「多摩伝統文化フェスティバル2017」というお祭りでした。
ポスターの上に描かれた楕円形のマークは、生糸や絹製品の原料となる蚕の繭をイメージしたものだそうです。
八王子は、昔から「絹の町」ですものね。
このイベントのテーマは、「日本の伝統を楽しもう」ということで、オープニングは津軽三味線。
そしてその後、菅生歌舞伎、八王子芸妓衆の踊り、筝と尺八の演奏、お茶会、人力車のサービス、織物体験など、さまざまなプログラムが町の中で繰り広げられました。
その中で、「温故知新」をテーマにした着物のファッションショーが開かれました。
多摩織の伝統工芸士である澤井伸さんと、若いアーティストの重宗玉緒さんが出会い、そして個性的な着物スタイルを作り上げたものを、ファッションショーという形で提案されました。
ショーの前日には、新聞にお二人の記事が掲載されました。
ファッションショーの当日は、真夏を思わせる真っ青な空と、ギラギラの太陽が降り注いで、ちょっと歩くと汗ばむような陽気でした。
道路の真ん中に赤いカーペットをしいて、そこにファッショナブルな着物を着たモデルさんが歩く、ということで、多くの市民が集まりました。
モデルさんたちは、かつてお茶屋さんの倉庫として使っていたという古い蔵から、一人ずつ歩いて登場しました。
この蔵のアンティークな感じと、現代的な着物が意外とよくマッチしていました。
鮮やかな色の着物、大胆なデザインの帯、可愛らしいバッグや小物などを身にまとい、とてもお洒落で個性的な着物姿でした。
モデルさんたちは無機質のような表情で、笑顔を見せずに歩いたりポーズを取ったりしていました。
中には「えっ」と驚くようなメイクアップ(長さ10センチほどのトンボのようなつけまつげ)や、「あっ」と目を疑うようなキューピーさんのバッグなどもありましたが、それも個性の現れでしょう、と思わせる楽しい着物姿でした。
道路にはいろいろな年代の方が見に来ていましたが、お年寄りも小さな子供たちも、みなさん、ショーを喜んでいたようです。
こちらは最後に挨拶をするためにカーペットに向かう重宗さんです。
もちろん、ご自身でデザインされた着物と帯をお召しです。
「八王子で、多くの人に着物を楽しんでもらいたい」と挨拶されたのが印象的でした。
八王子は桑の都、「桑都」と呼ばれているそうです。
その名がいつまでも続くよう、伝統の多摩織と重宗さんの斬新なデザインが融合して、これからも素敵な着物が作り出されることを期待しています。
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