先日、着物友だちIさんからのお誘いで、「平家物語~語りと波紋音」▼を聴く、という公演に伺いました。
会場は赤坂にある「金龍」▼。
昭和28年に建てられたというレトロな料亭です。
こちらの入り口から入ります。
こういうところは、一人ではちょいと入りづらいところですが。
「平家物語」の語りを担当したのは俳優の金子あいさん。
波紋音は打楽器奏者の永田砂知子さん。
金龍でのこのイベントは2回目だそうで、熱烈なファンもいらっしゃるようでした。
始まる前の舞台です。
まずは金子さんが巫女さんのような白い衣装で登場しました。
「平家物語」をざっと説明して、その後は有名な出だしの「祇園精舎」、平家のイケメン男子重衡と、源氏の長者の娘の恋物語「千手前」、そして平家の美女の頭にある扇に矢を打ち放す「那須与一」を朗読されました。
金子さんは平家物語をすべて暗記されていて、そして少しの動きをつけていました。
平家物語の七五調の美文を、しっとりと、そして朗々と、めりはりをつけて語りました。
その朗読の伴奏というか、効果音として使われたのが「波紋音」という打楽器でした。
その音色は宇宙からやってきたような、なんとも不思議な音色でした。
やはり古くから多くの人に語られてきた平家物語は、耳に心地良いですね。
できたら、安徳天皇が二位の尼に抱えられて、波の中へ沈んでしまうところも聞いてみたいものだと思いました。
その後は、ゆったりと会食が始まりました。
食事は椅子席でいただきました。
こちらが献立ですが、季節感に溢れていて、二月は梅と鶯がテーマのようでした。
先付から最後のデザートまで、全部で7品も登場しました。
どれも小さく切ってあり、ちまちまとして美しく、その割にはしっかりとした味付けでした。
純和風というよりも、チーズを使ったり、マヨネーズを使ったりとした美しい料理でした。
最後に出された、うぐいす葛が気に入りました。
食事の間には、金子さんと永田さんがお客さんの間に入っていらっしゃり、いろいろとお話をされていました。
金子さんは舞台に立っていたときは、中性的な魅力のあるききりとした感じに見えましたが、私服に着替えられて登場した時は、とても女性的な方に見えました。色々な面を持っているというのは、さすが俳優さんですね。
永田さんは舞台の時も、舞台から降りた時も、独特の個性的な洋服を着ていらっしゃり、とても雰囲気が良くて、お似合いでした。
その後に、「波紋音」を近くで見せていただきました。
これは鉄製の楽器で、いろいろな大きさがありました。
なんというか、大きなものは火鉢というか、小さなものは枕のような感じでした。
それほど重くはありませんでした。
永田さんに説明していただきました。
中央には割れ目が入っていて、これで微妙な音の変化がするそうです。
細い棒のようなもので叩いて音を出すのです。
床の間にあった「道」という書は、棟方志功さんがこの場所で書いたものだそうです。
お花もとても大きくて立派でした。
赤坂で、優雅なひとときを過ごすことができました。
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この日の装い。
かなり寒かったので、ローズピンクの紬にしました。
ところが、この着物、金龍の仲居さんが着ていた着物と色がそっくりで、ショックでしたよ。
帯は叔母の遺品。
帯揚げはろっこや▼さん。
帯留はkimito▼さんの七宝焼き。
この日は、どうもちぐはぐな選択をしてしまったようで、着るものに関しては、一日、気分が上りませんでした。
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