これはNHK文化センターの「第55回伝統文化に学ぶ」というセミナーでした。
今年は20年に一度の伊勢神宮の第62回目の遷宮に当たり、その式典の時に神主さんたちがお召になった装束と、女性の装束の着装(着付け)を解説付きで紹介していただきました。
会場は目白の椿山荘でした。
ここは結婚式場で有名なところです。
ここのお庭は、昔は「つばきやま」と呼ばれていたそうですが、その後、明治維新で活躍した山口県萩出身の山形有朋が私財を投じて購入した庭園邸宅となりました。三重塔や池もありました。当時の多くの文化人にも愛された名園だそうです。
その後、昭和になって椿山荘となったそうです。
雨にむせんでいます。
雨にもかかわらず多くの方が参加していました。
良家の奥さまといった感じの方が多かったですね。
第一部は男性の衣装の説明と着装のデモンストレーションでした。
説明をされたのは衣紋道研究所というところの方でした。
衣紋道には高倉流と山科流という二つの流派があるそうです。
まずは内宮用の衣装。
高倉流で着つけられています。
最初は下着姿(といってもランニングにステテコとかではなくて、紅の袴といわゆる普通の着物姿)の方が登場して、二人の衣紋者によって装束をつけていきます。
これが大変なんですね。
前からと後ろからの二人がかりで着つけるのですが、布の持ち方などのお作法がきちんと決まっていて、覚えるのも大変そうでした。
まず白い袴を履き、単衣を着て、明衣(みょうえ)というのを着て、石帯(せきたい)というベルトを締め、その上に木綿襷(ゆうだすき)という紐のようなものを胸にクロスさせるように付けます。
ようやく着つけが終わったところです。
頭には冠、手にはしゃくを持ち、懐にはお懐紙、そして特別な靴を履いています。
こちらは外宮用の衣装。
山科流で着つけられています。
どこが高倉流と違うかというと、長いお袖の折り返しの形や、木綿襷の結び方、石帯の締め方などが、若干異なるようです。
こちらはもう少しカジュアルなスタイルです。
この方はお若くてかなりのイケ面でした。
写真では見えませんが、浅葱色の袴が素敵でした。
このようなお衣装は日本の織物技術、文様の技術が発展してきたことの証だろうと思いました。
「衣紋のしおり」という冊子をいただきましたが、こちらには装束のことがイラスト入りで紹介されています。
この後に、神主さんの正式な礼拝の仕方というのを拝見しました。
普通の参拝は、「二拝二拍手一拝」と言われていますが、こちらは「八度拝」と言い、立ったり座ったりを繰り返し、8回も深いお辞儀をして、とても大変そうでした。
お衣装を着るだけでも大変でしょうが、それを着て拝礼するのはよほどの宗教心がないとできないのでは、と思いましたね。
着つけが終わったところで写真撮影タイムとなりましたが、みなさん、前に出て携帯カメラでパシャパシャとすごかったですね。まるでスターの撮影会のようでしたよ。
写真撮影が終わったところでお茶の時間となりました。
ロビーでコーヒー、紅茶、それにクッキーのサービスがありましたが、無料のせいか、これにもすごい人だかりでした。
ハイソの奥さまもこういうときは必死になるんですね~。
この写真の時はまだ穏やかでしたが・・・・。
だんだんと熱気がこもってすごい状況になりました。
会場には着物姿の方も、ちらほらいらっしゃいました。
休憩の後、第二部となりました。
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そうそう、どうして私が神主さんの着付けのショー(といっては失礼ですが)に行くことになったかというと、去年、明治神宮で蹴鞠▼を見る機会があり、その名簿から今回の装束のお知らせが届いたというわけです。
私は神道の信者ではありませんが、普段あまり見ることができない行事などは、お誘いがあった時には参加しています。
(続きはまたね)
天皇皇后両陛下も宮中行事の際にお召しですよね。
返信削除ご高齢なのに大変だなぁと、同年代の義父母を持つ身は思います。
お茶のサービスはバイキングだったのですね^^;
先日タカノのフルーツバイキングに行きましたが、
90分の時間制限のうち、バイキングに並ぶ時間が結構長いのです。
一緒に行った友人は少食だし、これなら同じ値段(確か2500円位)で普通のランチの方が落ち着くなぁと思ってしまいました。
よーでるさん、こんにちは。
返信削除このような伝統のある式典の装束は着るのも着つけるのも大変ですね。袴の裾が長いので歩くのもご苦労のようすでした。
高齢の天皇皇后も体力的には大変でしょうけれど、やはり日本で一番古くからあるおうちの伝統を引き継がなくてはならないというお気持ちでされているのでしょうね。
ティータイムは無料サービスだったので、そんなに必死になるものでもなかったのですよ。
私も最近はバイキングで並んでまで食べようとは思いませんね。おいしいものはちょっとだけで満足しています。
年をとった証拠かもしれませんが。