立て上がるそうなので、楽しみに待っています。

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この日の装い。

黒地に黄色の大島紬。


帯は、たんすやさんのセールで買ったモノ。
割と皆さんに評判の良い帯です。


やはり総柄の帯は、締めるのが楽で良いですね。



2017年11月28日火曜日

アルカン・ピアノリサイタル

先日、知人の息子さんのピアノリサイタルに出かけました。
会場は地元のホールでした。

演奏する曲は、アルカンという作曲家のものでした。
私はモーツァルトやベートーベンなら聴いたことはありますが、アルカンという人は初めてでした。
なんでも19世紀のフランスの作曲家だそうです。
ピアノの曲ばかり書いていたそうです。
こういう方です。

(写真はウィキペディアより拝借しました)

ピアニストは森下唯▼さんという方で、芸大在学中の頃から、アルカンの紹介をされていたそうです。


会場はどちらかというと若いお客さんでいっぱいでした。
ファンが多いのだと思いました。


第一部では、左手だけで弾く曲、右手だけで弾く曲を演奏されました。
こういう曲もあるのだと思いました。
練習曲だそうです。

第二部は短調の練習曲で、とても素敵な曲ばかりでした。
小柄な体をフルに生かして、力強く演奏していました。
指が躍動しているようでした。
時には手を交差させたり、鍵盤の右から左まで全部使っての演奏でした。

そしてアンコールでは、長い曲を2回も披露してくれました。


その後も拍手が止みませんでした。
最後にピアニストが登場してきて、そっとピアノの蓋を閉めて退場しました。

その後はサイン会やCD販売もしていたようです。

本当に素晴らしい演奏で、是非、また聞いてみたいと思いました。


こんな息子さんがいるなんて、羨ましい限りです。

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この日の装い。

いつもの着物より少しばかり華やかなものにしました。
絞りの着物です。


実はこれは以前、奈良に行った時、リサイクル品屋さんで千円で求めたもの。
裏地が少し汚れているのですが、表はとてもきれいなのです。

帯は梅屋さんの白の市松模様の名古屋帯です。
ちょっとオシャレするときには便利な帯です。


2017年11月27日月曜日

新宿から初台まで

先日、文化服装学園博物館で更紗展を見た日▼は、風は冷たかったのですがとてもお天気がよかったので、新宿駅までの地下道を潜らずに、お隣の駅の初台まで歩いて戻りました。


都庁を眺めながら、秋の道を歩きました。
黄色になったイチョウがとてもきれいでした。


甲州街道をずっと歩いていくと、初台のオペラシティ▼に到着します。
このあたりはオフィス街なので、サラリーマンが闊歩している姿が多いですね。

目印の巨人さんが、大きなクリスマスツリーを見上げています。
もうここは、冬の装いです。
夜にはイルミネーションが点火して、とてもきれいなようです。


オペラシティにはコンサートホールはもちろんのこと、美術館や、飲食街などもあり、京王線と直結しているのでとても便利です。

たまにはここでオペラを見てみたいものですね。


2017年11月26日日曜日

「源氏物語を原文で読む会」2017年11月

なんとか頑張って、「源氏物語を原文で読む会」に続けて参加しています。

今回は「賢木」の続きの部分でした。
いつも主催者の真木野さんの解説や、源氏物語にとても深い知識をお持ちのTさんの説明に助けられています。

この日は、年内最後の会だというので、いつもより時間をたっぷりとって、おしゃべりタイムも充実していました。

源氏物語のストーリーから派生して、当時の人たちは実際は体臭が臭くて、それでお香を焚いていたのではないかとか、道路には牛車の糞が落ちていたのではないか、とかそんな話もでました。

こちらは源氏物語関係の参考書です。


いろいろなことを研究している人がいるものですね。

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この日の装い。

夕方には雨の予報だったので、黒地に黄色の模様が入ったリサイクルの大島紬にしました。


予報通り、帰りには少し濡れてしまいました。

帯は未使用のリサイクル品です。
こういう民芸調タイプの帯を締めたのは初めてです。
ただし定価の7割引き、おまけに買い物券を使ったので、ごくごく格安で手に入れました。
裏がないので、軽くて締めやすい帯でした。


