2012年6月16日土曜日

当選チケットで 福田平八郎展

私がいつも乗っている某私鉄が発行している無料の冊子があります。

この冊子の後ろのページにはプレゼントのお知らせがあるのですが、これに応募すると、美術館のチケットはよく当選するのです。
1回につき、10名にしか当たらないのですけれど、うまい具合に当選の封筒が届くと、嬉しいですね!

今回の当選チケットは山種美術館で開催されている「福田平八郎展」でした。
この画家さんのことはあまりよく知らなかったのですが、私好みの日本画をたくさん見ることができました。

「牡丹」大正13年の作品。
32歳のときに描いたものだそうです。
これはかなり大きい絵です。
前にも同じ山種美術館で見ましたが、そのときは小さな部屋に展示してあり、照明の関係か、なんとなくぞっとするような感じを受けましたが、今回は広々としたところに展示してあったので、優雅でロマンチックな絵に見えました。

これは絵ハガキですが、実物はもう少しソフトな感じですね。



福田平八郎さんという方は、明治25年に生まれて昭和49年にお亡くなりになったそうですが、ちょうど私の祖母が生きた時代の方のようです。
大分で生まれ、京都の美術学校で学び、その後は帝展や日展に入選され、文化勲章も受賞された方でした。

今回の象徴的な絵である「漣」(さざなみ)。
藍色一色だけで水を面描いています。センスが感じられて素敵でしたね。
昭和7年の作品です。40歳。



福田平八郎さんは大正時代後半から戦前の昭和時代にかけて活躍されたそうですが、今見ても、とてもモダンですっきりしたデザインの絵を描かれていました。

「花菖蒲」昭和9年の作品。
42歳。
かなり大きくてぱっと目立ちました。
葉の輪郭を白く縁取ってあり、すっきりとしていて今の季節にはぴったり。



私が美術作品を見るときには、絵そのものよりも、その作品が描かれた時代と、その時の作者の年齢が気になるのです。

美術館に注文したいことは、その画家の年代順に展示してもらえないか、ということですね。

青年期の絵から大人になりそして円熟したころ、高齢になってからの絵を順番に並べてくれたらうれしいんですけれど。
その方の技術的成長や作風の変化を眺めてみたいんですよね。

会場の都合やもろもろの事情によって配置には苦労しているとは思うのですが、そのような希望が満たされる展示があればいいなと思っています。

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