先日、着物友だちとともに、早稲田にある「東京染めものがたり博物館」▼にお邪魔しました。
ちょうど「紺屋めぐり」▼の最中で、見学や体験ができるようになっていました。
これは新宿染色協議会の主催で、落合、高田馬場、早稲田の3エリアにある染色12業種、24工房をめぐる3週間にわたるイベントです。
その中で、早稲田エリアにある「富田染工芸」▼に行きたいという話がまとまりました。
そこでは「東京染ものがたり博物館」が併設されていたのでした。
博物館は神田川の面影橋近くにありました。
ここは、太田道灌の逸話にある山吹の里の地とされていて、また都電の荒川線が走っているところです。
玄関には博物館の看板が立っていました。
みなさんではい、チーズ。
朝早かったので、まだちょっとお顔がこわばっているかな。
後ろに見える建物はなんと大正3年築だそうです。
関東大震災や太平洋戦争もくぐりぬけてきた老舗なのですね。
「東京染ものがたり博物館」のパンフレットから少し抜粋してみます。
江戸幕府が開かれてから、江戸(東京)には多くの人が集まるようになりました。
とくに武士が着る裃(かみしも)に使われる小紋や、海外から渡ってきた更紗を染める業者が、良質な水を求めて、神田や浅草で仕事をするようになりました。
しかし明治時代以降、川の汚れが目立つようになり、染色に適した水質を求めて、業者は神田川のほとりに移転したそうです。
そして大正時代以降、新宿は江戸時代からの伝統を守り続けてきたということです。
さて、富田染工芸では、東京染小紋と、江戸更紗を扱っています。
工房の中にお邪魔してみました。
染色に使う刷毛がたくさん並んでいました。
作業をしているところを見学させていただきました。
「板場」と呼ばれるところで、型紙を洗っているところです。
ここでは半襟やランチョンマットの型染の体験もできるということでしたが、今回は時間の都合上、見学だけとなりました。
体験をするときは、下の写真にあるような型から好きなものを選んで、染色をするそうです。
東京染小紋(江戸小紋)について、いろいろと実物を見せていただきながら説明して下さいました。
小紋染は室町時代からあったそうですが、江戸時代になって発展します。
型紙に彫られた型により染模様を作り出します。
小紋柄には、霰(あられ)、鮫(さめ)などいろいろな種類がありますが、家によって使う柄がきまっていたのだとか。
江戸時代中頃になると、庶民の間でも用いられるようになり、それまでの品格を重んじる柄に、自由な感覚がプラスされるようになりました。
下の写真は、江戸小紋の型紙を作り出す道具です。
彫刻刀のようなものですが、これは手作りされるそうです。
敷いてある反物は角通しと鮫小紋ですが、信じられないくらい細かい模様でした。
型紙だけでウン十万円もするそうです。
お人形さんがたくさん並んでいる可愛らしい模様の江戸小紋もありました。
こちらは江戸更紗ですが、手前が白生地に1回目のラインが入っただけの状態です。
奥に行くにしたがって、色を重ねていったものになります。
こちらは36回の色を重ねたもの。
本当はもっとこっくりとした美しい色でした。
出来上がった反物を眺めて、感激しているところ。
ほんとうに手間がかかっているのですね。
一緒に参加したみなさんは、ご自分で染色をしたことのある方ばかりでしたので、工房の職人さんにも専門的な質問をされていました。
また職人さんも、私たちがみな着物姿でしたので、詳しい説明もしてくださいました。
工房のお隣にあるお店には、さまざまな反物が並んでいました。
美しい反物に囲まれて、うっとり気分に。
みんなそれぞれお気に入りの反物を探し出していました。
こちらは型紙を素敵に活用した屏風です。
どこかの料亭に行ったような気分になれますね。
私は江戸小紋というと、なんとなく地味なものだと思っていましたが、元の白生地の文様や、ちょっとした工夫を加えることによって、可愛らしくも華やかにもなるものだと、発見しました。
また反物は水平に広げて見るだけではその良さは分からず、身体にまとってみてこそ、美しさが格段に違うのだと思いました。
職人さんからじかにお話を伺うことができて、本当に良かったと思いました。
神田川のあたりには桜の並木道になっていて、お花見の季節にはさぞ美しい風景が見られると思います。
そのころにはお店の人も、模擬店を出して焼きそばなどのサービスをするのだとか。
来春には是非またお邪魔してみたいと思いました。
早稲田エリアの「紺屋めぐり」は11月20日(日)まで開催中です。
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見学をした後は、高田馬場駅まで戻り、「自然派野菜料理 カーポラヴォーロ」▼でランチをいただきました。
さぁ、いただきます。
前菜にはいろいろな種類の大根と人参が盛り合わせてありました。
とてもカラフルできれいでしたよ。
メインのパスタは4人が別々の料理を注文しました。
デザートは栗がふわふわのムースのようなお菓子でした。
こちらはお店の方に写していただきました。
お忙しいところ、おばさんたちの願いを聞いていただき、ありがとうございました。
私が写っている写真は、みなさんが写したものを使わせていただきました。
ありがとうございます。
短い時間でしたが、楽しいひと時をすごすことができました。
一人でふらりとお散歩をするのも好きですが、同じ趣味の人とお出かけするのも、楽しいですね。
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この日の装い。
先日、八王子娘のイベント▼で求めた着物です。
黒×ワインレッドの年輪模様。
なんと800円でした。
帯は「ろっこや」▼さんのレインフォレストで、きりりとしてみました。
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