先日、上野の国立博物館でトークショーの話題になった映画「朱花(はねづ)の月」▼
今、この映画のキャンペーンがあちこちで展開されているようで、本日の朝日新聞の夕刊には、この映画の主演女優さんである大島葉子(はこ)さんのインタビュー記事が大きく載っていましたね。
実は、私はトークショーの始まる前に、洗面所に行ったのですが、そこで鏡の前で手を洗っているとき、隣にスラーっとした細身の女性が現れたんですよ。
なんとなく雰囲気のある人だな、どんなお仕事の人なのかしら~と思いつつもあまりじろじろ眺めるわけにはいきませんでしたが、トークショーの後に河瀬監督から「今日はヒロインを演じた女優さんがこの会場に見えています」という紹介があり、舞台に上った人を見たら、なんと洗面所にいた方だったのです。
やはり女優さんというのは、超美人でなくても、オーラのある人なんですね。
「朱花」と書いて、「はねづ」と読むのは難しいわね。
朱花というのは、万葉集に登場する朱色の花だそうで、血や太陽、炎を連想させる色だそうです。そしてまた褪せやすい色なので、人の世の無常やはかなさも象徴する色なのだとか。
会場にはその朱花で染めたという長い垂れ幕がかかっていましたが、なんともきれいなピンク色でした。
こんな色です。
映画はその朱色に魅せられた染色家の女性がヒロインで、彼女は飛鳥地方の三山に見守られながら、ある男性と暮らしていました。ところがあるとき、かつての同級生と愛し合うようになり、そして3人の関係も崩れて行く・・・・という恋愛映画だそうです。
一人の女性を二人の男性が奪い合うというのはよくあるパターンですが、その話を万葉集とからませながら、映画は展開していくようです。
この映画は「「あたかちゃん」のところでも書きましたが、飛鳥地方にある3つの地方自治体が製作したもので、それであたかちゃんを中心としていろんなキャンペーンが行われているのですが、私が参加したトークショーもその一連の行事の一こまでした。
8月21日のトークショーのタイトルは「今も昔も変わらない男女の物語~万葉集をひも解く~」というもので、河瀬直美監督の他に歌人の穂村弘さんという40代くらいの男性と、還暦を越えてもなお美しい漫画家の里中満知子さんの組み合わせでした。それぞれがご自分のお好きな万葉の歌を紹介していました。
この映画はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で招待された映画だそうで、カンヌではかなり評判が良かったようです。
私はこのトークショーに参加するまで、万葉集というのはあまり興味がなく、額田王とか持統天皇にしても、中学や高校の歴史や古文の時間に習った以上の知識の持ち合わせはありませんでした。
ところが里中さんや河瀬さんが万葉集を身近なものとしてとらえ、お好きな歌を披露されているのを目の当たりにしたとたん、飛鳥時代についても急に興味が湧いてきました。
いつの時代からも男女の間は、幸せなことも多いけれど、辛くて悲しいものが流れているものです。
万葉集というのはそういう思いをかなり自由な雰囲気の中で歌ったものなのでしょうね。
<この項、続く>
大島葉子さんという女優を、この日初めて知りました。
返信削除はっきり言って目を惹く美人ではないけど、一皮剥けたような?(なんて言ったらいいんでしょう)独特の雰囲気はありましたよね。
川瀬監督のイメージにピッタリ合ったのでしょうから、どんな演技を見せてくれるのか、楽しみですね。
私も、飛鳥時代に興味が湧きました。
里中さんの解釈というか切り口も、面白かったですよね。
マサさん、大島葉子さんという方は元々はモデルさんだったそうですね。どこにでもいるような普通の人の側面と、つるんとしたお顔が輝いている側面とを持っていらっしゃる方のようにお見受けしました。カンヌでの着物姿がきれいでしたね。
返信削除私も里中さんに感化されて、今は万葉の時代を舞台にした小説を読んでいますが、学校で習ったこととは違って「へー」と驚くことが多くてびっくりしているところです。
私もすごく興味を持ちまして色々と調べました。
返信削除京都の南部で9月3日封切りらしいので近いうちに見に行きます♪
万葉集のお話また聞かせてくださいんr。
明日香の風景も自転車で訪ねてみたいと思ってます。
一つのお話から夢が広がります〜
お、さとさんも万葉の世界に興味を持たれましたか!
返信削除実は今、ある小説を読んでいるんですけれど、その中に「壬申の乱コース」を辿るというのがあり、なんと大津から宇治を通って奈良まで行き、そのあと桑名まで辿るという話が出ていました。昔の人はここを歩いたわけですから、サイクリングにはちょうどいいかも。
京都に行くときには、飛鳥も行ってみたいし、黒壁も行きたいし、いつか実現させたいですね。
この映画、最初は元(?)森ガール系の第二の恋愛
返信削除みたいなお話かと思いましたが...
予告を見てみたら流血してるし
よく見たら原案が坂東真砂子さんで
改めてあたかちゃんを見て微妙な気分でした(笑)
あんなかわいいふしぎちゃんが
大人の話を理解できるのかなぁ(笑)
この女優さん、ファッションショーの舞台では
きっとすばらしくうつくしいと思いますよ。
映画では素朴なスタイリングですよね。
こんな布をまとってショーで歩く姿を
見てみたい気がします。
史子さん、こんにちは。
返信削除そうそう、あのあたかちゃんとこの映画はあまりにもミスマッチですよね。
坂東さんの本はまだ出たばかりのようで、本屋さんに置いてないの。早く読みたいのに残念だわ。
そうね、モデルさんってショーのときと普段の生活とではだいぶ雰囲気が違うと思います。年齢不詳の人だったわ。少年のようにも見えるし、普通のおばさんのようにも見えるし・・・・。