2019年12月24日火曜日

二度目の句会 ~覚え書き~

先月、お試しで参加した「おしゃべり句会」▼ですが、少し続けてみようかと思い、12月の句会にも参加してきました。

場所は、前回と同じ三軒茶屋の「キャロットタワー」▼です。


この中に、世田谷区の市民活動支援コーナーという施設があり、そこにある「パオ」にお邪魔しました。

今回は主宰の上野先生の他に、新たにお目にかかった方もいらっしゃいました。
また欠席されて、俳句を投稿だけされた方もいらっしゃいました。
比較的、自由な会のようです。

前回の時は、本当に初体験のため、句会のシステムがまるで分からなかったのですが、今回は、こちらの文庫本を読んでいたので、少しは句会の流れが分かるようになりました。


「桜木杏、俳句はじめてみました」という本です。
杏さんは、お母さんが俳句をしていているので、お母さんに連れられて句会に初めて参加します。
句会に参加するうちに、かっこい先輩男性や、指導者の先生、面白いおじさん、年上の女性などに接し、彼女も成長していく、というお話です。
当然、その中には、いろいろな俳句が散りばめられています。
またいろいろな決まり事も分かるように、書かれています。
これから俳句をしてみる人には、句会の仕組みも分かるような本でした。

さて今回の句会では、12月の兼題である「年の暮」と「毛布」を読み込んだ俳句を、みなさんが一人5句ずつ用意してきました。

それを細長い短冊に、一句ずつ書き写します。

そしてその短冊をシャッフルして、各自に配布して、このような清記用紙に書き出します。


そしてその中から、自分が良いと思った俳句(自分以外の句)を、今度は選句用紙に書き出します。

それを集計して、得点(?)が多かった俳句について、先生から講評があります。

また点をもらえなかった俳句については、先生や参加者の間でその理由を考えたり、添削してもらったりするのです。

他の人が良いと思った句は、私も良かったと思ったものもありましたが、反対の場合もあり、人それぞれだと思いました。

私の場合、俳句はまるで初心者なので、みなさんからの人気(?)はありませんでしたが、点をいただいたのもありました。
こちらです。

「幼な子は好みの毛布抱いて寝る」

この句は、私の娘や孫は、いつも気に入った毛布をしっかりと抱いていると、安心して寝てくれた、という事実を元に俳句にしたものです。


さて、先生の講評の中で、気になったことを、ちょっとまとめてみました。
大事なポイントは、
「説明だけで終わってはならない」と、
「独りよがりの俳句になってはならない」ではないかと、思いました。

「説明だけ」というのは、当たり前のことは、あえて俳句の中で述べなくても分かるというのが理由のようです。
そういう説明に大切な17文字の一部を使うよりも、別のことを語った方がよい、ということかもしれません。

また「独りよがり」というのは、作った人だけが分かっていて、他の人には何のことかよく分からない、あるいは違った捉え方をしてしまう恐れがある句はまずい、ということだろうと思いました。

例えば私が作った俳句

「襟元に風が入って年の暮れ」

は、着物を着ていると、冬には襟元がスースーして、年の暮れを感じる、ということを伝えたかったつもりでした。
ところが、それはいつも着物を着ている私だけの体感の感想であり、洋服を着ている人にはピンと来ないだろうということでした。
また「風が入って」はおかしいので、「風すり抜け」にしたらどうか、という提案も受けました。
それで修正したのがこちらです。

「衣紋抜き風がすり抜け年の暮れ」

です。
これだと作者(私)は着物を着ているのが、分かるというのです。
なるほどね~。

またもう一つ、私の作を例に挙げますが、「毛布」を使って

「独り寝は毛布かぶって熱さます」

という句も作ったのですが、これも解釈が分かりにくいということでした。
私としては、風邪を引いて病院に行く時間もなく、一人で薬を飲んで部屋で寝て、侘しい気持ちで熱を下げていた、というつもりでした。
ところが、他の方から見ると、そうは捉えにくくて、アルコールを飲み過ぎて毛布にくるまり、「酔いを覚ます」ような状況ではないか、と捉えられてしまいました。
なるほどね~。

一つ句であっても、人それぞれ、年齢や環境や経験によって、いろいろな解釈の仕方があるものだと、痛感しました。

こんなふうにして、句会で勉強させてもらっています。
続けて行けば、少しはサマになるかしらね。

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この日の装い。

かなり寒い日でしたので、厚手の紬にしました。
地元のブログ友達のお母様が着用されていた、という着物です。
寸法がぴったりなので、愛用しています。


帯は、少し前にリサイクルで購入したモノ。
黒い縁取りが、熊谷守一の絵のようだと思っています。


「ひでや」さんの半襟を使いましたが、帯と両方に色を使ってしまって、ちょっとくどかったかもしれません。
頭で考えていた時は、合っていると思っていたのですが、着てみるとなんだかダサくなってしまいました。

着物も、俳句も、難しいものです。


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