場所は虎ノ門。
ちょうどお昼時だったので、町には首からカードを吊るしたサラリーマンやサラリーウーマンが、ランチを求めて歩いてました。
会場はビルの13階にある金沢工業大学の東京キャンパスです。
さすが金沢だけあって、受付では石川県の銘菓がずらりと並んでいて、「このうちのお好きなものを2品お取りください」と言われました。赤いだるまちゃん(?)の最中とお煎餅にしました。もちろん金沢のお茶付きです。
写真の左にある赤いものは、丸い紙を自分で折りあげて、器にしたものです。
なかなかオシャレですね。
セミナーは「創造する脳~女性の直感が世界を変える~」というテーマでしたので、
女性の参加者が多いと思っていたのですが、会場のほとんどは大学教授クラスのおじさまばかりで、意外でした。(実は内容はテーマとはあまり直結していませんでしたが。)
さてセミナーは2つの講演があり、一つは脳科学の先生のお話。もう一つは金融関係の先生のお話。どちらも講師は女性の方でした。
結論から言うと、脳科学のセミナーは、それほど難しくはなかったのですが、経済・金融の内容はあまりに難しくて、まるでついていけませんでした。講師の先生は私の卒業した大学の後輩でしたが、同じ大学で学んだのに、どうしてこんなに差がついてしまうのだろう、と思うくらいに有能な方でした。
セミナーの内容をざっとご紹介すると、脳科学の担当は、主に脳の発達や加齢の研究をされていらっしゃる東北大学の大隅典子先生でした。先生は『なぜ理系に進む女性は少ないのか?』という本を翻訳されたので、お話は主にその本に沿っての説明でした。
たとえばノーベル賞受賞者を対象にすると、女性の受賞者は極端に少ないのですが、これは男女の脳に違いがあるのではと考える人もいるそうです。実際にアメリカのハーバード大学のサマーズ学長という人も、「女性の脳は男性よりも劣っている」という発言をして物議を醸し、結局学長を辞任したことがあるそうです。
ただし、さまざまなデータを研究した結果の結論から言うと、男女の脳にはそれほど根本的な違いはなく、それよりも個人の差や国の差のほうが大きい、ということでしょうか。また社会的な刷り込み(たとえば医者といえば、男性の医者を想像してしまうとか)の影響も多くあるとのことでした。
それでも女性特有の面というのもあるようで、たとえばリーダーシップをとることは、あまり得意ではない人のほうが多いそうです。そういう女性の脳から判断すると、アベノミクスで提唱された「管理職に女性を増やす」という方針は、管理職を増やすことが女性の幸せにつながるかどうかは疑問であるというお話でした。
まとめてみると男女それぞれの個性を生かすのが大事、という平凡な結論のようでしたが、いろいろなデータを教えていただきました。
それと面白かったのは、日本の公立大学で、初めて女子生徒の入学が許可されたのは、今から100年前の東北大学の化学と数学だったそうです。
紅花の研究で有名黒田チカ、やはり化学の丹下ウメ、そして数学の牧田らくだそうですが、みなさん理系であったこと、そして女子学生の可能性を最初に見出したのは東大でもなく京大でもなく、東北大学であったというのは、意外でした。
そして現在でも東北大学では女性研究者への支援や、女子高生へのアドバイス(「サイエンス・エンジェル」)などを行っているそうです。もちろん構内には保育園もあるということです。
私は東北大学には2回お邪魔しましたが、そのときにはそのような視点はなかったので、もし次に何かの機会で行けることがあったら、見てみたいと思いました。
こちらはそのロゴマークです。
着物姿の女性が試験管を持っているところがいいですね。
大正時代の「リケジョ」ということでしょう。
大隅先生の「仙台通信」▼
次に経済・金融のお話ですが、担当は金融コンサルタントであり大阪大学で客員教授をしている岩本沙弓さんでした。この方は海外の金融機関にも勤めていたし、日本の銀行のことにも詳しいので、そういう現場で見聞きした体験を話してくれました。日本経済はもちろんのこと、アメリカやヨーロッパの経済にも詳しく、すごい方でした。
それでも私には金融や経済の内容は難しすぎたので、よく理解できなかったのですが、この方の予想では、消費税は来年は見送り、その翌年に一気に10パーセントにするが、その反動で2015年ごろには消費経済は落ち込むのではないかというお話でした。アメリカやヨーロッパもちょうどそのころに経済的問題が発生する時期なので、注意が必要ということでした。
それと、日本国の借金が1000兆円を超したといっても、家計の借金と国の借金は種類が異なるので、一律に扱うものではないので、日本の国そのものはまだ他の国に比べれば、健全であるということでした。
岩本さんのお話の中でも、大隅先生と同様に「女性はリーダーシップをとるのは苦手な人が多い」というお話がありました。つまり女性は出世欲や名誉欲は少ないということでしたが、ただし社会進出することが多くなれば、そういう女性も出てくるのではないかと思います。
岩本さんのファッションは、きっちりスーツでしたが、どういうわけだか足元がナースサンダルのような格好で、これはアウトでしたね。せっかく弁が立つ方なのに、足元だけは気が緩んでいるように見えてしまいました。
岩本さんの公式サイト▼
さて、しっかりとお勉強をしていたのですが、外では雷と豪雨がすごくなってきて、帰宅できるか心配になってしまいました。
まだまだセミナーは続いていたのですが、その後のディスカッションは失礼して引き揚げました。
この日の装いですが、こういうセミナーで白っぽい着物なんぞ着ていたら目立って仕方ないので、濃紺の夏着物にしました。写真では分かりませんが、かなり透け透けです。
でもこの前のカラーコーディネート講座で、私には濃い青は似合わないと指摘されたので、着物から目をそらすよう、ド派手な水色の帯揚げでごまかす作戦にしました。これは去年、娘からの誕生日祝いの品です。
夕方の雷雨にもそれほど濡れずに済んだので助かりましたが、電車の駅に落雷があって、帰宅がだいぶ遅くなりました。今年は何回もゲリラ豪雨にやられています。
0 件のコメント:
コメントを投稿
最近、匿名さんからのコメントが多くなってきました。確認の設定をいたしましたので、ご協力よろしくお願いいたします。
「私はロボットではありません」にチエックを入れてください。
また、スマホでご覧の方は、「ウェブバージョンに表示」とすると、コメントを入力できるような仕組みになっています。by としちゃん