京都では「琳派400年展」をあちこちでやっていますし、また「光琳没後300年」というイベントも各地で開かれています。
私は先月、京都で光琳さんの菩提寺にも行ってきた▼ので、今度は作品を鑑賞するために、熱海のMOA美術館▼に行くことにしました。
ちなみにMOAとは、「「Mokichi Okada Association」の頭文字からとったものだそうです。
岡田茂吉さんという美術愛好家であり宗教家でもある方が設立したものです。
京王線、小田急線、東海道線と、電車を何回か乗り換えて、熱海に行きました。
熱海からは、急な坂道をバスに揺られて着きました。
とても立派な美術館でした。
長ーいエスカレーターを何回も乗り換えて展示室まで行きます。
見晴らしの良いロビーに着きました。
ここからがようやく美術館です。
ここで尾形光琳の代表作であり、国宝でもある「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」を堪能しました。
光琳は京都の高級呉服商・雁金屋(かりがねや)の次男として生まれ、若い時は放蕩の限りを尽くしましたが、40歳ごろから本格的に美術に向き合うようになります。
「燕子花」は比較的初期の作品のようです。
藍色のお花と、ミントグリーン色の葉がとても鮮やかで、それに金の背景が豪華でした。
この屏風は、根津美術館のものですが、今回は特別に貸し出しているようです。
「紅白梅」のほうは、晩年の作品と言われています。
中央の光琳模様が大胆でしたね。
この構図は、一説には真ん中に女体が横たわり、その左右に老人と若い男性が佇んでいるように見えるといも言われていますが、私にはそのようには見えませんでしたね。
ちなみに光琳は59歳で亡くなりましたが、活動期間は割と短かったのですね。
光琳がなくなって100年後の1815年(文化12年)には酒井抱一が百年忌を催し、200年後の1915年(大正4年)には三越呉服店が開催しました。それらの記録もありました。
そして300年後の今年、この催しを生で見られたのは嬉しいことでした。
会場には、光琳の作品以外にも、現代の琳派と言われる人たちの作品がたくさん展示してありました。
加山又造、福田平八郎などは琳派の系統といってもいいかもしれませんが、村上隆の作品まで琳派に入れてしまうのはどうなのでしょうね。
美術館にはたくさんのおばさまたち(おじさまも)が押し寄せていました。
でも、「いったい何の展覧会をしているの?」と大声で話す人、「燕子花」という漢字も読めない人もいたりして、そういう人たちには美術館には来てもらいたくないなと思いました。
琳派を鑑賞した後は、お庭に出てみました。
光琳屋敷を背景に、おあつらえ向きの梅が咲いていました。
近くにいた中年の方に写真を撮ってもらったのですが、背景に人が入ってしまい、もう一枚撮っていただこうと思ったのですが、「こういうスマホは苦手」と言われてしまうと、仕方ないですね。
この日は久しぶりの快晴。
青空がとてもきれいでした。
このお庭には片桐且元の門というのがありました。
「片桐門」と呼ばれているそうです。
(写真はMOA美術館のHPより拝借しました)
片桐且元という人は豊臣家の重臣として諸職を歴任した人ですが、その人が住んでいたお屋敷の門でした。その後、この門は昭和16年に三井家の別荘に移されたそうで、そして今はMOA美術館に移ってきたというものでした。
ちょうど、今、読んでいる時代小説にこの人が登場しているので、ちょっと驚きました。
こちらは光琳屋敷の内部です。
光琳が住んでいたおうちの設計図に基づき、昭和60年に復元されたものです。
明かりが美しかったですね。
「紅白梅図屏風」にちなんで、お庭の梅を写してみました。
白梅。
なんだかまっすぐに生えていて、面白味がありませんね。
まさしく光琳の描いた梅のようでした。
美術館には秀吉が作らせたという黄金の茶室の複製もありました。
金ぴかすぎて、写真にうまく写りませんでしたが。
少し歩いて水晶殿というところまで行ってみました。
相模湾がとてもきれいに見えました。
右下の方には、熱海の町も見えました。
レプリカの紅白梅図屏風の前で。
水晶殿はこんな感じで、とても広々としています。
ガラス越しに、初島や遠く房総半島まで見えます。
この後、梅園に行こうと思ったのですが、急に雨が降ってきました。
傘を持っていなかったので、慌ててバスに乗り、熱海駅まで戻りました。
本当は「起雲閣」というところに行きたかったのですが、今回は諦めました。
途中、小田急線に乗り換えるために小田原で途中下車。
3年前に来た時▼と比べて、駅の周辺がだいぶ変わってしまっていました。
干物専門店で、お買い物。
これだけ入って1000円。
夕飯にいただきました。
*****
この日の装い。
だいぶ前に高島屋の催事で1000円か2000円で買った黄緑色の小紋。
なんだかダサいのであまり着ないのですが、梅まりさんのお店で買った西陣帯を合わせてみました。
やはり市松模様は良いですね。
ぼわ~んとした着物が引き締まった感じ。
帯揚げは川越のフリマでSさんから買ったもの。
帯締めはおべべにゃんこさんのフリマで買ったもの。
淡い黄緑色で、落ち葉のような模様があって、いつ着たらよいか分からない着物でしたが、名画を鑑賞するにはちょうどよかったかも。
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