今は江戸時代の小説にわくわくしている私ですが、ちょっと前までは源氏物語に夢中でした。
ラベルの「源氏物語」のところには、これまで私が参加した源氏関係のイベントの内容や、本の感想が綴られています。
そんな私が久しぶりに源氏物語の世界に心ときめいたのは、千鳥ヶ淵にある洒落たギャラリー「一冊」▼での「源氏物語~色綴り」▼という展示会でした。
(ただし色綴りの展覧会は4月28日で終了しました。)
そう、千鳥ヶ淵といえば桜の名所として有名ですが、今は桜は花の季節は終わって、緑の葉が生い茂っていました。
こちらは九段下の改札口を出たところです。
お堀端には桜に代わって、シャガの白い花がたくさん咲いていました。
この花は私が子供のころ住んでいた家にはよく咲いていたので、名前を覚えているのです。
ギャラリーは「パークマンション千鳥ヶ淵」の1階にありました。
松岡正剛さんという有名な編集者さんが設計したギャラリーだそうです。
ギャラリーというよりもどなたかのおうちの応接間というか書斎のような感じでした。
壁一面にぎっしりと本が置いてあり、座り心地のよさそうなソファが置いてありました。
室内の様子は写真には写しませんでしたが、とてもリッチな気分になれましたよ。
今回の展示の内容ですが、源氏物語は54巻(帖)から成るお話なのですが、その一つ一つの巻のイメージを色で表わすという大胆な試みをしたものでした。
源氏物語研究家の有田祐子さんが「この巻は深い海のような色」とか「この巻は燃えるような紅葉の色」とか色を説明すると(もっと文学的な表現で)、染色家の玉村咏さんがその色を作り出すのです。そしてその色を絹の布に染めて、12センチくらいの正方形にして、そこに源氏香というしるし(マッチ棒で柵を作ったような形)を乗せて展示していました。
こちらが「源氏香」のしるしです。
最初の「桐壷」の巻は淡いクリーム色でした。
ふーむ、なるほどね~。
その次の巻の「帚木」はグレイに近い水色でした。
こんなふうに最後の「夢浮橋」まで巻ごとに54色表現していたのです。
どの色もはんなりした日本の色でとても素敵でした。
面白かったのは、赤いお鼻のお姫様が登場するので有名な「末摘花」の巻は、真っ赤な紅花色でした。
これは私にも想像できましたね。
玉村さんという染色家は京都に染色工房があるそうで、いつかはそこに行ってみたいですね。
この方は単に染色をするだけでなく、着物のデザインもすれば、ホテルなどにかかっているカーテンや壁画のようなオブジェのデザインもされています。
こちらのHP▼に素敵な作品がたくさん出ていますので、是非ご覧ください。
このギャラリーは無料で解放されていますが、素敵な作品を見せていただいたお礼と、暑くなりのどが乾いてしまったので、「葡萄酢」というのを注文しました。葡萄のお酢を炭酸で割ったものだそうです。小さなマカロンが2個ついて、1000円でした。
ちょっと高かったのですが、ゆっくりと味わうことができて満足しましたよ。
けちな私でもこういうところにはお金を使うのです。
ちなみにガラスのテーブルの下に見えるのは、玉村さんデザインの風呂敷です。
この日の装いは、優しい春の色の「花紬」という着物。
春に着たい着物ですね。
さとさんからの頂き物です。
帯はうたどんさんのお母様から頂いた紫のようなこげ茶のようなシックな色の帯で引き締めました。
我ながら、「色綴り」の雰囲気にぴったりと悦に入っていました。
この一冊というギャラリーはとても素敵なところなので、お勧めです。
近くにはイタリア文化会館やインド大使館などもあり、文化の香りのするところです。
贅沢な雰囲気に浸ることができた春の午後でした。
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