私は茶道は門外漢ですが、それでも千利休が超一流の茶人と言われていることくらいは知っています。
茶道はよく分かりませんが、彼の人生が面白いのです。
これまで山本兼一さんの「利休にたずねよ」とか三浦綾子さんの「利休の妻たち」などを読んで、利休を巡る人たちのお話は読んでいました。
利休は結構もてる人だったらしく、元の奥さん、二番目の奥さんを初め他にも愛人がいたようですね。
今回は井ノ部康之さんという人の「千家再興」を読んでみました。
この小説の主な登場人物は、もちろん利休さん、そして、元の奥さんとの間に生まれた嫡男、愛人との間に生まれた娘、その娘を妻にした娘婿、そして孫たちが登場してきます。
ご存じのように利休は秀吉の怒りをかって、最後は切腹自殺をしたのですが、その後の千家は誰が継いだのか、というのがこの本の狙いです。
今では武者小路家、表千家、裏千家というように分かれていますが、それでもすごい勢力と組織力を持つ千家は、利休亡き後、誰がどのようにして家を継いでいったのでしょう。
商人肌で豪快な長男、父を尊敬してやまない娘、おとなしくて控えめな婿さん。
それぞれの性格がきっちりと描かれていて、現代にも通じるようなお話として読めました。
いつの時代も、あまりに優秀な父がいると、その子供たちは反発したり、盲従したりと大変です。
利休と秀吉が狭い茶室の中で、一対一で対面する場面もスリルがあり、面白くて半日くらいで読み終えてしまった小説です。
これには続きの「千家奔流」「千家分流」もあるそうなので、是非また読んでみたいものです。
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