2019年6月30日日曜日

大人の文化祭 in 古民家「松本」 品川宿巡り 1

先日、大人の文化祭in古民家「松本」▼という面白いイベントがありました。
3日間に渡って、品川にある古いお店で、和の芸や技などをいろいろ体験するものでした。

こちらが会場の「松本」です。


戦前は酒屋さんだったそうです。
場所は京浜急行「新馬場」の駅からすぐのところでした。

数あるイベントの中で、私は「品川宿巡り」という歴史散歩と、「狂言体験」の二つを選びました。

まずは「品川宿巡り」からご紹介します。

これは、旧東海道の品川宿周辺を歩いて巡るというイベントです。
案内役は、ガイドしながわ▼という地元の観光ボランティアさんでした。
このグループは品川区の観光・史跡案内を行う団体で、平成13年(2001年)に設立されたそうです。
現在は20名くらいの方が活躍されているとのお話でした。

このお散歩は2日間、同じコースで行われました。
前日は、雨の中を7人の参加者が歩いたそうですが、私が参加した時はどんよりとした曇り空で、傘がいるのかいらないのか判断できない天候でした。
かなり多くの参加者を見込んでいたようですが、実際の参加者は3人で、それに対してガイドさんが2人もいて、とても贅沢なお散歩となりました。

スタート前にガイドさんから、品川について、ざっと説明がありました。

品川という名前は、「目黒川」の別名であったという説があるとのこと。
また品川というと、すぐに「東海道五十三次の最初の宿場」というイメージが涌いて、江戸時代に発達した町だと思いますが、実はそうではなかったのです。
品川は古くは縄文時代から人が住んでいたところで、奈良時代から発達した町だそうです。
もちろん江戸時代には本陣として発達しました。
その後の明治、大正、昭和、そして平成にもさまざまな面で発達して、それぞれの時代の建物が見られるのも特徴のある町なのです。
下の写真は、手前から順に、古い時代の建物が一堂に重なって見える貴重な場所です。


さて、この品川宿巡りを通して感じたことは、これまで私が体験してきたことや、旅行に出かけた先での出来事などが、「みんな繋がっている」ということでした。

ちょっと思い出したことだけ、書いておいてみます。

【その1】私の地元にある旧品川道は、品川の荏原神社と府中の大國魂神社を結ぶ道だったということ。
大國魂神社の祭で使われる清めの水は、品川の海の水だったのでした。
先日、大國魂神社で流鏑馬▼を見ましたが、その時、ここで源頼家が先勝祈願をしたという説明がありましたが、それは源頼家、義家親子が奥州へ遠征した時、品川の海から海水を汲んできて大國魂に祈願したことに始まる歴史のある行事だということでした。
つまり、品川と府中との関係は昔から深いのでした。
また、武蔵国の国府である府中ですが、近くには多摩川が流れているので、行きは多摩川上流で採取した材木を川で運び、帰りは人だけがこの道を戻ってきた、と言われています。

【その2】韮山の反射炉に行った時▼、江川太郎左衛門の指揮のもと、そこで作った大砲をお台場まで運んだという話を聞きましたが、そのお台場は、品川にある台場小学校の場所だったという発見ができました。

【その3】2014年に市民カレッジで「富士山信仰」を習ったとき▼、都内各地の神社の富士山信仰の話を聞きましたが、品川神社にある冨士講にもいつか登ってみたいと思っていました。
今回は品川にある富士山の5合目まで上ることができました。

