2008年11月12日水曜日
美しい魂
島田雅彦さんの「美しい魂」という分厚い本を読み終わりました。
どうしてこの本を読んだかって?
それはこの本が源氏物語と関係が深いということが、新聞か何かに書いてあったからなの。
「現代に息づく源氏物語」とか何とか書いてあったので、ついつい手にしてしまったのです。
でも結論から言うと、この本のどこが源氏物語と関係があるのか、よく分からなかったわ。
少し関係があるといえば、
・主人公の男の人の名前が「カヲル」さんということ。
薫といえば、光源氏の子供なんだけど、本当は柏木と女三宮の間に生まれた子供の名前です。
・このカヲルさんは養子なんだけど、そこのおうちにいた義理のお姉さんであるアンジュ(どうしてこういう妙な名前なのかしら?)が、源氏物語を研究している大学院生であるということ。
関係があるといえば、この2点くらいかしら。
それとね、このカヲルくん、子供の時にお母さんを亡くしてしまって、いわゆるマザコンというか、母想いのところが、桐壺更衣を2歳の時に亡くした光源氏と似ているといえば似ているわね。
それともうひとつ、親戚関係がややこしいのよ。
登場人物が出てくるたびに、本の最初に書いてある関係図をめくって、確認していたの。
そういうややこしいところも源氏物語と似ているわね。
この本、最初のほうは、すごく読みにくくて、図書館から借りていた期限内には読めなかったわ。
でも、あるところまで来たら、急に面白くなったの。
それはこのカヲルくんが愛している不二子さんという女性が、なんとあのマサコさまをモデルにしていると分かったところ!
不二子さんは、国連職員で、なんと天皇家の跡取りである英宮(つまり浩宮)から求婚されてしまう女性なの。
えーっと驚いたわよ。
それに天皇がお隠れになったという設定は、まさにあの昭和天皇のことじゃないの。
こういう小説が書かれて、宮内庁あたりは黙っていていいのかなーと思っちゃいました。
とにかくカヲルくんは不二子さんを愛していて、二人は芦ノ湖あたりにドライブに出かけ、モツ煮込みとかを最後のデートで食べるの。つまり皇室に入ってしまったら、そういう庶民的なものは食べられないので、その記念にというので、居酒屋さんなんかに行っちゃうのよね。
それとカヲルくんは、カウンターテナーと言って、女の人のような高い声が出る歌手なのよ。
おまけに彼の友達は雲取山というお相撲さんだったりして、なんだか真面目な小説なんだか、よく分からなかったわ。
島田雅彦の小説をちゃんと読んだのはこれが初めてだったけれど、うーん、文章はきれいで研ぎ澄まされた印象を持ったけれど、筋書きがあまりに唐突だったわね。
彼のあとがきには「すごく泣ける小説なので、タオルを用意して読んでください」と書いてあったけれど、泣くどころか、あまりにストーリーが妙なので、笑ってしまいました。
源氏物語と関連が深い小説、というので飛びついて読んでみたのだけれど、うーん、100点満点で言うと、60点くらいかしら。
とにかく、分厚い本を読み切ったという満足感はありましたけどね。
としちゃん、偉い!分厚い本を読破したのね。私には、島田雅彦はとっつきにくくて、図書館で借りてきても、最後まで読んだことがないの。この間も、「なんとか(ド忘れ)姉妹」を借りてきたのだけど、挫折。今は、重松清の「ブランケット・キャッツ」を読んでいます。
返信削除としちゃんのブログを読む限り、なんだかハチャメチャなストーリーね。
でも、島田雅彦は、けっこうカッコイイ♪
上のコメントはマサでした!
返信削除この本はあきまへん!
返信削除あてには読めまへん!
何故ならば、てふてふは見るのも怖いのです(涙)
島田雅彦さんって、有名ですが、読んだことありませんねぇ。
としちゃんさんの文章を拝見すると、事実は小説より奇なり、とか思いそう(苦笑)
でも、この装丁では無理です(笑)
本屋さんでも見なかったことにするでせう・・・
マサさん、島田雅彦って、あの外見の良さが得をしているのか、損をしているのか、どちらなのかな。
返信削除作家って、とくに女性作家はそうだと思うんだけど、あまり美男美女じゃないほうがいいのかもしれないわね。
その点、重松清ならOKかもね。
あの「美しい魂」は三部作の中の一冊らしいのだけど、他の2冊を読む気力はちょっとなくなりました。
史子さん、毛虫だけでなくて、てふてふもダメなんですか。可哀そうに。
返信削除「花と蝶」というのは、つきものなのにね。
この本は最初のほうはとにかくつまらなくて、一日1ページも読めなくて、すぐに眠くなってしまったの。
でも皇太子が登場してから俄然面白くなりました。
皇太子がこんなことを言ったかどうか分からないけれど、「私は不二子さんが今までどういう人を愛したとしても、どんな過去があろうとしても、今のあなたを愛します」なーんて、本当かいな?