市が主催しているカルチャースクール(?)の市民カレッジには、これまでにも何回か参加してきました。
フラワーデザインを習ったり、香水作りで遊んだり、江戸絵画を学んだり・・・・。
というのも、高い市民税を取り戻そうと、興味のある講座に参加してきました。
今回の講座は私の趣味とドンピシャの講座でした。
どうしても当てたい一心で応募したところ、「当選」の抽選結果が届きました。
そしてこの日が来るを待っていたのです。
(会場近くに咲いていた枝垂れ桜)
それは「和装の美~きものと文様の系譜~」という8回シリーズのお勉強会です。
講師は武蔵大学の丸山伸彦先生という方。
こんなご本を書いていらっしゃる先生です。
専門は江戸時代の着物の文様のようですが、古代の歴史や文学にも造詣が深い方です。
今回のテーマは「どうして日本の着物には模様があるのか?」ということでした。
私たち日本人にとっては、着物には模様がつきものなので、あまり深く考えたことはありませんが、世界の衣服を調べると、模様(それも左右非対称)がある服というのはめったにないそうなのです。中国の衣服は模様があっても左右対称なのだとか。そういえばそうかもしれませんね。
そういう疑問を解くべく、着物の歴史と文化について、これからいろいろと教えていただくことになりました。
参加者は約30名ほどでした。
このような講座に参加されるわけですから、着物好きなのでしょうが、着物を着てきた人はたった3名、1割しかいない状況でした。
着物を着ていた人はすぐにお互いに打ち解けて、「あら、あなたの着物素敵ね」とか「いい帯ですね」などと話が弾みました。
他の方もせっかくの機会なのですから、次回からは着物で参加されるといいですね。
私はこういうときはどんな着物にしようかと悩みましたが、骨董市のおじさんお任せで選んでもらった薄紫色の紬と、さとさんから頂いた龍村の帯の組み合わせにしました。
(実は帯締めの色がおかしいので、写真を写した後に、ベージュ色のものに変えました。)
他の方は、お一人はお母様から頂いたという大正時代の着物の方、もうお一人はきれいなクリーム色の無地の紬でした。それぞれ好きな着物を選んできたという感じでしたね。
講義はいろいろと学ぶことが多かったのですが、まずは衣服の社会的機能ということから入りました。
つまり衣服というのは人と社会との境界であり、それにより男女差や階層差を表わすものだということでした。
そしてそれは公的なものほど、差が広がり、非公式な場ほど、差はなくなるということです。つまり結婚式などでは男女差ははっきりとしていますが、普段着になるほどみんなGパンにTシャツというように性差も階級差もなくなるということですね。
そのあとは資料を参考に、男性の服飾史を見て行きました。
平安時代の束帯から始まり、頭にかぶる冠や烏帽子の違い、衣冠(いかん)・直衣(のうし)・狩衣(かりぎぬ)・直垂(ひたたれ)などの細かい違いを教えていただきました。
どれも同じように見えますが、首のえりの形とか、ひもの様子とか、脇の縫い方などが微妙に異なるのです。
このお話は、これから昔の絵巻などを見るときの参考になると思いました。
また今の着物は昔の「小袖」から変化したものなのですが、振袖でも浴衣でも「振り」の長さには関係なく、「小袖」の一種だというのです。
というのは、昔の着物は袖口が振りの下のほうまで全部広く開いていて、(つまり「大袖」とでもいうのでしょうか)、その中から十二単の袖が見えていたそうです。
それに反して、今の着物は当時の下着であった小袖(袖口が狭い)から昇格してきたものなんだそうです。
先生はこのことを「表皮脱皮の原則」とおっしゃっていました。
つまりそれまで下着であったものが、上着になったということだそうです。
この説は、それまで下着であったTシャツが今では普通のシャツとして通用していることと同じですね。
丸山先生はいろいろな知識が豊富で、お話に変化があるので、午後の講座でも眠くなってしまうことはありませんでしたよ。
ホントに、としちゃんにピッタリの講座ですね。
返信削除「へぇ~、そうなんだ」というお話もたくさんあって楽しそう~。
今回は興味を惹く講座がなくてパスしたのですが、触れてみたら意外とおもしろい講座があるかもですね。
講師のお話が楽しいというのも、重要ですよね。次回が楽しみね。
本等に、なんと魅力的なネーミングの講座なんでしょう!
返信削除講義の内容もとても興味深く、おもしろそうですね♪
丸山伸彦先生のお話を聞けるなんて、何ともうらやましいかぎりです♪♪
としちゃんさんの着姿、今日も素敵です♪
龍村の帯もさすがですが、
着物全体の組み合わせがとても美しいですね(*^。^*)
マサさん、ほんと、私の興味とぴったりの講座があって嬉しかったわ。
返信削除もし有名なカルチャースクールで受講したらきっと何万円も払うかもしれないけれど、それが数千円で聞けるのですから嬉しいですよね。
siroajisaiさん、コメントありがとうございます。
返信削除丸山先生ってかなり著名な先生のようですね。でもとても気さくな先生でしたよ。
この着物、リサイクルなので私にはちょっと身幅が広いんですよ。それで脇のあたりの布が余って、おデブに見えるのです。でも今頃着るにはちょうどいい色合いでしょ。