というか、自分でどの本を読んだかを忘れないために書き留めておいたものです。
「喋々喃々」 小川 糸 ポプラ文庫
題名の「喋々喃々」とは、男女が打ち解けて小声で楽しげに語り合う様子という意味だそうです。
いちゃいちゃというわけではなく、ひそひそとも違うし、ふんわりとしていて、これから良いムードになりそうなことかしら?
現代のお話です。
東京の谷中で小さな古着さんを営む若い女性が主人公で、その彼女の恋愛と複雑な家族を取り巻く物語です。
場所の設定も、主人公が着物好きという点も、いろいろおいそしうな食べものが出てくる点も、感覚的には私の好きなシチュエーションなのですが、なんとなく小説っぽくなくて、雑誌の「谷根千散歩特集」を読んでいるように感じられてしまいます。
恋愛の相手となる男性は、妻子持ちなのですが、うーん、なんだかよく分からない男でした。町田に住んでいるという設定でしたが、根津までは千代田線で1時間以上かかるのに、仕事帰りによくやってくるなー、と妙なところに違和感を感じてしまいました。
それと過去のボーイフレンドの話などはカットして、今のことだけに絞った方が良かったと思いました。
でも実在するお店なども描かれているので、若い女性には受けるお話かもしれないですね。
この作家さんはあちこちでエッセイとか短編を見かけますし、グラビアなどでお顔も拝見します。着物好きということもよく伝わってきます。
ということでもう少し年をとってからの小説が、楽しみのような気がします。
「千姫 おんなの城」 植松三十里 PHP文芸文庫
家康の孫にして、秀吉と淀君の息子である秀頼に嫁いだ千姫のお話。
波乱万丈な生き方をせざるを得なかった女性ですが、夫につくか、実家につくか、というのは現代にもありそうですね。
彼女は夫の子供は産めなかったのですが、側室に産ませた娘(養女とした)がその後、鎌倉東慶寺の尼になったというあたりの話は、知らなかったので面白かったです。
「それぞれの忠臣蔵」 井川香四郎 ハルキ文庫
忠臣蔵の裏話的なお話がいくつか書かれていますが、断片的なので、やはりみんなが知っている普通の忠臣蔵のほうが、面白いですね。
せっかく書いているのに申し訳ないのですが。
「日本橋本石町やさぐれ長屋」 宇江佐真理 講談社
貧乏長屋に住む職人やその妻たちの日常生活のあれこれ。
長屋の本当の名まえは、「弥三郎店」というのだけれど、「やさぐれ長屋」と呼ばれるように、ちょいと問題ありの人々が住んでいて、けんかしたり助け合いながら生きています。
最後にこの長屋が取り壊されるということになった時、そこに住んでいる人たちが行ったことは、とても人情味あふれていて、嬉しくなるほどでした。
ただし、いつもの宇江佐さんのレベルから見るとちょっと物足りないかな。
やはり町人だけの世界よりも、武士が混じって、あれこれ問題を起こしながらも解決していく、という状況のほうが、読みごたえがありますね。
「徳川秀忠の妻」 吉屋信子 河出文庫
文句なしに面白かったです。
吉屋さんは「徳川の夫人たち」や「女人平家」という歴史小説も面白かったので、安心して読めました。
独特の言い回しや、人物を類型的に描いていることなどが気になる人がいるとは思いますが、私は吉屋さんの世界観(というと大げさですが)は、大好きです。
秀忠の妻というのは、お市の方が産んだ美人三姉妹の三女のお話です(大河ドラマにもなりましたね)が、この小説では息子に対する恐ろしいまでの愛情があふれていて、それは三回も強制的に結婚させられた挙句の反動だったのかとも思われました。
彼女が愛情掛けて育てた息子(忠長)は、次の小説(十兵衛の話)では大変なことになっています。
「風雲伝 十兵衛の影」 秋山香乃 幻冬舎文庫
三代将軍・家光の命令によって、駿府に赴き、弟の忠長の動向を調べることになった柳生十兵衛のお話。
秋山さんの本だから面白そうと思って読みだしたのだけど、なんだか途中で挫折。
そういえば大昔、まだ小学生の頃、「柳生十兵衛 独眼竜参上」というテレビドラマがありました。
たしか外山高士三という人が演じていたはず。子供心に覚えています。
もう一度、ちゃんと読み直す予定です。
*****
ちょっとバタバタと急いで書いてしまったので、あまり納得のいくブログではありませんが、とりあえず記録しておきました。
0 件のコメント:
コメントを投稿
最近、匿名さんからのコメントが多くなってきました。確認の設定をいたしましたので、ご協力よろしくお願いいたします。
「私はロボットではありません」にチエックを入れてください。
また、スマホでご覧の方は、「ウェブバージョンに表示」とすると、コメントを入力できるような仕組みになっています。by としちゃん