【その4】井伊直弼の話が好きで、彼の足跡をあちこち辿っています▼が、今回のお散歩では、直弼が開山したという旧東海道にある一心寺にも行くことができました。

【その5】染物体験などで利用させていただいている地元の祇園寺▼には、自由民権運動の板垣退助が植えたという松がありますが、品川神社には、彼の墓がありました。

こんなふうに、自分の足で歩いてみたり、体験したりしてみると、いろいろな歴史が繋がっているというのが分かるのでした。


2時間後、無事、出発点の「松本」に戻ってきました。
ボランティアガイドさん、どうもありがとうございました。
本当に楽しいイベントでした。

品川宿巡りのコースについては、のちほど報告しますね。


2019年6月29日土曜日

「花の生涯」上下

私は諸田玲子さんの小説「奸婦にあらず」が大好きで、同じ人物が登場する舟橋聖一の「花の生涯」を一度は読んでみたいと思っていました。

舟橋聖一という人は、今の人はあまりご存知ではないとは思いますが、昭和のころには結構、有名な小説家でした。

「花の生涯」は、昭和27年から28年にかけて毎日新聞に連載された新聞小説でかなり古い小説なので、図書館にリクエストをしていました。


またこの小説はどうして有名かというと、1963年(昭和38年)、NHK初の大河ドラマの原作となったので、大河ドラマの歴史を語る時に話題になる小説です。

当時のテレビでは、主人公の井伊直弼は尾上松緑、ヒロインの村山たかは淡島千景が演じて、直弼の懐刀ともいうべき国学者・長野主膳は佐田啓二、水戸の斉昭はなんと嵐完寿郎が演じたそうです。

私はたかの足取りを訪ねて、彦根城に行ったり▼、たかと縁のある多賀大社に行ったり▼直弼とたかのあいびきの場所だったお寺に行ったり▼直弼の墓のある豪徳寺に出かける▼ほどのファンでした。

それほど「奸婦にあらず」は美しく、毅然とした女性を描いたものでした。


「奸婦にあらず」中のでは、たかは直弼一筋に生きる一途な女性で、直弼の志を叶えるためには忍びの女として行動をしていた、と描かれていたのですが、「花の生涯」では、単に男を手玉に取る浮気な悪女のように描かれてしまっていて、残念でした。

ただ、「花の生涯」は戦後10年も経っていない時代に書かれていたので、女性の扱いに関しては、今では想像もできないほど通俗的で、なんというか品のない扱いになっています。
それは仕方がないことかもしれませんが、読んでいて納得がいきませんでした。

とはいえ、「花の生涯」の主人公、井伊直弼に関してはよく描かれていたと思います。
鎖国から開国に至るまでの彼の苦悩や、ハリスたちとの交渉の駆け引きや、尊皇派との争いなどの歴史的側面については、細かく描かれていたと思います。
また「唐人お吉」についての話もよく分かりました。
この小説は直弼が主人公なので、直弼には味方をしていますが、調子のよすぎる場面展開があったりして、読んでいて「これはないだろう」と思う個所もいくつかありました。

結局、直弼は桜田門外の変で暗殺され、長野主膳も殺されました。
たかは三条河原町で三日三晩の磔となり、生き晒となりましたが、一命はとどめて、その後は京都のお寺で尼になりました。
金福寺というお寺ですが、いつか訪れてみたいと思っています。

一人の人間にはいろいろな側面がありますが、小説として描くときには、主人公に対して愛情のある描き方をしてもらったほうが、読み手には気持ちが良いものですね。

2019年6月28日金曜日

能楽鑑賞教室

先日、国立能楽堂で能楽を鑑賞してきました。


そののチケットは、いつも食料品などを利用している生協のパンフレットでたまたま見て購入したもので、「鑑賞教室」ということで、若い世代に伝統文化を伝えるための公演です。
リーズナブルなお値段なので、助かります。


会場へ向かう道は、フランス人らしき人たちの集団といっしょでした。


雨に濡れる能楽堂のお庭です。


会場には多くの中高生がいて、開演前はとても賑やかでした。

まず「能楽のたのしみ」という解説がありました。
会場にいた人の9割ほどは、能を見るのが初めて、という人ばかりでした。

高校生の男女各1名ずつと、中学生の男子1名が舞台に上って、司会者の能楽者の指導のもと、いろいろと演技をしました。
また会場にいる他の多くの生徒やお客さんたちも、一緒に声を出してみました。
若い人たちは、面白ければすぐに反応をするので、面白いですね。