後ろ姿は写真がぼけてしまいました。

2017年11月25日土曜日

「更紗」展

先日、文化学園服飾博物館▼で開かれていた「更紗」の展覧会最終日に間に合ったので、出かけてきました。


この博物館は私のお気に入りの場所なのです。


その理由として、
▼安い(入場料はワンコイン)
▼近い(新宿なので便利です)
▼狭い(広すぎる博物館や美術館は疲れるので苦手)
▼分かりやすい(説明の文章が分かりやすくて的確)
▼人が少ない(穴場のようで、ゆっくりと鑑賞できます)
などが挙げられます。


「更紗」というのは、広義にとらえると、インドで生まれた技法で、主に木綿布に手描きや型を使って文様を表したものです。

その頃は当然、化学染料はありませんでしたので、茜で色を付けていたようです。
この茜にミョウバンを加えると赤になり、
茜に鉄を加えると黒になる、ということを利用して、美しい文様を作り出したのが、更紗の原型のようでした。

そのインド更紗ですが、当時の大航海時代の影響で、西に行ってアラビアやアフリカ、イギリスやフランスなどのヨーロッパに伝わりました。
また東に行くと、インドシナや中国、日本に伝わりました。
そしてそれぞれの地域で、独自の発展をしていきました。

日本へ更紗が入ってきたのは、室町時代だと言われています。
インドやヨーロッパから伝わってきました。

最初は袱紗や、お茶道具を入れる袋物や、武士の陣羽織などに使われていたようです。

その後、鍋島更紗が独自のものとなり、反物にもなり、着物や帯にも使われるようになりました。

こちらは江戸時代の三井家に伝わる小袖ですが、更紗模様と杜若の絵ががミックスされているものです。

その後、明治時代になると型友禅となり、また化学染料の発達により、量産できるようになりました。

そして戦後は更紗の素材も絹、ウール、ポリエステルなどに広がっていき、留袖や訪問着にも更紗が応用されました。

いろいろな地域、いろいろな時代の更紗が展示されていましたが、私が注目したのは、昭和30年代の婦人雑誌でした。
当時の着物ページが開かれていましたが、今見ても、モデルさんはかっこいいし、スタイルもよいのです。もちろん更紗の着物も素敵でした。
たぶん、母親世代はこのような雑誌を見ていたのだろうと、懐かしく感じました。


更紗というと特別なイメージがありましたが、この展示会を見ると、どんな模様でも更紗が変化したもののように思われました。
あれもこれも、更紗の仲間のように感じました。

こういう衣類の展覧会を見ていると、いつも思うことがあります。
それは衣類は本来は暑さ寒さに対応するものであり、周囲の敵から身を守るものにすぎません。
ところがいつの時代でも、どこの地域においても、他人とちょっと違ったものを着てみたい、目立つものを着てみたい、という個性的な人がいたおかげで、様々な色や文様が生まれてきました。
初めは単に人との区別だったかもしれませんが、だんだん、お洒落をする心や、もっと違ったものを着てみたいという意欲が増加したのでしょうね。
そして現代の私たちは、あらゆるジャンルの衣類を楽しむことができるのです。
先人たちの知恵や苦労に、感謝しないといけませんね。

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この日の装い。

リサイクルの大島紬です。
ちょっと身幅が広すぎるのですが、黄色の模様が気に入って買ってしまったものです。
(写真では模様が分かりませんね。)


帯は、更紗展ということで、ちょっと異国情緒のある、鹿の模様の帯にしました。
鹿は有栖川文様にも描かれていて、高貴な動物なようです。


ただし私はクリスマスシーズンになると、鹿がトナカイのようにも思えて、よく締めている帯です。


2017年11月24日金曜日

「うめ婆行状記」

私の大好きな時代小説作家・宇江佐真理さんがお亡くなりになって、ちょうど2年経ちました。
彼女の新作はもう読めないのかと思うと、本当に残念です。
宇江佐さんは私と同じ年でしたので、やはりもっと長生きしていただきたかったですね。

