2012年10月27日土曜日

「川島織物の美と技」

先日、京橋にあるLIXILギャラリーというところで「建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展」▼という展覧会を見てきました。


今回は「建築を彩るテキスタイル -川島織物の美と技- 展」でした。

出かける前は、いったい<建築>と川島織物とがどういう関係になるのか分かりませんでした。
川島織物といえば、歌舞伎座などで売られている高級な織物のハンドバックというイメージが強かったのです。


ところがこの展覧会には圧倒されました。

それまで衣装に使われてきた染織物を、室内装飾として発展させた川島織物の作品が展示されていたのでした。

川島織物は江戸後期の天保年間に、京都の西陣で悉皆屋(着物を直したりシミ抜きをしたりするところ)を始めた川島甚兵衛という人が作ったそうです。

その後、二代目の甚兵衛さんという方がすごい方でした。
ちょうどその頃、日本は西欧化が進み、それまで着るものとしての織物から、室内装飾としての織物に注目しました。今でいう室内インテリアを始めたのだそうです。

壁紙やタペストリーなど現代ではよく見かけるものですが、当時はきっと画期的なものだったのだろうと思います。

その題材は尾形光琳や伊藤若冲などの日本的なものから、そして西洋の油絵も扱っていました。

甚兵衛さんはヨーロッパに出かけて本場のゴブラン織りの作り方を学んだそうです。

この展示会にはいろいろな作品が展示されていましたが、写真撮影ができないので、そこで販売されている本を買ってきました。

中でも素晴らしかったのが伊藤若冲の絵から起こした織物でした。

そして川島織物は世界の万博にも出展されて、称賛を得ることになりました。


この展示会の後、京都にある「川島織物セルコン織物文化館」館長さんのお話▼を聞くことができました。

たくさんの美しいスライドを見ながらのお話でした。

こんなテキストまでいただきました。


ここでは、さまざまな古代からの織物の保存もしているようです。


この会社には今でも若い技術者がいて、毎日研鑽を積んでいるそうですが、やはり一人前の技術者になるには10年ほどの時間がかかるそうです。

それでも伝統文化を継承して新しいものに挑戦するという姿は素晴らしいと思いました。

今度京都に行く機会があったら、是非、この織物文化館を訪ねてみようと思いました。


このセミナーは80人くらい参加者がいましたが、さすがに着物着用率は高かったですね。それに若い男性も多くいたのが意外でした。

自分で着物を着る前までは、このような世界には興味もありませんでしたが、少しでも着物に関わるようになると、織物や染め物の文化に興味が湧いてきました。

この展示は11月24日まで開かれています。
無料ですので、銀座に出たついでにご覧になってはいかがでしょう。

2 件のコメント:

  1. 川島織物ね。聞いたことはある気がするけど。
    着物とか帯とかも、あるのかしら?

    今日は、バッタリ出会ってビックリしたわ。ボーとしてたし、髪ボサボサだったし(汗)
    私は、リサイクルショップに不用品を持っていく途中だったの。
    買い取り価格は、未使用のショートブーツ(ネットで買ったけど大きかった)が300円。H&Mのコートが400円だったわ。
    まぁ、捨てるよりいいわよね。なかなか捨てられないでいたから、スッキリしたわ。

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  2. マサさん、川島織物はもちろん帯も有名ですけれど、今は川島セルコンという会社になっていて、カーテンやカーペットや椅子の布などを多く扱っているようですよ。

    昨日はリサイクルショップに品物を持ち込むので、大きな荷物を持っていたのね。すっきりしてよかったですね。
    私は不用品は西調布にある「不思議屋」というところに持ち込みます。お金にはならないけれど、食器でもノーブランド品でもなんでも引き取ってくれるので、助かりますよ。

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