2012年10月13日土曜日

伊勢半 「紅ミュージアム」

先日、伊勢半「紅ミュージアム」▼というところに行ってきました。

場所は南青山の根津美術館の近くにあります。


伊勢半というのは江戸時代に日本橋に紅屋さんとして創業された化粧品メーカーですが、「キスミー化粧品」といったほうが分かりやすいかしら。他にも「エリザベス」というマスカラなども作っている会社です。

その伊勢半では、紅花の花弁にたった1パーセントしかない赤色色素を取りだして、本物の「紅」を作っています。


以前、ポーラ化粧品研究所の学芸員さんから江戸時代の女性の化粧法という講座▼を受けましたが、その現代版がこちらに置いてありました。

日本人女性にとっては紅は生涯を通じて切っても切れない縁があるそうです。
赤ちゃんのときのお宮参りから始まり、七五三、成人式、結婚式などではきれいな紅をさしますね。そして還暦になればまた紅色の衣装をつけたりします。

その紅の製法や文献やお道具が展示してありました。


こちらは現代の紅ですが、小さなお猪口にほんのスプーン1杯位しか入っていませんが、それを水で溶いて、筆で唇に塗るのです。


すごく高価なもので、これだけで13,000円くらいだったと思いますが、つける人に適した色に変化するのだそうです。

実は私もこの紅花でスタッフの方に、お化粧をしてもらいました。
紅花だけで作ったものなので、赤というよりも玉虫色をしています。


他人にお化粧をしてもらうなんて初めてでした。
唇がほんのりピンク色になって、自然と微笑みが出てきました。

日本の女性に生まれて幸せだと思いましたよ。

紅花だけで作られているので、つけたまま寝てしまっても大丈夫なのだとか。

こちらは携帯用の薄いケースに入った紅花口紅です。


こちらは七五三を迎える女の子用に作られた紅花口紅です。
有田焼の可愛い容器に入っています。
お祝いにいいかもね。


このときはちょうど「江戸デザインの巧・妙」という企画展もしていました。


江戸の型紙やひな形本、着物、財布などの小物、冊子などが展示してありました。
こちらはいただいたパンフレットです。


どれも斬新なデザインと粋な色遣いで、これぞ江戸の文化だと思いましたね。

そうそう、江戸の色には「四十八茶百鼠」という言葉があるそうで、茶色だけで48種類、灰色だけで100種類あるという意味なんだそうです。
江戸時代の人たちは、派手な色は使わなくとも、その微妙な色で楽しんでいたのでしょうね。

こちらの伊勢半紅ミュージアムでは年間を通してさまざまなイベントや講座も行っているそうなので、また機会があれば行ってみたいと思います。

この日の装いは、茶系にピンクや青や紫のアクセントの入った網目模様のような紬です。


帯はなんと300円で買ったつけ帯。
誰も300円とは気づかないでしょうね。


江戸時代から始まった化粧品会社の美術館に、着物を着て出かけて行き、お化粧までしてもらい、気分がウキウキした半日でした。




2 件のコメント:

  1. せっかくお化粧していただいたのに
    「お顔みせて~」ですよ。

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  2. ふふふ、紅筆でほんのりピンクに塗ってもらいましたよ。

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