2013年1月19日土曜日

吉祥のしるし 1 @六本木

「吉祥」というのは、良いこと、幸せなこと、良い前兆などの意味だと思うのですが、六本木にある「泉屋博古(せんおくはくこ)分館」▼という美術館で、「吉祥のしるし」という展覧会を見てきました。

ここは住友財閥が運営している美術館だそうですが、六本木1丁目の界隈は、どこもかしこも住友系の超高層マンションやら建物で、非日常的な風景が広がっていました。

駅の改札口にある案内板もお洒落でしたよ。


改札口を出るとこんな感じ。
メトロの駅とは思えないラブリーな雰囲気でしょ。


ここでコーヒーを飲んだら、おいしそうだわ。


駅から出て、エスカレーターを何本も乗り継いで行くと、超高層ビルばかりです。


辺りはまだ雪景色。
都心なのに雪が残っているのは、珍しいですね。


さて、こちらが「泉屋博古分館」です。


「吉祥のかたち」

吉祥というと、着物や帯に使われている吉祥文様を思い出してしまいますが、これは
幸せをもたらす文様という意味だそうです。
着物以外にも、道具などに用いられているおめでたい模様のことを指します。

 
展覧会場は2か所に分かれていて、半分が中国の吉祥、もう半分が日本の吉祥でした。

ちょうど学芸員のギャラリートークがあったのでそれに参加しました。
この方は中国美術が専門で、とても分かりやすいお話で参考になりました。

中国は「3000年の歴史」と言われていますが、紀元前1500年のころから、すごいものを作っていたのだと驚きました。

年表が貼ってあり、そこには商という時代(知りませんでしたね)から、周、春秋時代、戦国時代、秦、前漢、後漢などと中国の歴史が書かれていましたが、すごく長い歴史ですね。

学芸員さんのお話によれば、今から3500年ほど前から、青銅の器などに吉祥のしるしが刻まれていました。この器はお祭りや儀式のときに用いられる道具であり、日常には使われていなかったそうです。

吉祥模様の95パーセントは生き物、つまり動物の姿だそうです。

一番古いのは、角の生えた怪獣の顔なんだそうです。
魔よけとして描かれたのかもしれません。

そしてその模様の隙間には、ラーメン丼によく描かれている渦巻もありました。

時代が下がると、龍の模様が使われるようになりました。
この龍は口を大きく開けていて、横向きの細長い姿が特徴なんだそうです。

その次は鳥の姿で、周の時代のころに登場したとか。
お酒を入れる器などには鳥の形をしたものも多くあったそうです。
この鳥がだんだん変化していって、鳳凰になったそうです。

他にも虎、象、亀、羊などがおめでたい生き物として、吉祥模様に登場していったというお話でした。

お土産の絵ハガキからちょっとご紹介します。

日本の部はあまり展示品が多くはありませんでしたが、私の好きな伊藤若冲の絵は良かったですね。
こちらは、木の上にメジロちゃんがたくさん並んでいるのですが、「目白押し」というのはここから出たのではないかと思うくらい、仲良く並んだ姿が可愛らしかったですよ。
「海棠目白図」


こちらはおめでたい花の「梅」。
昭和の絵だそうです。
すっきりしていて、帯の柄にいいななんて思いました。
安田靫彦(ゆきひこ)


こちらは水たばこ(?)を入れるための瓶だそうですが、小さくてお洒落でした。


美術館から眺めた外の景色です。
赤い椿がポツンポツンと咲いていましたが、写真だとあまりよく分かりませんね。


このあたりはスペイン大使館などもあり、高級そうなムードが漂っていました。

いつもの私の行動範囲とはちょっと違うので、おのぼりさん気分でした。




2 件のコメント:

  1. ずんこ1/20/2013

    高層ビル街の近くに、このような趣ある館があるのですね。
    幸せをもたらす模様、見るだけで幸せになれそうでいいですね。
    私は梅の絵がかわいくて好きです。

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  2. ずんこさん、ここは六本木といってもいわゆる繁華街のほうではないので、こんな静かな美術館があってもしっくりしていましたよ。
    梅の絵、可愛いですよね。
    もうじき白梅、紅梅のシーズンになりますね。
    梅は桜よりも長い時間、楽しめるお花ですね。

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