2017年12月12日火曜日

「北斎とジャポニスム」展

先日、国立西洋美術館で開催中の「北斎とジャポニスム」展▼を見てきました。


上野の西洋美術館で、こんなに大量の日本の絵画が展示されたことなど、前代未聞ではないでしょうか。

朝早くから出かけましたが、多くの絵画ファンで、広い会場もかなり混んでいました。


私は以前、市民カレッジで北斎のことについて、いろいろと学んでいました。
こちらは最終講義の時のブログ▼ですが、今、読み返してみると、北斎自身も西洋の絵画から遠近法などを取り入れて影響を受けていたようです。
でもそれ以上に、北斎が西洋の画家たちに与えた影響の大きさは計り知れないほどだったようです。

モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガン、ゴッホなど、有名な画家たちは北斎の絵画をモチーフにして、多くの作品を生み出していました。

こちらはドガの「踊り子たち」と、北斎の相撲取りの絵です。
このポーズに、北斎からの影響がある、ということでした。
たしかに腰に手を当てている姿は、同じですね。


私が素敵だなと思ったのは、北斎の絵を取り入れた食器(お皿や壺など)でした。
白磁のお皿に、すっきりとした和風の絵画はとても映えて、そこに金銀などを追加していて、とても豪華に見えました。

北斎は90才まで長生きして、その間には何回も名前を変えたり、住まいも変えたりしながら、描くことだけに熱中した人でした。
生きている間に描いたものは、2万点以上と言われています。
その対象は人間はもちろんのこと、動物、植物、富士山、海、あちこちの風景、そしてありとあらゆるこまごましたものまで描いていました。

とくに北斎漫画と呼ばれるもの(いわゆるマンガではなく、漫然と描いたもの、という意味です)は、ペラペラの紙に墨だけで描いたものでしょうが、どれもイキイキとしていて、当時の日常生活が伝わってくるものでした。
その漫画が、西洋の画家の手にかかると、絵の具を何回も塗り重ねて、ごってりと重厚なものに変身してしまうところが面白いと思いました。

北斎自身は、自分の描いた絵(あるいはその一部)が、こんなにたくさんの画家に影響を与えたということは、もちろん知らなかったでしょうね。
もし現代に生きていたなら、テレビやインターネットですぐに分かったでしょうが。
でも北斎さんは、もし誰かが彼の絵画を真似したりしていても、あまり気にしないで、「そうかな」くらいの返事しかしない人だっただろうな、とも思いました。

今回展示されている絵画ですが、目録を見ると、世界中のたくさんの美術館や個人蔵のものがあり、それだけ北斎の絵は各地に散っているというのが分かります。

北斎の絵画が、西洋の美術に与えたものの大きさを教えてくれる展覧会でした。

ほんとうにたくさんの作品が展示されているので、ずっと立って鑑賞するのは疲れました。
ということで、途中に休憩場所があったのは、助かりました。

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この日の装い。

北斎の展覧会には、是非とも着てみたい着物がありました。
「北斎ブルー」に敬意を表して、こちらの海の色のような着物です。


これは10月のフリマでいただいてきたものですが、生地がしっとりとしていて、適当な重さがあって、着ていても身体に沿うような感じがします。
「落ち感」とでもいうのでしょうか、気持ちの良い素材です。
いつ頃のものか分かりませんが、かなり良いものだと思いました。

帯はざっくりとした青に、赤い模様の帯。


八王子娘のバザーで100円でいただいてきた青のドットの半襟を付けてみました。

青い着物は好きですね。


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