2008年7月13日日曜日
私の京都2
風俗博物館
こういう博物館があるということはまるで知らなかったの。
たまたま源氏物語関係のところをネットサーフィンしていたら、なんと光源氏の邸宅である六條院を再現したところがあるという情報を見つけたので、小躍りしちゃったの。
そこには寝殿造のおうちがそのまま再現されていて、当時の生活様式が分かると書いてあったのよ。
住所はと見ると、西本願寺の近くにある「井筒法衣店5階」とのこと。
法衣って、お坊さんの衣装のことでしょ。どうしてそんな場所に光源氏がいるのか、不思議でしたが、出かけてみました。
風俗博物館は、たしかに法衣店の上にありました。
お坊さんが着る衣装や袈裟や仏壇関係の小道具などを売っているお店。
こういうお店があるというのは、さすがにお寺さんの多い京都ならではね。
風俗博物館は昭和49年にオープンして、その後、平成10年(1988年)に「源氏物語 六条院の生活」としてリニューアルされたそうよ。
ここには六条院を4分の1の縮尺で再現してあるんですって。
六條院というのは、光源氏が自分が関わってきた女性たちを一堂に集めたおうちなの。
全体を4つに分けて、春夏秋冬の季節ごとに、それにふさわしい女性の住まいにしてあるの。
とはいえ、全体では約63,550平方メートルくらいあったというから、どれくらいの広さなのかしら。
普通の博物館というと、撮影禁止なんだけど、ここは写真OKなので、少し紹介しましょ。
とにかくきらびやかできれいです。
このミニチュアには、源氏物語の中のさまざまなシーンを年に2.3回取り替えて、飾ってあるんでって。
今回はちょうど春の部と夏の部の入れ替えが終わった時期で、六條院が完成して、女性たちが集まってくるシーンでした。
これは女三宮が牛車から降りる場面
これはその女三宮の到着を見る紫の上と光源氏。
お人形さんの顔もとても可愛いし、衣装や小道具もとても丁寧に作られています。
これは陰陽師。牛を引っ張る綱が見えるでしょ。
この牛は場所を動かすことによって起こる魔よけのようなものらしいわ。
これは藤原道長に源氏物語を説く紫式部という説明がついていたわ。
これは女房たちの生活シーン。
祭りのために綿を作っているところ。
彼女たちって、けっこう仕事がいろいろあったみたいよ。
染物をしたり縫い物をしたりしていたみたい。
それに紙を折ったり、糊付けをしたりと、物語を写し取って、それを製本する作業も彼女たちの仕事だったのね。印刷技術などなかったわけだから、彼女たちが手作業で書きつ写していたわけね。
その当時の人々の生活風習や遊び道具、調度品も飾ってあるの。
これは「無間地獄」の屏風でした。
展示室の隣には、十二単の試着ができるコーナーがあるの。
それも単に着るだけではなくて、几帳(きちょう)の中で、当時の姫君になりきることができるの。
几帳って狭いのよね。
ちょうど2畳分くらいかしら。
これだけの広さが当時の女性の活動範囲だったわけね。
この中で彼女たちの衣食住、そして愛の生活も行われていたわけね。
ここで男を待っているだけ、というのは、ちょっと辛いわね。
この風俗博物館が偉いなと思うところは、説明に全部、英語の訳がついていること。
それだけ外国人の訪問も多いのだろうけれど、日本語では分かりにくい表現も英語にするとストレートで意外と分かりやすいの。
たとえば 御簾(みす)はBanboo blinds
几帳(几帳)はStanding curtains
垣間見る はScreened views
こうしてみると、面白いでしょ。
この風俗博物館は私立の博物館だけれど、これだけのことを続けていくというのは、並大抵のことではできないでしょうね。入館料400円で、これだけの展示をしているなんて、すごいわ。
小物にいたるまで時代考証をしたり、衣装だって一枚一枚が手作りなのよ。
井筒與兵衛さんという社長さん自身が源氏物語の研究家のようで、当時の食べ物、衣装、建築などについての文章も書いてありました。
こういう民間の方の努力があるのも素晴らしいし、井筒さんという社長さんも源氏物語に取り付かれているのだろう、と思ったわ。
私の京都3へ続く
これは、どのくらいの大きさなのかしら・・すごくよく出来ていて、素晴らしいわね。季節によって変わるなんてまた、行きたくなりそうね・・・お姫様・・どう?重たいの?昔の人はやっぱり辛抱強かったのかしら・・
返信削除細かくよくできていましたね。
返信削除誘って貰わなければ知らない所でした。ありがとう。
としちゃんの十二単姿も可愛くてチャーミングでしたよ!
女官の仕事が面白かったです。色々と全然知らない世界でした~
そうして書き写したから今の源氏物語が世界に知られてるのですものね。
トントンのような刺繍の専門家が見たら、また違った感激があるかもしれないわ。
返信削除広さはどれくらいかな。小学校の体育館くらいの大きさだったかしら?
いずれにせよ、普通のオフィスの5階にこういう博物館がるというのは、驚きでした。
この十二単はまがいものだから、そんなに重くはなかったけれど、本物は重いかもしれない。
写真を写してもらった後で、鏡があるのに気づいたの。ちゃんと着ていればよかったのに、適当に羽織っていたので、恥ずかしい。
さとさん、西本願寺の近くにこういう博物館があるなんて、京都でも知らない人がいるでしょうね。それは東京でも同じことで、へーという場所があります。
返信削除女房たちの仕事ぶりも面白かったわね。
単に源氏と姫君の間に入る手引き役だけではなかったのね。彼女たちの世間話を聞いているうちに、面白い話があると、紫式部も物語に取り入れていたそうよ。