「特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝 関連文化講演会」という長いタイトルの講演会に行ってきました。
実はこの講演会に参加すると、東京国立博物館の入場券が1枚もらえるというので、それが欲しさで出かけたのでした。
この展覧会はもうすでに3月20日から開催されていて、会期は6月10日まで。
こちら▼
説明をしてくださったのはNHK学園の吉田典代さんという学芸員の方でした。
ボストン美術館というのは1870年、つまり今から140年以上も昔に建てられた美術館だそうで、その後モース(大森貝塚の発見者)やフェノロサ(東大教授)などが収集した日本の古美術品を展示してあるところだそうで、海外では一番多く日本の美術品があるところだそうです。
そのボストン博物館から今回、平成館にお里帰りをしたのは、奈良・平安時代の仏教美術、平安・鎌倉時代の絵巻物、室町時代の水墨画、そして江戸時代の絵画です。これらが一堂に展示されるのは、もう当分の間ないだろうということでしたので、是非、見に行かなくてはね。
学芸員の方はスライドを見せながら美術品の説明をしてくださいましたが、興味が湧いたのは、「吉備真備の入唐絵巻」でした。今、奈良時代を学んでいる私にとっては奈良時代に唐の留学生として活躍した吉備真備が出てくる絵巻のお話は面白かったですね。物語形式になっていて、吉備真備が鬼退治をしていたり、碁石を飲み込んでしまったりなどの場面が描かれていて、漫画のようで楽しめます。
ちなみに吉備真備という人は、下級階層の出身だそうですが、唐に2回も留学に行き、いろんな中国の文化や知識を学んできました。彼によってカタカナが生まれたそうです。この人の人生は結構面白いですよ。
それと平治物語絵巻、これは実話である「平治の乱」を描いたものですが、とても細かく描かれていて、こういうものがきちんと保存されているのはすごいことだと思いました。
今、江戸時代の画家である曽我蕭白の絵画に人気がありますが、私はこの人の絵はグロテスクであまり好きでなかったのです。ところが今回見せていただいた屏風には、とても可愛いウサギちゃんが描いてあるのを見つけて、蕭白のファンになりました。
絵画は説明を聞いてから見ると、細かい部分にも気づかせられることがあるので、いいですね。
これまで仏教画などはあまり興味もなかったのですが、象や細かい模様なども描かれていることが分かり、日本の古い文化はすごいものだと思いました。
展覧会はなるべく平日の午前中、人が少ないときに行くようにしているのですが、今回だけでも無料招待券をもらった人が数百人はいるので、混むのは仕方ないかなと諦めています。
こちらがプレゼントされた入場券です。
この日は雨模様だったので、濡れても構わないようにウールの着物にしました。
焦げ茶色の地にオレンジ色のクロスステッチのような模様入りです。
薄いオレンジ色の帯揚げにしましたが、ちょっと違和感がありますね。
帯は某デパートのリサイクル市で格安で買ったもの。
お気楽なご近所着物です。
この講演会、木曜日の朗読サークルが終わった後、「行きません?」って誘われたんです。
返信削除「どうしようかなぁ~」って迷って、結局行かなかったのだけど、行けばよかったかな。
私は、展覧会には、できるだけ雨の平日に行くことにしています。あまり混んでいた記憶はないかな。
お勤めしている方は、そうもいきませんよね。
マサさん、私はこのチケットが欲しいがために、わざわざ仕事を有給休暇にして出かけたのですよ。1000円くらいの入場券のために休むのはどうかとも思いましたが、話を聞いてよかったわ。
返信削除ボストンには行けないけれど、上野なら行けますものね。
東京国立博物館などは平日の午前中ならいいですけれど、最終日などは最悪ね。
ボストン美術館には私自身思い入れが大きいです
返信削除(日本から)ずいぶん持ち出されたものだと、何だか悔しい思いもしますが、
でも、流出をくい止められなかったという事ですし・・。
結果的には、日本の至宝がこれだけ保存されたのですから、
“日本が生んだ世界の至宝”という事で納得しています
曽我蕭白のかわいいウサギちゃんを見に、
私も上野に行ってみようかなと思います♪♪
siroajisaiさん、こんにちは。
返信削除そうですね、実は会場でもそのような質問をした方がいらっしゃいました。学芸員の説明では、もし日本に置いておいたら、戦災で焼けてしまったりしたかもしれないので、それを思えばボストンで保管しておいてくれたのがよかったのかもしれないということでした。
それと上野にいらっしゃるときは、是非、双眼鏡を持参したほうがいいということでしたよ。細かいところを見てくださいとのアドバイスでした。