私の小説の読み方は、かなり偏っていて、同じ著者のものばかり続けて読んだり、同じ時代のお話を続けて読むことが多いですね。
最近は宮尾登美子の「天璋院篤姫」を読んで▼、ここに出てきた徳川慶喜のことが気になり、この人に関連した小説を読み始めています。
篤姫に言わせると、慶喜の第一印象はあまり良くなかったようです。
前評判があまりに素晴らしかったのに反して、実際に会ってみると、どうも「いけすかない男」としての印象が強く残ったようでした。
篤姫は、もともとは慶喜を将軍にするように、と養父から秘かにことづけられていたのに、会ってみると「こんな男は将軍にしたくない」と思ったくらいだったようです。
篤姫を読んだ後は、慶喜の妻である美賀子さんから眺めた小説を読んでみました。
こちらも2回目です。
最初に読んだ時の感想はこちら▼。
読んでいくうちに、慶喜が表面上で活躍した時代(将軍になった前後15年くらい)のことをもっと知りたくなりました。
私はこれまで新撰組関係の小説はかなり読んでいたので、どうも新撰組の視線で行くと、「慶喜は我々を見捨てたヤツ」ということで、あまり評判はよくないように描かれていました。
でも、もっとちゃんと知りたいと思いました。
それで私は初めて司馬遼太郎の小説を読んでみました。
「最後の将軍 徳川慶喜」です。
しかし、司馬遼太郎のものは、馴染みがなかったせいか、読んでもあまり分からなかったというか、どうも面白くなかったというか・・・
こんなことを書くと、司馬遼太郎ファンには怒られてしまうかもしれませんが。
それで図書館でいろいろ、慶喜関連の本を探してきました。
子供向きのものから、年表形式のものまで、いろいろ選んでみました。
単に「桜田門外の変」があって、「蛤御門の変」があって、大政奉還があって、鳥羽戦争があった、というような事件の羅列ではなく、何が原因で日本人同士が殺しあったりしたのか、長州や薩摩の人たちは、何を考えていたのか、その辺りが気になったのです。
子供向きの小説でも結構内容が濃くて、登場人物も多くて、読みごたえがありました。
また立場によると、書かれていることが違ってくるのは当然ですが、慶喜ほどいろいろな見方をされた人はいなかったのではないか、と思ったりしています。
天保年間に生まれ、そして大正2年まで生き延びた一人の男のことに、興味が増してきています。
(この項、後にも続くと思います)
本当に徳川慶喜は興味深いです。私も、ある本(雄気堂々/城山三郎)を読んで、たまたまそこに徳川慶喜が出てきて、ずいぶん自分の持っていたイメージと違うな、と思ったものです。様々なアプローチの慶喜を知って、それで自分がどう思うか、なのでしょうか・・・。林真理子の『正妻』を、ぜひ読んでみなければ、と思います!♡
返信削除siroajisaiさん、こんにちは。ご無沙汰しております。
返信削除城山三郎も徳川慶喜のことを描いているのですね。ホントにいろいろな見方があるものですね。
慶喜自身は「徳川家は継ぎたいが、将軍は継ぎたくない」という人だったようですね。
彼の生きていた時代が悪かったのか分かりませんが、それでも後半人生では趣味三昧だったようですね。
写真、油絵、刺繍など手広く趣味を満喫していたそうです。
それはそれで楽しかったでしょうが、会津藩などで死んでいった人は、どう思ったことでしょうね。