2015年1月10日土曜日

玉村咏先生の個展

先日、京都の染色作家・玉村咏先生の個展▼を見るために、新宿まで出かけました。

会場は京懐石・茶懐石で有名な柿傳の地下にあるギャラリーです。


玉村先生は染色を初めて45年だそうです。
福井にお生まれになり、京都で活動をされている方です。
そして伝統と創造という二つの調和を求めて、独特の美しいものを生み出されている方で、「色彩の魔術師」とも呼ばれているのだとか?

会場の正面には、茶色と金色が美しい着物が飾られていました。
大人のムードですね。
私は横に縞模様が入った着物が気に入りました。大島だそうです。


今回は、着物友達のYさんをお誘いして出かけました。
彼女は、手染めの立涌の反物がお気に召したようでした。
立涌というのは雲や水蒸気が上に登っていく様子から、運の良い模様で、高貴な方のお衣裳にも使われた文様だそうです。
淡いオレンジ、水色、緑などが絶妙のカーブを描き、それらの色が重なり合い、滲み合い、微妙な色となっているものでした。
写真の右側の反物が立涌ですが、よく写っていなくて残念です。


私は、こちらの横段のぼかしになっている反物と一緒に写してもらいました。
細い縦の縞模様も素敵でしたが、横縞も魅かれます。


今回は、どういうわけか帯に目が行きました。

こちらは、裂いた絹を編み込み、そこに金と銀で飾ったシンプルな帯。
すっきりとしていて上品な感じでした。


こちらは可愛らしい帯たち。
京都の「はんなり」という感じと、現代的なセンスがミックスされているようでした。
色の美しさがうまく伝えられないのが残念です。


こちらはシックな色合いの帯。
左のグルグル巻きの帯は、いろいろな着物に重宝するかもしれないなと思いながら、拝見していました。


他にもたくさんの着物や帯、帯揚げ、風呂敷などが展示されていました。
どれもお値段がついているので、その場で購入も可能です。

玉村先生の作品は、着物の反物や帯だけではなく、インテリアも独特なセンスを発揮しているものがたくさんあります。
こちらは風炉先屏風。
後ろにある掛け軸は、和風でも洋風でもどちらにも良さそうですね。


玉村先生のすごいところは、染色はもちろんのこと、身の回りの品やちょっとしたことにまでアイディアが豊富なことです。
100円ショップで売っている雑貨からちょっとした役立つものを作ったり、ものを接着させるために磁石を使ったりと、「えー!」と驚くような工夫をたくさんされていました。

人とは違うもの、人とは同じものでないものを求めていらっしゃるようにお見受けしました。

そしてまた、ビミョーな女心をとてもよく捉えていらっしゃるように思いました。
どうしたら女性が美しく見えるか、可愛らしく見えるかをとてもよくご存じなのではないだろうか、と密かに思ったのでした。

グラデーションのカラフルな絹糸の壁飾りの前で。


玉村先生には、これからも、美しいものをたくさん生み出していただきたいと思います。

新春から美しいものに出会えて、幸せなひとときをいただきました。

1月12日(祝)まで新宿・柿傳ギャラリーで開催されています。



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