2019年11月28日木曜日

「江戸城大奥に奉公した多摩の女性」

少し前に、「江戸城大奥に奉公した多摩の女性」▼という地域文化講演会に行ってきました。


これは地元の郷土博物館と、「史談会」という歴史グループが共催した講演会でした。

講師は畑尚子さんという國學院の非常勤講師の方で、江戸時代の大奥や奥女中の学術的研究をされていらっしゃる方です。

講演にはレジュメと家系図が配布されて、その両方を見ながらお話を聞きました。


「大奥」というと華やかな世界を思い浮かべますが、今回の女性たちは、将軍に愛された側室のような女性たちのではなく、御殿女中に仕えていた、もっともっと格下の身分の女性たちが対象でした。

取り上げられたのは、青梅の生まれの「たみ」さんと、日の出町の「藤波」さんという二人の女性でした。
たみさんは、家斉の息子のおうちの御末として奉公にあがりました。
奉公をするときは、本名で働くのではなく、女中名を貰うそうです。

大奥勤めをしていたというと、彼女たちの実家が潤ったということが資料から見られました。

特にたみさんは実家が青梅の太物(織物)を商売していたので、大奥とつながりができたことによって商売が繁盛して、彼女が退職するときには、いろいろなものを賜ったそうです。

大奥では、格が絶対的なものですが、彼女たちの出世がテーマになった「奥奉公出世双六」というのがあるのは、面白かったですね。
こちらの下の図は、歌川国貞のものです。
奥女中の役職ランキングとでもいえるものです。


それにしても、家系図から歴史を紐解くというのは、歴史学者には「いろは」なのでしょうが、私には難しく思いました。
歴史研究には、古い文字を読み取る力(私にはまるで読めませんでした)と、当時の生活を想像する力が必要なのでしょうね。

会場には、歴史好きのおじいさまがたくさんいらっしゃいました。
私もそうですが、年配になると、やはり歴史に興味を持つのでしょうかね。

それにしても、最後の質問コーナーで、ご自分の研究成果を発表したいのか、講演の内容とは離れたような自説を繰り返し、講師にも同意を求めていた方はちょっと困りましたね。
年配になると、独りよがりの傾向が多くみられるので、なんだかイヤになるのですよね。

私も気をつけましょう。

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この日の装い。

かなりの雨降りだったので、東レシルックのポリエステル着物にしました。
細かい格子模様なので、私は「太郎冠者着物」と呼んでいます。


帯は11月ということで、少し遅くなりましたが、黒地に赤い菊の帯。
季節限定の帯ですが、赤い菊の花が気に入っています。


着物を着始めた頃、京都在住だった友人からいただいたものです。

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