叔母の着物整理の話は何回も書いてきましたが、この叔母は着物や帯の他に、風呂敷や手拭いも、たんまりと残していました。
いとこや妹や着物友だちと何回も整理しましたが、そのたびにあちこちの箪笥から風呂敷がどっさりと見つかりました。
使えそうな風呂敷はいただいてきましたが、箱に入ったままの新品も含めて、きっと100枚以上はあったと思います。
昔の人は、何かという時には、きっと風呂敷を差し上げたり、いただいたりしていたのでしょうね。
と、前置きが長くなってしまいましたが、そんな風呂敷を持て余していたところ、facebookの友人から「風呂敷の講習会があるのでいらっしゃいませんか」とのお誘いを受けたので、渡りに船とばかり、参加してきました。
会場は目黒にある、収納家具「Raum3」▼のショールームでした。
とてもすっきりとした空間でした。
まずは、アイディア溢れた収納家具を拝見。
さて、講習会が始まりました。
講師は「つつみ純子」先生。
たぶん、お名前は芸名(?)だと思うのですが、風呂敷に命をかけていらっしゃる素敵な先生でした。
先生のお話を少しだけ紹介してみます。
まずは風呂敷の歴史から教えていただきました。
日本では室町時代、足利義満の時代に、「風呂」という用語が初めて使用されたのではないかということでした。当時の風呂は、サウナのようなものだと思いますが、布をどのようにして使っていたのでしょうね。
その後、江戸時代には庶民の生活に欠かせないものとなっていったようです。
風呂敷の素材は、木綿、絹、ナイロンなどがあります。
絹の風呂敷は手触りが良くて、持っているだけでしっとりとしてきて奥様気分になれますが、水に濡れると縮んでしまうので、要注意です。
風呂敷の大きさは45センチ、50センチ、68センチ、90センチなどが代表的なようです。
私の実家には、剥ぎ合わせてもっと大きくしたものがあり、それは布団を包むときに使っていたようです。
また風呂敷にはいろいろな美しい模様が描かれています。
その構図により、額どり、丸どり、斜めどりなどと、詳しく分類されているとのことでした。
風呂敷のことを話し出したら、勢いの止まらない先生です。
下の写真で先生が広げていらっしゃる風呂敷は特別に染められたものだそうです。
日本の伝統的な文様が4つ描かれています。
麻の葉、三つ鱗、青海波、そして唐草模様です。
それぞれ子供の成長を祈るため、女性の幸せを祈るため、平穏な暮らしが続くよう、長寿や繁栄を願うためという、日本の伝統的な吉祥文様4種類です。
風呂敷についてのうんちくを学んだあとは、実習に入りました。
各自、大小2枚の風呂敷で練習をしました。
まずは、ピンクのきれいな風呂敷で包んでみました。
いつもは適当に包んでいるのですが、先生にちょっとしたコツを教えていただいたので、中の箱にフィットするように包めました。折りたたむときに、つまむのがコツでした。
お使い包みです。
紙箱を風呂敷を包んでにんまりとしているところです。
こちらは平包みの変形で、結び目が見えないように、上から布をかぶせたスタイルです。
結ぶということは、ほどくということにつながるので、結び目を隠すのだそうです。
ちょっとお上品に見えますね。
ここからは応用編です。
ワインボトルや日本酒を風呂敷で包む方法を教えていただきました。
これからのシーズンに役立ちそうですね。
風呂敷ごとプレゼントしたら良いですね。
さて、私も先生の真似をして、2本のシャンパンボトルを包んでみました。
最初はこのようにして横に並べます。
一緒に参加した5歳の女の子が、手伝ってくれました。
くるくると巻いた後、2本のボトルの間に、風呂敷の隅をしっかりと入れ込むのがポイントだそうです。
模様と余白の部分がきれいに出て、とてもお洒落な包み方です。
こちらは、風呂敷の両端を結んで、エコバッグのようにしているところです。
実習が終了して、記念撮影です。
真ん中は、今回のワークショップのお世話役であるNさん。
右は、着物友だちのIさん。
彼は仕事で納品に行くときは、製品を風呂敷に包んで行って、帰りは畳んで持ち帰るという習慣があるそうです。さすがですね。
先生のお話は、「風呂敷」という日本独自のものを切り口にして、日本の衣食住や、日本の言葉や文化など広範囲に渡っていて、とても奥が深いものでした。
そしてこの文化を、子供たちにも伝えていきたいという熱意に溢れていて、素晴らしいものだと感じました。
とても楽しくて役に立つワークショップでした。
夕暮れの目黒を後にして、家路に着きました。
講師のつつみ先生、お世話をしていただいたNさん、どうもありがとうございました。
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この日の装い。
地味着物に派手帯です。
着物はうたどんさんのお母様が着ていらっしゃった大島紬。
緑の八掛がかなり使い込まれていたので、黄土色に作り変えてもらって着ています。
帯はたんすやさんの催事で1000円だったもの。
黄色に真っ赤なバラが、恥ずかしいくらいに派手なものです。
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