セレブな町、広尾に行ったのは、山種美術館で開催されている「百花繚乱」を見るためでした。
山種美術館は都立広尾高校のすぐ前にありました。
この美術館は前から行ってみたかったのですけれど、人気のところなので、混雑を避けて、お天気の悪い平日の朝を選んで行ったのでした。
それでも中年のおばさんたち(私もそうですけれど)が群れをなして見学に来ていました。
どうして中年のおばさんというのは一人で行動できないんでしょうね?
ぞろぞろと群がって歩く人たち。
映画を見るとか絵画を見るとかなどは、好みも違うので、集団ですることじゃないと思うんですけれどね。
この山種美術館というのは元々は山崎種二さんという山種証券の創始者だった人が日本橋に建てた個人美術館ですが、今はそのお孫さんが館長さんをしています。
その山崎妙子さんは絵にかいたようなセレブな方で、美術の才能は当然優れていますが、経営能力もありおまけにすごい美人で、世の中にはこんな人がいるのかと羨ましく思う方です。
今回の展示は私の大好きな琳派から明治・大正・昭和までのお花の絵ばかり集めたものでした。
展示は春夏秋冬というように季節ごとに区切ってあり、その美しいことと言ったら、「絵にも描けない」ほど美しくて、どうしたらこんなにきれいな絵が描けるのかしらと思ったほどでした。
鈴木其一、速水御舟、川端龍子、小倉遊亀、奥村土牛、小林古径、福田平八郎など代表的な日本画の作家の作品がたくさん展示してあり、豪華版でした。
中でもこれはすごいと思ったのは、田能村直入(たのむらちょくにゅう)と言う人の「百花」という巻き物で、本当に100種類の絵が、長い巻きものに描かれていたのです。幅が32センチでしたらから、ちょうど帯の幅と長さは同じくらいですね。
100種類ですよ!
そんなにたくさんの種類のお花、私には分かりませんね。
花の中でも牡丹だけは別格の扱いで、別室に展示してありました。
これは珍しい「黒牡丹」。
川端龍子の牡丹、きれいでしたね。
この展示のすぐれた点は、その作品が画家の何歳の時の絵であるかが、一目で分かるように説明がついていたことでした。その説明を見ていると、画家と言うのは70歳になっても、80歳になっても優れた絵を作り上げる才能があるのだということでした。
普通ならもう老いぼれてしまう年齢になっても、まだまだ美を追求するのはすごいものだと思いました。
せっかく美しい絵画を鑑賞するので、それなりの着物にしようかと思いましたが、なにしろ豪雨が予想されていたので、雨に濡れても惜しくないような着物にしました。
京都の「原宿シカゴ」で買った1000円の小紋です。
深緑色で洋服の柄のような着物です。
裏がローズ色なのでそこが気に入って買ったものです。
それほど汚れていないのにどうして1000円かというと、丈がすごく短くて、私でさえおはしょりがほんのちょっとしか出ないほどでした。
広尾に何の用事があって行ったのかなと昨日は思っていましたが、美術館に行ったのね。
返信削除ブログで見てもキレイだけど、実際に美術館で観賞すると、さぞ華やかでしょうね。
そう、そう。私も、映画はまだしも、美術館へは絶対にひとりで行きたい。見る速度が違うし、感動した絵の前では、しばらく佇んでいたいもの。
美術館でおしゃべりしている人たち見ると、本気で絵を観にきたのかしらと思うわよね。
マサさん、そうなのよ、ご夫婦で見に来ている人たちなどは、仲がよさそうでいいなと思うのだけれど、数人でまとまって来るのは分からないわ。でも面白いことに、そういう集団のファッションを見ていると面白くて、みんな同じスタイルをしている! ジャケットに黒パンツスタイル集団はそればかりだし、ロングスカート派はみんなロングスカート。それを見ていると面白くて、うるさいのも我慢ができるわ。
返信削除「百花繚乱」はほんとうに花ばかりの展覧会でしたが、日本画っていいなーとつくづく思いました。鮮やかな色遣いやいろんな技巧がほどこされていて楽しめたから、この入場料は安かったと思いましたよ。
お出かけの理由がわかってほっとしました。(笑)
返信削除山種美術館は広尾というおしゃれな町に移っていたのね。
私が以前行ったときは確か茅場町か兜町かそんなところにありました。
黒牡丹はよく見えないけど御舟かしら?
そうそう、山種美術館は引越ししたんです。おしゃれなところに移りましたよ。
返信削除この展覧会、すごい人気がありすぎて、パンフレットや冊子はすでにありませんでした。
それで絵葉書をたくさん買ってきました。
カンカン、さすがだわ、黒牡丹は速水御舟です。端正な絵でしたよ。