2012年11月1日木曜日

「古事記の魅力」

11月1日は「古典の日」だそうで、ちょっとそれに関連した内容のブログです。

昨日、「古事記の魅力 ~神話は何を語るのか」という講演会に行ってきました。


講師は立正大学の三浦佑之(みうらすけゆき)という先生でした。

今年は古事記が編纂されたといわれている712年からちょうど1300年目の年だそうです。それでこのような講演会が開かれているようですね。

古事記は戦前は天皇制と直結していたため、戦後は何かと教育面では排除されてきました。
ところが最近は神話として楽しむという傾向になっているそうです。

私たちが学校で習った歴史によると、日本には「日本書紀」と「古事記」の両方があり、前者は正式な歴史書、後者は言い伝えなどと習ってきました。

この二つには微妙な違いがあるそうで、たとえば古事記で「倭建命」と書かれている人物と、日本書紀では「日本武尊」と書かれている人物はどちらも「やまとたけるのみこと」だというのは面白いですね。

今、私は奈良の歴史の勉強をしているので、先生のお話に興味が湧きました。
当時の日本は律令(法律)を整備して、そして国家権力を強めていった時代だそうです。そのためにも、天皇中心の書物が必要だったのでしょうね。

古事記というのは、天武天皇の時代に、稗田阿礼という恐ろしく記憶力のよい人がいて、天武天皇は彼にいろいろなことを語ったそうです。
そして元明天皇の時代になった時、太安万侶が文字に起こしたものだそうです。

ただし、三浦先生に言わせると、古事記というのはそれ以前にも存在していたのではないかということでした。

そしてその神話の内容も、東南アジアやスマトラなどでも似たような神話があり、それが日本に伝わってきたのではないかということでした。

また言葉づかいなどを調べても、もっと早い時代に作られたものではないかというお話でした。

今回のお話で面白かったことは、古事記を読んでいくと、日本人は「人間は草のような存在だった」と考えていたいうことです。
つまりキリスト教のように人間は神から作られたというものでもなく、またどこからか生まれたというものではなく、自然にあったという説があるというのが面白かったですね。


(堂本印象の神話をテーマにした絵画です。)

それと古事記に関連して、古の日本人は南方からの民族と北方からの民族が混じったという説明をされていました。先祖が南方だと思われるのは、目が二重で耳垢が湿っていて、体毛は薄い人だそうです。
反対に北方系は目が一重で耳垢が乾燥していて体毛が濃いのが特徴だそうです。
そしてそれらがMIXされて、現代の日本人を構成しているという説でした。

古事記を読むと日本人の哲学(人はなぜ生まれ、そしてなぜ死ぬのか)が分かるそうで、ずいぶんと奥深いものなのだと思いました。

この日の装いです。


有楽町国際フォーラムで開かれている「大江戸骨董市」で2500円で買ったこげ茶色の紬。
おばあさんぽいところが気に入っています。


帯はさとさんから頂いた朱色の織の帯。
なんとなく奈良王朝風なので、久しぶりに締めてみました。

ウィキペディアで三浦佑之先生を検索▼したら、なんと三浦しをんさんのお父様なんだそうです!
なんとなくさえない風貌のおっさん(失礼)でしたが、びっくりしました!
著書もたくさんあり、「口語訳古事記」はベストセラーになったのだとか。
親子でベストセラー作家なのですね。
語り口がちょっとシニカルで面白い先生でした。

6 件のコメント:

  1. ずんこ11/01/2012

    一時期古事記に興味を持ち、「古事記と日本書紀」だったかそんな題名の本を読みました。
    読み物としてはとても面白かったのですが、登場人物の関係などを考え始めてしまったら混乱した覚えがあります・・。

    民族の話、面白いですね。ちなみに私は一重で耳垢が湿っているのでミックスです☆

    着物、確かに着物だけだと渋いですが帯と合わせると華やかですね。「奈良王朝風」に納得してしまいました。

    返信削除
  2. ずんこさん、古事記も読めば面白いのでしょうけれど、登場人物の名前がややこしくて、ちょっと敬遠していました。
    でも海彦・山彦も古事記の話だそうで、そう思うと面白いかもしれませんね。

    私は二重で耳垢が湿っているので南方系ですね。インドネシアの島から流れ着いたのかもしれないわ。

    返信削除
  3. 「目が二重で耳垢が湿っていて、体毛は薄い」これ夫そのものです。北海道出身ですが、先祖は南方系なのかしら。そういえば、父も南方系にドンピシャですね。
    母は、一重で耳垢が乾いていて体毛は薄いけど足のすね毛だけは濃いです(笑)

    なんとも、楽しい講座でしたね。
    講師の方が三浦しおんさんのお父さんとは。
    三浦さんは、小説も面白いけど、エッセイもすごく面白いですね。


    返信削除
  4. siroajisai11/03/2012

    口語訳の古事記、私もお世話になりました!
    いまだにあまり理解できてはいませんが・・・
    そして、私は完ぺきMIXですね♪
    昔の昔の日本がどうなっていたのか、
    すごく興味があります・・。

    返信削除
  5. マサさんのご主人は南方系ですか。
    そういうマサさんはどちらかしら?

    三浦しをんさん、エッセイは読んだことがないのですが、お父様も普通の学者というよりも世の中を斜めに見ているようなところがあって、やはり血は濃いのだなと思いましたよ。

    それにしても、この講演会、ものすごく平均年齢が高くて、私など若い方でしたよ。

    返信削除
  6. siroajisaiさん、すごいですね、古事記を読まれたのですか。私などすぐに眠くなってしまいそうです。
    でも三浦先生から面白い本を推薦されましたので、そういうのから読んでみようかと思いました。
    「浦島太郎」伝説も、オリジナルはかなりエロっぽい話だそうで、ちょっと気になりましたよ。

    返信削除

最近、匿名さんからのコメントが多くなってきました。確認の設定をいたしましたので、ご協力よろしくお願いいたします。
「私はロボットではありません」にチエックを入れてください。
また、スマホでご覧の方は、「ウェブバージョンに表示」とすると、コメントを入力できるような仕組みになっています。by としちゃん