2018年6月3日日曜日

こかし撥

先日の三味線のお稽古は、「勧進帳」の「瀧流し」の合方でした。
合方というのは、唄の部分がなくて、三味線だけの、いわゆる見せ場で、うまく弾けるとかっこよい部分です。


以前、別の先生に「瀧流し」を少し教えていただいたときは、この部分は普通に弾いていましたが、今の先生からは、「こかし撥」という技法で弾くというようにと、教えていただきました。

三味線の弾き方の本によると、
「こかし撥:三味線技法の一つ。撥を一つ一つ絃にぶっつけず、押しつけるようにして一の絃から二、三とすべらせ、力を抜いて弾く弾き方」
だそうです。

三味線は、普通は、一つの音を撥を下すように弾いたら、次の音を弾くときは、撥をもう一度上にあげて、そして下ろして弾きます。
ところがこの技法は、いちいち撥を上げて一音ずつ弾くのではなく、一度に複数の異なる糸の音を出すのです。
頭では分かっていても、どうも指が付いて行きません。

ちなみに三味線の弾き方には、「スクイ」とか「ハジキ」などいろいろな技法があります。


私は、最初は「こかし撥」の意味を取り違えていていました。
先生は、撥を握っている私の手を上から押さえて、「こうやって弾くのよ」と教えて下さいますが、つい手が上ってしまいます。
うーん、大人になると、新しいことを学んで自分の身に付けるのは難しいですね。
これがうまく弾けるとかっこいいのですけどね。

ちなみに「こかす」という動詞は、関西方面では「ころがす」とか「転ぶ」というような意味があるそうです。こかし撥とは、ちょっと関連がないようですね。

いずれにせよ、こかし撥は練習あるのみですね。


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