私は本を読むのは割と早い方なのですが、今回の「ガラシャ」はすごく時間がかかり、それでもよく理解できず、2回読み直しましたが、まだ私の頭の中ではまとまりがつきません。
この本の著者は、宮木あや子さんという方ですが、初めて読んだ人なので、文体がすっと頭に入らないというか、比喩はうまくないのですが、映像のような文章の方でした。時系列がはっきりしなくて、あれこれ考えながら読みました。
ガラシャとは、細川ガラシャのことですが、私は恥ずかしながら、キリシタンになった江戸時代の女性という程度の認識しかありませんでした。
この方、実は明智光秀の娘だったのですね。
そして、ウルトラ級の美貌の持ち主だったようです。
彼女・玉子は信長の媒酌により細川忠興に嫁いでいたのですが、しかしその信長を本能寺で討った明智光秀の娘ということで、国賊扱いされました。
そんな嫁がいては困るということで、細川家から丹後の山奥に蟄居させられてしまいます。
そこはほんとにひどいところで、それまでのお姫様生活とは打って変わった貧しい幽閉生活でした。
ところがそこで出会った男に恋をしてしまい、悶々として狂おしい日々を送ります。
といってもプラトニックな関係でしたが、結局、彼とは別れることになります。
この時代、身分制度がきっちりとしていたため、武家の女性はその家で働く庭男に一声かけただけで、その男は主人から首をはねられてしまうという世の中でした。
そしてそのことで、玉子は声を失ってしまいます。
ここに登場するのが、ガラシャの侍女でマリアという洗礼名を持つ女性・糸。
ガラシャよりも3歳年下ということですが、彼女の導きにより、女主人の玉子も洗礼を受けることになります。
小説の中では、このマリアの供述がメインになっています。
そして教会のパードレ(神父)と出会うことにより、玉子は声を取り戻すことができたのでした。
読んでいて、こちらまで胸が苦しくなるような小説でした。
狂おしいほど好きな男性がいても、その男とは結ばれず、夫の子供は何回も身ごもってしまい、機械のように子供を産むというのは、現代からは想像がつかないですね。
宮木あや子さんという人は、狂おしい恋、閉塞した状況での恋愛を描くのが得意な方のようです。
この人の他の本を読みたいかと言われると、ちょっと、という感じかしら。
おまけに表紙がアニメのようで、中身の歴史小説とは、そぐわない感じ。
でもガラシャさんのことが少しは分かったのは、良かったですね。
そういえば、何年か前の大河ドラマで細川ガラシャを長谷川京子が演じていました。ドラまではキレイな人が演じることが多いけど、実際にキレイだったのね。
返信削除キリシタンだから自害は出来なくて、痛々しい最期だったような。
表紙は、ホントにコミック本みたいね。作者は若い方なのかしら。
私は今、桜木紫乃の「無垢の領域」を読んでいます。どんよりした暗い内容ですが、私にドンピシャです。
マサさん、長谷川京子さんって、モデルさんだった人でしょ。華やかな顔立ちでいたよね。
返信削除ガラシャさんも美しい人だったようですね。
最後は、ご主人の部下に当たる人に斬られてしまうのですが、まぁ自殺の一種でしょうね。
マサさんは、現実の生活が明るくて安定していから、反対に暗い映画や本を好むのではないのかしら?