2007年11月28日水曜日

少女パレアナ


そういえばね、小学校の3年生か4年生の頃、図書の時間というのがあったの。生徒たちはみんな図書室に行って、そこで自分の好きな本を読んで良い時間だったの。どんな本を選んでも良いし、感想文を書く必要もなかったし、とても楽しい時間だったわ。

図書室では、「書見台」という斜めになっている本立てに本を乗せて読むのだけど、そうすると背筋が伸びたようで気持ちが良かったの。

その頃、小学校の図書室にはたしか、「世界少女全集」とかいうのが揃っていて、「若草物語」とか「赤毛のアン」とか「秘密の花園」とかいうような女の子が主人公のストーリーの本がたくさんあって、私はそれが大好きだったの。

その全集はかなり分厚かったけれど、子供向きにリライトしてあって、おまけにイラストもついていたのよ。イラストというより、むしろ「挿し絵」という雰囲気のきれいな絵が描いてあって、とても読みやすかったな。
たいていアメリカやイギリスの本で、村岡花子さんの訳が多かったと思うわ。でも「悲しみの王妃マリーアントワネット」というよな本もその全集で読んだのよ。「パンがなければ、お菓子を食べればいいでしょう」という有名なセリフも、この世界少女全集で読んだと言うわけ。

そういう女の子向きの本のなかで、私が特に好きだったのは、「少女パレアナ」という本。
ストーリーはあまりきちんと覚えていないのだけど、孤児院で育ったパレアナが、おばさんのところに引き取られるのだけど、その子はいつでもどこでも、「幸せ探し」をするのが上手なの。そして、どんな困難な状況にいても、何でも良いふうに受け取って、そういう状況に感謝して生活しているの。多分キリスト教が下地になっている本だと思うのだけど、私の子供の頃の愛読書でした。

この本は何年かたって、テレビで「ポリアンナ」とかいうアニメになったらしいけど、その頃はもう大人になっていたので、見る機会はありませんでしたけどね。

そんなふうに、10歳くらいまではパレアナが大好きだったのだけど、5年生の頃になると、「シャーロックホームズ」とか「怪盗ルパン」とか「明智小五郎」とかの探偵小説に転向してしまい、パレアナのことは忘れてしまいました。

でも今でも、ふと気がつくと、パレアナに教わったように、「毎日の生活の中で、どんな小さなことでも、何か楽しいことを見つけましょう」という気分になっていて、そういう気持ちは持ち続けているのです。

夜、眠りに入る前に、「あー、今日はとてもいいことがあったわ」と振り返ることができたら、それだけで幸せですもの。
今日だってね、職場で天井の電球が切れてしまったのだけど、190センチもある背高のっぽの学生がすぐに新しい蛍光灯と取り替えてくれたり、180センチの学生とは、猫談義に花が咲いたし、そんなことでも嬉しくなるのです。

少女だったパレアナも何十年かしたら、おばさんになってしまったかもしれないけど、でもあの頃、読書に親しむ経験ができたのはラッキーだったわ。
読書を通して、自分の知らない新しい世界を見る、というのはとても嬉しい。そういう気持ちは、ずっと忘れたくないのです。

3 件のコメント:

  1. パレアナ!私も好きだった、何度も読んだ。5年生の夏、扁桃腺の手術をしたのだけれど、寝ている時に、ホームズ!6年生の時は、なぜか、サンドの「愛の妖精」が気に入って、高校まで一緒だった、K・としちゃんとその本の、貸し出しカードに書いてあったカンカンのクラスの男の子を突き止めて、大騒ぎした。懐かしい~

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  3. トントンの読書暦を教えてくれてありがとう。そうか、みんな、パレアナが好きだったのね!
    その男の子って誰だろう? 私も知っている人かしら?
    どうして昔のことって、いつになっても思い出せるのかしらね!

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