鑑賞教室には、分かりやすい説明が書かれている小冊子が配布されます。


狂言「文山立(ふみやまだち)」は山賊二人のお話で、分かりやすい内容だということでしたが、私にはちょっと分からないところがありました。

休憩時間には、展示室で能面や装束を見ていました。


能「船弁慶」は面白かったですね。
小冊子には、こんな漫画で紹介されていました。
これなら中高生にも、分かりやすいでしょうね。


「船弁慶」は長唄三味線でもよく演奏される曲ですが、こういうお話の曲だというのは、はっきりと知りませんでしたので、漫画が役立ちました。

義経、弁慶、静(後半は知盛の怨霊)もそれぞれ迫力があり、それぞれの役にぴったりのように思いました。
またアイ狂言の船頭が面白くて、とても魅力的でした。

いつも「謡音読会」で指導していただいている小早川先生が地謡をされていました。

終った後、どこかでランチをしようと思いましたが、千駄ヶ谷周辺も、新宿駅周辺もなにかピンとくるお店が見つからず、結局、家まで空腹のまま、戻りました。

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この日の装い。

かなり雨が降っていたので、セオアルファーの着物です。


 黒に紅葉模様の帯。


透けた羽織にも、紅葉の絵柄がついていました。



2019年6月27日木曜日

「日本橋きもの倶楽部」@四谷三丁目

これまで日本橋で開催されていた「日本橋きもの倶楽部」▼が、会場を四谷三丁目に移しました。
その第一回目のオープンと同時にお邪魔してきました。

今回のテーマは紫陽花でした。
雨に似合う花ですね。
その日も、ちょうど雨が降っていました。
通りがかりで見かけた紫陽花です。


私も紫陽花模様の帯を締めて出かけました。

雨が降っていたので、写真がうまく写せませんでしたが、会場は三味線でもお馴染みの「那胡の会」です。


スタッフのみなさまとご一緒に記念撮影。


今までと違って、畳のお部屋なので、良い感じです。
試着もしやすいですね。


今回は傘屋さんも出店されていました。
傘を刀代わりにされたかたもいらっしゃいましたよ。


新装オープン記念に、ちょっとクッキーを差し入れしました。
北斎の箱がよいでしょ。


今回はレトロな感じの夏着物と、ワンコインの帯揚げ、帯締めをいただいてきました。
どちらも役立ちそうです。

この日は雨が降ったりやんだりでしたので、雨宿りしてしまいました。

その後は、新宿方面まで歩きました。
お目当ては、「追分だんご」▼のかき氷です。
宇治金時にしようかとも思いましたが、今回はシンプルに、あずきだけのかき氷です。
氷の下の見えないところにも、あんこがぎっしりと詰まっていました。


お団子屋さんだけあって、さすがにあんこがおいしかったです。

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この日の装い。

いただきものの夏着物。


それにテーマの紫陽花の帯を締めました。


(日本橋きもの倶楽部の写真は、一部、facebookより借用しました)

2019年6月26日水曜日

源氏物語を楽しむ会 2019年6月

細々と続けている「源氏物語を楽しむ会」ですが、今回のお話は、明石に流された光源氏が、明石の入道の娘と関わりをもつようになるところです。
入道という人は、自分の娘は高貴な方の妻になるはずだと信じているので、光源氏はそのお眼鏡にぴったりの人だったのでした。
私は明石の君は二十歳くらいの女性かしらと思っていたのですが、まだ18才だというので、ちょっと驚きました。
まぁ、平安時代ならそれほど若くはないのでしょうが。

私たちは素人なので、いろいろなもののお世話になっていますが、今回はこちらの漫画「あさきゆめみし」も参考にしました。
大和和紀さんの絵がとても美しい漫画です。


光源氏の兄である帝は目の病にかかっているのですが、漫画では、はちまきのような布を目に当てていましたよ。

私たちは、分からないところは、電子辞書や、グーグルさんのお世話にもなっています。
古語の分からない単語に出会うと、すぐに調べるようになりました。
語源が分かると、なんとなく頷けることがありますね。
また図鑑も役に立っています。

源氏物語はまだまだ先が長いので、のんびりやっていきます。

ところで私たちが利用している区の施設では、使用時間が、午前の部、お昼の部、午後の部、夜間と分かれています。
それぞれ1時間100円という安さです。
さすがに世田谷区、太っ腹ですね。

今回はお昼の部の利用だったので、ちょっと早めに到着して、施設の1階にあるカフェでランチをいただきました。


サラダ付きのキーマカレーにしました。


ここは、社協が運営しているので、とてもお安いのです。

こちらはかっこいいUさんです。
浴衣だそうですが、竹の模様がキリリとして映えていますね。


読書会が終了した後は、お隣の駅にある足袋屋さんまで足を伸ばしてみました。
皆中▼という問屋さんのようなところです。
足袋というと、茶道や日舞などの他にも、いろいろな用途があるのですね。
能楽専用の足袋というのもありましたよ。


こちらのお店は、水道橋にある能楽堂で出会いました。

わざわざ出かけたのは、私の足は21.5センチととても小さいので、なかなか普通のお店では見つからないのです。
かといって、誂えるとかなり高額になり、普段にはもったいない。
皆中ですと1足600円で、在庫があれば何足でも買えるので、今回は3足購入してきました。


