「幸田家のきもの」というタイトルからお分かりのように、この本は、幸田露伴の娘である幸田文の娘である青木玉の娘である青木奈緒さんという人が書いた着物に関するエッセイ本です。
第一印象は、ずるい! というとちょっと言葉は悪いけれど、だって著者はあの幸田文の孫娘ですよ。着物に関しては赤ちゃんのときから着物姿の祖母や母に囲まれてきたんですもの、身についていないわけはないですよね。
それに文章力の優れたことと言ったら、これはもう血統でしょう。すっきりとした文章を書く人です。4代も続いているのだから、正統派の血統書つきといった感じですね。
と書くと、着物にも著作にも疎い庶民のひがみかもしれませんけれど、血縁と環境に恵まれて育った奈緒さんですが、やはり親や祖母の七光りと言われるのはいやだったのでしょう、14年の間、ひとりでドイツに住み、翻訳の仕事をしていたそうです。それが文章を書いてみたら隠されていた才能が出てきたということでしょうね。
奈緒さんはこどものときから祖母である幸田文さんの選んだ着物を着て大きくなったそうで、きちっとした着方の着物がよくお似合いです。
あの文さんは大作家となっても、いつも針と糸をもって縫物をされていたようで、いろんな直しものなどよくされていたようです。
このエッセイには、着物を見る確かな目を持った文さんというおばあちゃんに可愛がられた様子がありありと書かれています。
私の祖母は二人とも明治の女性で、やはり文さんのようにいつも着物ばかり着ていましたが、私は小さい時は着物など大っきらいで、成人式にも晴れ着を作らなかった孫娘のことはきっと残念に思っていたのでしょうね。
私も奈緒さんのように、もっとおばあちゃんたちから着物のことを教えてもらえたらよかったのに、と今になって後悔しています。
「幸田家のきもの」 青木奈緒 講談社 1600円
血統は間違いないのだが続くと良いな。
返信削除青木奈緒さん、幸田露伴から4代目・・・単純にすごいですね。
この間書店でふと興味が出た本を買ったら青木奈緒さんでした。
新作の「風はこぶ」を読んでます。
まさに風が心地良かったり、厳しかったり・・・。
4世代分の本を次々と読んでみるのも、良さそうですね~。
青木さんや幸田文さんの情報をネットで読んでいたら、
カーヴィーダンスの樫木さんが同じお誕生日だそうです。
http://www.birthday-energy.co.jp
文学と運動で方向は違えど、才能が開花するとこんなに注目を
集めるようになるなんて、すごいですね!!
ちなみに4代目は、休息なしですが、組織に縛られない自由人とか。
5代目は「無い」そうですが、初代の評価を高めることは出来るようです。
富世さま
返信削除初めまして、コメントいただきまして
ありがとうございます。
青木奈緒さんの著作はまだ読んでいないのです。
図書館の着物のコーナーで見つけて読んだだけですので、いつか「風はこぶ」を読んでみようと思います。
これだけすぐれた女性が直系で登場するのもすごいものですね。