2014年10月29日水曜日

祖母の着物

だいぶ前から、いとこから「おばあちゃんの着物がうちにあるのよ。母が着なくなった着物もあるので、としちゃんに着てもらいたいので、いつか来てね」と言われていました。

あれこれと忙しくしていて、なかなか機会がなかったのですが、たまたま、先日、叔母の家に行くことができました。

といっても、93歳の叔母は施設に入っているので、いとこがわざわざ千葉から来て、家を開けて待っていてくれました。

広いおうちには、あちこちに桐の箪笥が置いてあり、その中には昔の着物がぎっしりと詰まっていました。

祖母は「深川小町」と言われたほどの可愛らしい人でした。

こちらはその祖母の母親の絵だそうで、大切に飾ってありました。
有名な画家さんが描いたものだとか。
いったいいつ頃でしょうね。戦前であることは確かです。


祖母は、昭和58年に亡くなりましたが、今生きていたら、120歳くらいでしょうか。
60歳で未亡人になりましたが、それからも歌舞伎を楽しんだり、謡を謡ったりして、私は子供心に、楽しそうに暮らしているおばあちゃんだと思っていました。
いつも着物屋さんが反物を背負って来ていたことを覚えています。
そして反物をぐるぐると回していたシーンをおぼろげながら覚えています。

着物を広げ、いとこと二人で、「そういえば、おばあちゃんがこの着物をよく着ていたわ」とか、「あら、この着物は母が着たのを見たことがあるわ」などと昔を懐かしみながら、あれこれ物色しました。

私が手を通してみると、ほんの少し、裄が短いのですが、ほとんど着られることが分かりました。

いとこも着物が好きな人なので、「この着物にはこの帯が合うわね」「この組み合わせだと粋だわ」と楽しそうでした。

着物も帯もあまりにたくさんあるので、一度に持ち帰ることはできないので、今の時期によさそうな着物と帯を選んでみました。

黒のお召に色鮮やかな黄緑の縮緬の帯。
お皿が割れてしまっている絵が面白いですね。
着物はとてもしっかりとした生地で、シックで素敵です。


超細かい市松模様の小紋に塩瀬の帯。
この着物は祖母が着ていたのをなんとなく覚えています。


どれも昭和の着物です。

こんな古い帯もありました。
刺繍がとても素敵でした。


これは大正時代のもののようです。

また豪華な黒留袖もあり、「三波春夫でも着るような」派手な裾模様が刺繍されていました。

驚いたことは、叔母が大正時代、七五三に着たという着物と被布を、先日、いとこの孫(つまり叔母にとってはひ孫)が着たというのです。
その写真も見せてもらいましたが、今の着物では見られないような美しい青緑色の着物と、赤い被布でした。

すごいな。
90年たっても、そのまま着られるとは。

どれが祖母が着たもので、どれが叔母が誂えたものかよく分からないのですが、しつけがついたままのものもありました。
いずれにせよ、昭和初期から中期のものです。

大事に持ち帰りました。

そのうちお披露目をして、私の着姿を写真にとって、叔母に見せてあげようと思っています。

まだまだ昭和の着物がたくさん箪笥に入っているので、そのうちにまた持ち帰ることになりそうです。




6 件のコメント:

  1. お祖母さまの着物が、そのまま着られるなんて羨ましいです!
    私の祖母も明治生まれのすごく小柄な人だったので、どの着物もお直し無しでは着られません。
    そもそも昔の反物幅なので、1尺8寸の私の裄丈は採れないし、身丈も継ぎを入れないと全然足りません。
    間に一代入るだけなのに、大きく育ち過ぎですワタシ・・・

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  2. よーでるさん、大きく成長してしまって残念でしたね。
    1尺8寸というと68センチですか?
    それでは昔の着物は短いですよね。
    私は子供のころはチビなのが悩みでしたが、大人になると小さくても割と得なことがあることに気づきました。
    いとこは身体が横に成長してしまっているので、せっかくの着物が着られず、ちょっと可哀想でした。

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  3. お祖母さま、衣装もちだったんですね。
    長い時を経て、としちゃんが着てくれるのをきっと喜んでいらっしゃることでしょう。

    私の祖母も着道楽だったようで、残された着物はときどき母が着ています。
    着物は体型を選ばないと思っていたのですが、そういうわけでもないのね。
    私の着物が娘に着れないとわかったときは、ちょっとショックでした。

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  4. マサさんのお母様、おばあさまのお着物を着ていらっしゃるのね。愛用されて着物も嬉しがっていることでしょう。
    マサさんの体型の着物だと、一度ほどいて洗って縫い直してもどうかしら?
    今の着物は大きすぎるし、帯は長すぎて、私のようなチビは昔のもののほうがぴったりですね。

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  5. カンカン10/30/2014

    としちゃんは本当に江戸っ子という感じですね。江戸にルーツがある。
    緑色の帯素敵です。面白い柄ですね。
    帯ならサイズを直さなくていいから
    どんどんもらっておいた方がいいわ。

    うちの母も控えめで、いい大島とか
    いいものは叔母のところにあるみたいです。

    としちゃんはお母様の着物、もったいなく
    処分してしまったから、おばあ様のは
    もらっておかないとね。

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  6. カンカン、帯の絵柄、面白いですよね。
    割れたお皿なんて、発想がすごいですね。
    でも帯も昔のは短くてなかなか絵がうまくお太鼓にでないこともあるのですよ。
    反対に現在の帯は、私には長すぎてうまく結べなこともあります。
    そうそう、母の着物はまるで考えなしに処分してしまったから、せめて祖母のは取っておきたいわね。

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