その彼女の遺作と言える作品が、この「うめ婆行状記」です。
未完の小説と言ってもよいでしょうか。


これは宇江佐さんが、ガンに侵されて、もう命は長くはないとお分かりになって書かれたものです。
そして未完のまま、朝日新聞に掲載されました。

その後、単行本として刊行されました。

内容は中年女性が主人公のお話ですが、ごく日常的なあれこれを綴っていて、時代小説とはいえ、現代に生きる女性の話としても読めるものです。

商家の娘に生まれた「うめ」さんが、ほんとうは気に入らないけれどお武家さんの家に嫁ぎ、そしてダンナさんが亡くなった後は、堅苦しい生活から抜け出して、「もう私一人で自由に生きたい」ということで、一人暮らしを始めるお話です。

とはいえ、周りの家族に振り回されたり、ご近所の人たちに助けられたり、そして病気になってしまったりと、いろいろなアクシデントに立ち向かっていきます。

この頃はうめさんはおばあさんとはいえ、たぶん50歳くらいだったでしょうか。
現代的感覚でいえば、70歳くらいに当たるかしら。
その年になって一人暮らしをするというのは、やはり冒険ですよね。
でも「うめ」さんは、なんとかやってのけてしまいます。

この「うめ」さんこそ、宇江佐さんの分身であるのだろうと思いました。

あとがきは、これも私の大好きな時代小説家である諸田玲子さん。
お二人はとても仲が良かったそうですが、すてきな文章を書かれています。

私もあと何年かすると、うめ婆のように一人で生きることになるかもしれません。
そのとき、うめ婆のように、明るく元気に生きることができるでしょうか。

それにしても宇江佐さんの小説をもう読むことができないのは、本当に悲しいことです。
これまでの作品を何回も読み直しています。

2017年11月23日木曜日

「染職人の感謝祭」@神楽坂

先日、神楽坂の毘沙門天で開かれた「染職人の感謝祭」▼に行ってきました。


少し前に新宿区内で開かれた「紺屋めぐり」▼に行けなくて残念だったのですが、同じ職人さんの作品が、こちらで一堂に見られるというので、出かけてみたのです。


毘沙門天の奥にあるお部屋で開かれました。
「新宿区染色協議会」▼が主催しています。

会場には江戸小紋、江戸友禅、手描き物などが展示されていました。


洒落た江戸小紋。

こちらは二葉苑の反物。


大胆な振袖には、実は動物が描かれていました。
富田篤さんの作品。
キツネやライオン、虎なども森の中に隠れていました。
とてもカラフルで、素敵なものでした。


こちらは私が一番気に入った帯。
西澤幸雄さんという方の作品です。
この方は80歳を超えている方だそうですが、とてもきれいな色でパッと目につく素敵な絵を描いていました。


記念に一緒に写していただきました。
こちらで求めれば、デパートなどで買うよりもかなりお安い、ということでしたが、そうそう気楽には買えませんね。
今回は眺めただけでした。


新宿区内には13名の「新宿ものづくりマイスター 技の名匠」がいらっしゃるそうです。
みなさん優秀な技術をお持ちの方で、後進の指導もされているそうです。

こちらは訳ありコーナー。
ちょっと問題があるという帯や反物が売られていましたが、どこに問題があるのか、私には分かりませんでした。


そして着物で出かけたので、半襟のプレゼントもいただいてきました。


蝶が描かれています。
ただし、半襟にうまく絵が出るかどうか、問題ですが。

たくさんの素敵な作品を拝見できて、ラッキーでした。

早朝から出かけて小腹がすいてしまったので、地元に新しくできたお店でフレンチトーストをいただきました。
ハチミツがたっぷりかかっていました。


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この日の装い。

せっかく「粋な職人」の展示会というので、私もちょっと粋に縞の小紋を着てみました。


帯は本当は20万円のものだそうですが、お太鼓の裏に小さな傷があるとかで、仕立て代込みで2万円にしてもらった帯です。袋帯を名古屋帯にしてもらいました。


2017年11月22日水曜日

ご近所のバラ

家の近くには、きれいなお花を咲かせているところがたくさんあります。

こちらはある病院の庭。
ここの病院はバラがロゴマークになっていますが、きっと院長さんはバラがすきなのでしょうね。


こちらも同じ病院に咲いていたバラです。
ぼってりとしていて美しい。


こちらは新築のおうちのお庭に咲いていたバラです。
ピンクも可愛い。


白も可愛い。

こちらの黄色いバラは、歯医者さんの玄関。
いつも季節ごとに、ステキなお花が咲いているところです。


自分ではバラなど育てることができないので、よそのおうちのバラを眺めて満足しています。