2013年2月26日火曜日

大和文化会 最終回

去年の4月から、奈良のことをお勉強するため、ほぼ1月に1回、銀座まで通っていました。大和文化会の「奈良時代の人と文化」というテーマの勉強会でした。

講座の内容はかなり専門的で、予備知識のない私にはずいぶん難しくて、講演の途中で寝てしまったこともありました。

それでも考古学や歴史学の著名な先生たちのお話を聞くのはとても楽しかったです。

こんなことを研究してどうするのだろうと思うような(失礼)ことでも、熱心に研究していらっしゃり、そのお姿がとても楽しそうに見えたのでした。

最終回は橿原考古学研究所の所長をしていらっしゃる菅谷文則先生でした。
先生はお若いときから登山が趣味だったそうで、それが高じて「山岳信仰」という分野の研究をされ、そして山伏になる修業までされて、本物の山伏になってしまったそうです。
趣味と研究がここまで一致してしまうなんて、すごいですよね。


こちらのスライドは吉野山の憤怒の仏です。吉野山も信仰の山として有名だそうです。
他にも山形県の羽黒山、日光男体山、東京の高尾山、奈良の大峯山などが信仰の山として有名だそうです。


山伏といえば、歌舞伎で団十郎が演じた「勧進帳」を思い出しますが、先生は舞台の上でその山伏の姿を紹介してくださいました。
本当はもっといろいろな衣装が加わるのだそうです。


とても嬉しそうでしたね。
このお姿で般若心経を唱えるのだそうです。
ちなみに山伏というのは仏教と神道の接着剤のような役割をしていたそうです。

講演の中でも、日本の神道と仏教の融合のことを話されていました。
「神仏習合」というそうですが、たとえば東大寺には法華堂の近くに守護神がいるそうですし、反対に伊勢神宮の中には昔はお寺があったそうです。

つまりのところ、日本人にとっては、山でも海でも樹林の中でもいたるところに神様がいて、それを拝んでいたのでしょうね。このことは柳田國男が民俗学で唱えたそうです。

この勉強会では光明皇后から始まり、歴代の天皇の衣装やお墓の話、大仏の話、古事記の話などを伺いました。
どれだけ身に付いたか分かりませんけれど、また奈良に行く時には少しは役に立つかもしれませんね。

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講演の内容はこちら▼でご覧いただけます。

以下は私の覚え書きですが、講演とは関係のない無駄話も含まれています。

大和文化会1▼

大和文化会2▼

大和文化会3▼

大和文化会4▼

大和文化会5 (さぼってお休み)

大和文化会6▼

大和文化会7▼

大和文化会8▼

大和文化会9▼

大和文化会10▼

この文化会は近畿鉄道の主催で行われています。
平成25年度の講義もまた始まるようですが、私はここでいったん終了させていただきます。


4 件のコメント:

  1. ずんこ2/26/2013

    恥ずかしながら「山伏」という言葉、聞いたことがありましたが、意味を今日知りました。
    私は全く信心深くないのですが、同じように登山するのでも、信仰の山は独特の雰囲気があって好きです。神様がいるのだな、と思うと少し気が引き締まるような・・

    「神仏習合」という考えも初めて知りました。
    神様と仏様、くっきり区別されているのかと思っていましたが、そうでもないのですね。

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  2. ずんこさんは山登りがお好きだから、山の神々しさもご存知でしょうね。日本古来の考え方だと岩の中にも木の幹にも神様が宿っていると信じられていたようですね。

    山伏はシャンシャンと音のする杖を持って、ホラ貝を吹いていますね。その音も神様を呼ぶ音かもしれないわね。

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  3. さと2/27/2013

    長い間大和のお勉強お疲れさまでした。
    一区切りですね。
    生駒にも宝山寺という神と仏が同じところに奉られてる有名な場所がありますよ。
    商売の神様とか言ってたかしら。
    お正月に初詣にいきました。
    また機会があれば奈良へもお越し下さいね。

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  4. さとさん、生駒にもお寺と神社が共存しているところがあるのね。奈良にはそういうところが多いかもしれないわね。
    この勉強会、もう長ーく続いているようなんですが、奈良は古典の宝庫ともいうべきところだから、いくら長く続いても品切れになると言うことがないわね。

    暖かくなったらまた寄らせていただきますね!

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