麻の足袋も素敵でしたが、それはまた今度にしましょう。

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この日の装い。

千円の絽の着物。
裄丈が、微妙に長くて、ちょっと気になります。


帯は麻の帯。
ネットで購入しましたが、あまり濃い色ではなくて、割と良かったと思いました。
直接見ないで決めるのは、ちょっと勇気がいりますが、これは当たりだったかな。
ネットの場合、どちらかというと実物の方が、色が薄いような気がしますね。


2019年6月25日火曜日

流鏑馬@大國魂神社

少し前のことになりますが、お隣の府中市にある大國魂神社▼で、流鏑馬の行事があったので、出かけてみました。


流鏑馬はテレビなどでは見たことはありますが、実物は初めてでした。
馬に乗って、矢を射るということは知っていますが、この目で実際に確かめたてみたかったのです。

結論から言うと、目にもとまらぬ速さで、的に矢が命中しました。
すごい技でしたよ。

大國魂神社は、とても古い神社でなんと西暦111年にできたと言われています。
今から1900年以上も前のことですね。
その後、大化の改新の時、この地に武蔵の国府を置くようになりました。
時代が下り、鎌倉時代になると、源頼朝の妻・政子の安産祈願もここでされたそうです。
また徳川家ともゆかりが深く、社殿の建築にも関わりのあった神社です。
 

こちらは、流鏑馬が始まる前の馬たちの様子です。
4頭いたと思います。


流鏑馬の前には、武者行列がありました。
市長さん、市議会議員さんたちもそれぞれ装束をつけて、町を歩きました。
先頭は外国人の方でしたが、とても堂々とされていましたよ。


甲冑をつけて、何やら寸劇をしている人もいましたね。


女性の壷装束もいました。
この後には、普通の着物を着た、一般の方も行列されていました。


幼稚園の子供たちは、段ボール?のようなもので作られた甲冑をまとっていましたが、とても可愛らしかったですね。


その後、長い祝辞があって、ようやく行事が始まりました。

こちらの的に当てるのです。
2か所ありました。


境内の長い道を馬に乗って走り、2か所に弓を射ます。
左に座っている3人は、審判です。
命中すると、さっと旗を上げていました。


動画も撮りましたが、あまりにスピードが速くて、うまく写せませんでした。
1か所だけでも命中させるのは大変なのに、2か所とも命中させた人もいました。


馬に乗り、重い衣装を付けて、そして弓を引くとは、本当にすごい技だと思いました。

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この日の装い。

かなり暑い日でしたので、絽の着物にしました。
とはいえ、ポリの絽です。


着物だけ見ると、こんなふうに透けているのですが、黒の長襦袢にしたので、あまり目立たないでしょ。


帯は麻の黄色のグラデーションですが、色が飛んでいますね。




2019年6月24日月曜日

2019年6月 日帰り京都 4 京都タワー

私が雨女だということは何回も書いていますが、このところ、どういう訳か、雨女を返上しています。

というのも、最近の旅行では、東京はザーザーぶりだったり、丸一日大雨ということが多かったのに、旅行先ではまるで濡れないことが続きました。
今回の京都旅行も、またもやラッキーなことに、雨とは無縁に過ごせました。
念のため、折りたたみ傘を持参しましたが、日傘として使っただけでした。

ということで、晴れていたので、京都タワーに登ってみることにしました。
みなさん、ご存じのところだとは思いますが、意外と上まで行く人は少ないようですね。


1階のチケット売り場には「視界良好」という案内が出ていました。
展望料金は770円なのですが、お土産屋さんから割引券をもらったので、650円ですみました。

こちらはエレベーターの中の壁ですが、分かりやすいイラストが貼られていました。


11階の展望台に上りました。
京都タワーは、てっぺんまでは131メートルあるそうです。

下に見えるのは、西本願寺かしら。


こちらは東山方面かな。


私も写してもらいました。


こちらは、下の階にあった絵画です。


そうそう、京都タワーの地下にはお風呂屋さんがあるのですよ。
誰でも利用できて、私も2回ほど利用したことがあります。
夏など、暑い時にはざっと浴びてから新幹線に乗ると、気持ちが良いものです。

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この日の装い。

東京が大雨でしたので、雨に濡れても大丈夫なポリエステルの着物にしました。
墨流しのような模様です。


帯もポリエステル。


そして羽織もポリでした。


足袋には防水スプレーをして出かけたのに、雨には濡れませんでした。