今月の新橋演舞場は、有吉佐和子原作の「三婆」。
あまりにも有名なお話ですが、ざっと登場人物の紹介だけしておきます。
一婆は、本妻さん。波乃久里子。気位が高くて着物道楽の名前だけの奥さま。
二婆は、お妾さん。水谷八重子。神楽坂に住んでいた元芸者。
三婆は、小姑。沢田雅美。渋谷に住んでいたオールドミス。
この3人、金融業者の亭主が亡くなったことにより、ひとつ屋根の下に住むことになって、喧嘩とドタバタが絶えない状況に。
そしてそこに加わったのが、亭主の元部下だったおっさん。笹野高史。
演じたみなさん、ほんとに芸達者でしたね。
60歳くらいの頃と、80歳くらいの頃を演じるのだけれど、その老けぶりがすごい。
とくに沢田雅美の老女は、「ああ、こういう人、ほんとにいるわ~」と思うほど。
白髪のおかっぱ頭で、ロングスカートをはいて、ポシェットを斜めがけにして、そしてドタドタと歩く姿は、おかしかったわ。
もちろん水谷八重子の老けぶりもすごいし、笹野高史のボケたおじいちゃんも笑いを誘っていました。
実際はシビアな老後の話なのに、喜劇になっていて、お客さんは大笑い。
身につまされながらも、笑っていたという感じね。
最初に有吉さんがこの小説を書いた時は、1961年というとたぶん、有吉さんはまだ30歳台のころのはず。そのころから、日本女性の平均寿命が長くなり、高齢社会になるということを予測していたとなると、すごく先見の明があったのですね。
私も老人の仲間入りも近いのですが、でもやはり若々しく颯爽としていたいので、この舞台を見るときは、ミニスカートにショールだけ、コートもなしのブーツで参上しました。
もったりとした服装は嫌いなのです。
着物で「三婆」なんて、あまりにリアルなんですもの・・・。
着物ファンとしては、本妻さんとお妾さんの着物の違いが分かって面白かったですね。
地味だけど高そうな大島紬などをとっかえひっかえ着ている本妻さん、派手な着物で衣紋をぐっと抜いた着姿で水商売だったことが分かるお妾さん。
私も着物を選ぶとき、着るときの参考になりましたわ。
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